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「長江の環境保護優先、開発中止」習近平の真意

「三峡ダム」問題で江沢民を貶めるか

2016年1月15日(金)

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 2016年1月5日、中国共産党総書記の“習近平”は重慶市で全国に31ある省・自治区・直轄市の1/3に相当する11省の党委員会書記を招集して「長江経済ベルトの発展を推進する座談会」を開催した。座談会に参加したのは長江流域に位置する上海市、江蘇省、浙江省、安徽省、江西省、湖北省、湖南省、重慶市、四川省、貴州省、雲南省の各省党委員会書記であった。なお、この座談会には、“国務院”「長江経済ベルト発展推進指導チーム」のチーム長を兼ねる国務院副総理の“張高麗”、習近平の懐刀と言われる党政治局委員の“王滬寧”(中央政策研究室主任)と“栗戦書”(中央書記所書記)などが参加した。

「生態環境の修復」を最優先

 習近平は座談会の終わりに演説を行ったが、その概要は以下の通り。

(1)長江と黄河は共に中華民族発祥の地であり、共に中華民族の揺り籠である。中華文明発展の歴史を見渡すと、四川省・重慶市一帯から“江南(長江以南)”の水郷地帯に至る長江流域は著名人ゆかりの地であり、歴代の優れた思想家を育み、無数の傑出した人物を輩出している。長い年月、長江流域は水を紐帯として、上流・下流、左岸・右岸、本流・支流をつなぎ、経済社会の大きな体系を形成してきたが、今日なお依然としてシルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードをつなぐ重要な紐帯である。

(2)中華人民共和国の成立以来、特に1978年12月に打ち出された“改革開放”政策以来、長江流域の経済社会はすさまじい勢いで発展し、総合的な実力は急上昇し、我が国経済の重心となり、活力となった。しかし、長江経済ベルトの発展推進には生態を優先するエコロジー発展の戦略方針が堅持されねばならず、これには自然法則だけでなく、経済法則や社会法則の尊重が求められる。

(3)長江は特有の生態系を持ち、我が国にとって重要な生態の宝庫である。現在そして今後の相当長い期間にわたって、長江の生態環境の修復を何よりも重要な位置に置き、“共抓大保護,不搞大開発(共に環境保護に取り組み、大きな開発を行わない)”。生態修復事業は長江経済ベルト発展推進プロジェクトの優先事項とし、長江の防護林システムの建設、表土流失やカルスト地区の砂漠化防止、耕地の森林や草原への還元、表土の保持、河川・湖と湿地の生態保護・修復などの事業を着実に行い、水源の維持、表土保持などの生態機能を強化する。また、革新的な新技術を用いて長江の生態保護を行う。

 さて、上述した習近平の演説の中で重要なのは、「今後相当長い期間にわたって、共に環境保護に取り組み、大きな開発は行わない」という発言である。長江の生態系が危機に瀕し、風前の灯状態にあることは周知の事実である。その原因は長江沿岸から未処理のまま排出される工場廃水、生活汚水や農業汚水による水質汚染であるが、その根本的な元凶は“長江三峡水利枢紐工程(三峡ダムプロジェクト)”による長江の流量、流速、汚泥量などの急激な変化にある。三峡ダムの完成後、長江は流量の減少、流速の低下を来たしたことにより、汚泥の沈殿量は増大した。また、廃水や汚水が停滞することにより水質汚染はさらに深刻化したのである。

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「「長江の環境保護優先、開発中止」習近平の真意」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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