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バブル世代は、浮かれた体験談を赤裸々に話そう

歴史の教訓 ~投資プロセスを検証する意義

2015年12月3日(木)

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 研修先の中堅、若手の皆さんとカジュアルな飲み会でご一緒する機会がある。大組織を離れて 2~3年経つので、皆でわいわいガヤガヤするのはとても楽しく嬉しい。

 ついつい調子にのって、昔話など披露する。1980年代は毎年給与が10%近く上がった。貸出しの基準金利である長期プライムレート(長P)は8%を越えていた。国内不動産価格は局所的だが3カ月で30%近くあがったこともあった。

 金融機関はこぞって米国不動産投資をした。タクシーは倍のお金を払っても乗せてもらえないことがあった。皆が攻めて攻めて攻め続けた時代。そして「いまの熱狂が今後も続く」と信じることが、いかにクレージーであったか、あとから気づかされたわけだ。

 そんな話をしていると、若手のみなさんから「いいなー。一度でも経験してみたかったなー」という反応が返ってくる。何か申し訳ない気持ちになる。実際の担当はバブルの享受ではなく、敗戦処理だったのだが、それもまた良い勉強だったのは確かだ。

 そして、体験していない歴史は引き継がれにくいものだなぁ、と改めて思ったりもした。

最大の運用教育は、ベタな体験の披露

 「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」状態になってしまうのもいけない。ただ、金融資本市場は20~30年が経過して大勢が過去を忘れた頃に、同じ失敗を繰り返すものだ。そう考えると、そろそろ日本企業に埋もれた年配者の出番ではないか。成功も失敗も、喜びもむなしさも含めて、とことんリアルでベタな昔話を語ることが、若手に対する最大の運用教育なのかもしれない。

 そんなことをきっかけに、いまわたしがデジャブ的に懸念し始めたのは、日本の大企業の「拡大」投資・M&Aブームだ。ついつい、かつての規模追求型の拡大競争を思い出してしまう。

 あれこれ論じられるほどの内部情報を持ち合わせていない。だから、一個人投資家の視点から、運用にまつわるいくつかの疑問につき記してみたい。

 疑問1)日本企業がプレミアムをつけた価格で海外企業を買収しながら経営にはハンズオフと宣言してしまったら論理矛盾ではないか?

 プレミアムを払って市場価格より高い値段で株式を買うのなら、その高値を正当化する理由が必要だ。投資側の経営力が高く、買われた側の経営効率を改善して増益にできるのなら説得力があろう。逆に、最先端のノウハウを本国に持ち込み、本体の業績を改善するというストーリーも考えられよう。

 ところが多くの場合、なぜその投資をするのか?新聞やプレスリリースを読んでいる限りはっきりしない。ましてやハンズオフ(経営には口出ししない)と宣言されてしまうと、バリューアップの意思と戦略がないのになぜプレミアムを払うのか・・完全に論理矛盾の状態に見える。

 もしリターンのみを狙う純粋投資なら分散すべきだろう。その時運用者は、経営の適合性や相乗効果ではなく、ポートフォリオ全体としてのリスクリターン管理の視点から投資の妥当性を検証するだろう。

性善説でないと軋轢が起こる日本社会

 もしなんとなく戦略性とリターンの両方を求めるなら、それはかなり複雑な賭けとなる。あとから失敗も成功もクリアーに振り返りができない。運用的視点からは、学べない投資には反対だ。

 ストーリーの「説明」なき戦略投資は、投資する個人や法人に判断基準を与えない点で不公正ではないのか。

 疑問2)海外ビジネスにおいて性善説に基づく戦略的投資プロセスは正当化されるだろうか?

 日本は性善説に立って物事を進めないと何かと軋轢が生じやすい社会だ。だからその延長で、海外との交渉においても、「そんなことを聞いたら失礼にあたるのではないか?」「そんな要求をつきつけたら信頼が壊れてしまう!」などという発想に陥りやすい。

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「バブル世代は、浮かれた体験談を赤裸々に話そう」の著者

岡村 進

岡村 進(おかむら・すすむ)

人財アジア代表取締役

1961年生まれ。1985年東京大学法学部卒。同年第一生命保険に入社し、20年間勤務。2005年スイス系UBSグローバル・アセット・マネジメント入社。2008年から日本法人社長。2013年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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ビル・エモット 国際ジャーナリスト、英エコノミスト誌・元編集長