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ノッポさんが5歳で知った“大人のズルさ”

高見 のっぽ[俳優・作家]

  • 日経ビジネス編集部

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2017年9月15日(金)

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(日経ビジネス2017年5月15日号より転載)

 もう83歳になりました。NHK教育テレビの『できるかな』(当初は『なにしてあそぼう』)に「ノッポさん」として初登場したのは50年も昔です。それから20年以上、“小さい人”が自由な発想を膨らませるようにとの一心で、紙とハサミを手に全力で工作に取り組みました。日経ビジネス読者の皆様の中には、“小さい人”だった頃に「ゴン太くん」と一緒の私をテレビで見かけた方も多いのではないでしょうか。

(写真=村田 和聡)

 実は私、不器用なんです。でも、本当に一生懸命やりました。病気をしても1回も休まずに。保育者や父母、子供たちから支持されても、不安だったんです。もっと上手な人が現れて、仕事を奪われてしまうのではないかと。それでも続けられたのは、私自身の小さい頃の記憶によるところが大きかったと思います。

 人生の転機は5歳の頃に訪れました。おばちゃんが大人の理屈で、卒園式の謝辞を読むという私の晴れの舞台を奪ってしまいました。所詮、5歳の私には分からないと侮ったのでしょう。その時から私の大人を見る目は変わりました。大人には軽蔑すべき人がいるとね。

 大人にとっては、生意気で扱いにくかったでしょう。学校でも、教室の片隅から「おまえにそんなことを言う資格あるのか」といった目で、じっと先生を見つめているわけですから。

 そんな性格は戦争で決定的になりました。「鬼畜米英」と叫んでいた先生たちの一部が、終戦後1カ月もたたないうちに「民主主義とはいいものだな」と恥ずかしげもなく言うようになったわけです。ひきょうですよね、大人は。

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