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【105】どんな悲しみも必ず時間が解決する

2015年12月12日(土)

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過労死裁判を起こすべきでしょうか

Q先日、最愛の夫が仕事を苦に、自ら死を選んで逝ってしまいました。子煩悩で家族思いの人でした。決して弱い人ではありませんでしたが、遺書には「弱くてごめん」という言葉がありました。この1、2年、非常に激務で体調も崩しがちでしたが、思い悩んでいることに気づいてあげられませんでした。私は自分が許せない気持ちでいっぱいです。残された4人の子のため、自死は伏せておいた方が良いとの意見に従い、周囲には病死としています。彼の意には反することになりますが、彼の死を正当化すべく、過労死認定のため戦ってみるべきか思い悩んでいます。事態が深刻なときほど「笑え」…。どうすれば笑える日が来るのでしょうか。

(48歳・女性)

シマジ:相談者のご主人の冥福をお祈りする。ご主人はとても頑張っていた人なんだろうね。真面目で、責任感が強く、自分を追い込んで生きてきたんだろう。相談者の年齢からすると50歳くらいだと思うが、その年齢の男が4人の子供を残して、「弱くてごめん」と遺書に記して死を選ぶとは…。一面識もない他人ながら、その心情を思うと一言もない。それに、俺のようないい加減な人間に、こんな深刻な相談をせざるを得ない相談者のことを思うと、切なくてならないね。

 4人の子供のために自死は伏せているとのことだが、お子さんはどれくらいの年齢なのかな? 相談者の年齢なら、普通に考えると子供たちはわりと大きいのではないかね。表向きは病死として処理される自殺は少なくないが、それを子供に隠し続けるのは難しいと思うね。勘の鋭い子なら小学生でも、急に父親が亡くなる不自然さを感じているだろう。中学生や高校生ともなれば、母親の様子や親類の人たちの会話などから、うすうす何が起こったか分かっているはずだ。思春期くらいの子供には、父親の自殺は大きなショックを与えるだろうが、時期がきたら本当のことをきちんと話すべきだと思うね。

 子供たちがもやもやとした気持ちを持ち続けるのも、今後父親の話をタブーにしてしまうのも、いいことだとは思えない。父親の死を乗り越えて、残された家族5人が強く生きていくためには、事実を事実として受け止める必要があると思う。

無理やりにでも人生の可能性に目を向ける

ミツハシ:4人の子供のために「周囲には病死としています」という相談の文面からは、子供たちは事実を知っているが、子供たちを世間の偏見や批判から守るために、周囲には伏せているとも読めますね。

シマジ:ああ、なるほど。その可能性もあるね。いずれにせよ、残された家族は、力を合わせて強く生きていかなくてはいけない。確かに、人間は一瞬の迷いで死を選んでしまう弱い生き物だ。追い詰められ精神のバランスを崩すと簡単に死神に魅入られてしまうことがある。これは冷酷な現実だ。だからこそ、いま生きている人間は、その命を全うしなければいけない。死神に魅入られないように、自分の人生や未来をネガティブに見るのではなく、無理やりにでも人生の可能性に目を向けるべきなんだ。

 今東光大僧正が繰り返し「失望するなかれ」と言ったのは、人間が容易に負のモーメントに引きずられることを知っていたからだよ。人生は悪い冗談の連続であり、失望のタネは次々と襲ってくる。だが、それを受け止める人間がパラダイムをシフトして、失望のタネに拘泥しなければ、それは芽吹かない。俺が快楽的であることを勧めるのは、快楽的な生き方が死を遠ざけるからでもあるんだ。

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「【105】どんな悲しみも必ず時間が解決する」の著者

島地 勝彦

島地 勝彦(しまじ・かつひこ)

コラムニスト

「週刊プレイボーイ」の編集長として同誌を100万部雑誌に。各誌編集長を歴任後、2008年11月集英社インターナショナル社長を退き、現在はコラムニスト。シガーとシングルモルトとゴルフをこよなく愛する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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牛島 信 弁護士