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「人災」土砂崩れは東京ドーム8個分を埋めた

行方不明者75人、救助活動は十分だったのか

2016年1月8日(金)

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写真:ロイター/アフロ

 広東省“深圳市”は香港特別行政区に隣接する経済特区で、常住人口1080万人を擁する大都市である。深圳市は1970年代までは人口わずか30万人の農村に過ぎなかったが、1980年に中国で最初の経済特区に認定されたのを契機に、その地理的な優位性を活かして発展を続け、今や域内総生産(GRP)では上海市、北京市、広州市に次ぐ第4位に位置している。深圳市の中心部には高層ビルが立ち並んでいるが、今なお新しいビルが次々と建設されており、その発展ぶりはめざましいものがある。

 2015年も押し迫った12月20日の午前11時40分頃、その深圳市の北西部に位置する“光明新区”の“鳳凰社区”<注1>内にある“紅坳(こうおう)村”の“恒泰裕工業園(工業団地)”で大規模な土砂崩れが発生した。崩れたのは恒泰裕工業団地に隣接する「紅坳残土仮置き場」に100m以上の高さに積み上げられた建築ごみや残土であった。恒泰裕工業団地の人々は突然響き渡った轟音と濛々と立ち上る土煙に驚嘆して、我先にと土煙とは反対の方向へ逃げたが、ものすごい速度で崩れ落ちる土砂に次々と飲み込まれた。また土砂は工業団地内の建物を次々となぎ倒したし、天然ガスのパイプラインの爆発を誘発した。

<注1>“社区”とは地域社会を指し、鳳凰社区は光明新区を構成する社区の一つ。

最大4000人で救助に当たったが…

 「大規模土砂崩れ発生」の知らせを受けた深圳市政府は、消防局、公安局、武装警察支隊、衛生局、安全監督局、住宅・建設局、規劃・国土資源委員会などで構成される2000人からなる救助隊を現場へ派遣して救助作業を展開した。現場に到着した救助隊は、先ず手始めに行方不明者の家族や工業団地内の企業関係者を強制的に排除した後、事故現場周辺を完全に封鎖した。その後、最大4000人まで増強された救助隊は、深圳市内から急きょ調達したパワーショベルを主体とする300台以上の各種建設機械を駆使して生存者の救出活動を展開した。

 現場の実地調査により33棟の建屋が倒壊あるいは損傷していること、また現場周辺での聞き取り調査により100人近い人々が行方不明であることが判明した。災害における人命救助は、災害発生から72時間を過ぎると生存率が急激に低下すると言われている。72時間が経過するまでに生存者を救出することは至上命題である。官製メディアは、救助隊が昼夜を問わず不眠不休で救助活動を展開していると報じたが、行方不明者の家族が深夜密かに封鎖区域内に忍び込んで確認したところでは、救助隊は夜10時から早朝4時までは救助作業を停止していた由で、救助隊全体が誠意ある形で救助活動を行っていたかどうかは疑問が残る。

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「「人災」土砂崩れは東京ドーム8個分を埋めた」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官