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【122】社会学は人生の役には立たない。でも…

2015年12月26日(土)

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大学での勉強が就職につながるのか不安です

Q私は、関西の私立大学の2回生です。最近、自分の人生をどうしたいのか、自分の人生において何を目標をとしていけばいいのか分からない、とよく思うようになりました。やらなければならないレポートなどをこなすだけの毎日です。社会学を専攻しているのですが、そろそろ始まる就職活動などを考えると、これからの自分につながるのかと不安になりますし、こなすだけの毎日が続く気がしてとても怖いです。

(20歳・男性)

シマジ  まあ、結論から言えば、相談者がいま学んでいる社会学が就職活動に役立つことも、その後の社会人生活を助けることも、おそらくないだろうね。

ミツハシ いきなり、身も蓋もないですね。

シマジ  ミツハシだってそう思っているだろ。そういえば、ミツハシは経済学部卒だったな。大学での勉強が仕事に役立ったという実感はあるか?

ミツハシ ないですね。私は就職してすぐに『日経ビジネス』に配属され、15年間、経済・経営の専門誌で記者をしてきたわけですが、それでも大学で学んだ経済学と、企業取材などを通じて経済や経営の「今」を伝える作業には、大きな隔たりがあったというのが実感です。

人間というわけの分からない生き物が介在しているわけだからね

シマジ  そんなものだよ。俺は集英社インターナショナル時代に、経済学者の中谷巌先生の本を2冊作った。最初が『痛快! 経済学』だ。多くの人が難しいと感じる経済を、マンガをふんだんに使ってこれ以上ないほど分かりやすく解説したこの本はベストセラーになった。それから10年後に、もう一度中谷先生に書いてもらったのが、やはりベストセラーになった『資本主義はなぜ自壊したのか』。こちらの本は、中谷先生が学び教えてきた経済学というのが、実は間違っていたと告白した懺悔の書だよ。

ミツハシ あの中谷先生が「市場原理主義が社会を破壊する」と言い出したわけですから、驚きましたね。

シマジ  結局、経済学は自然科学ではないということだね。経済というものをどれだけ精緻に理論化しても、そのモデル通りに実際の経済は動かない。そこには人間というわけの分からない生き物が介在しているわけだからね。人間は理屈だけでなく好き嫌いの感情で動く。簡単にデマに騙されるし、不安に駆られて破滅的な選択をすることもある。マーケットメカニズムに任せておけば、効率的な資源配分ができるなんて、人間という生き物の滅茶苦茶さや下品さを知っていれば、幻想に過ぎないと直感的に分かると思うね。

コメント4

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「【122】社会学は人生の役には立たない。でも…」の著者

島地 勝彦

島地 勝彦(しまじ・かつひこ)

コラムニスト

「週刊プレイボーイ」の編集長として同誌を100万部雑誌に。各誌編集長を歴任後、2008年11月集英社インターナショナル社長を退き、現在はコラムニスト。シガーとシングルモルトとゴルフをこよなく愛する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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