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習政権の標的は「トラとハエ」から「黒と悪」へ

中国を騒がせた医師の自殺、元凶は「地元の顔役」

2018年2月9日(金)

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 中国国営の「新華社通信」は1月24日付で、「中国共産党と中国政府“国務院”が最近、『“掃黒”・“除悪”特別闘争の展開に関する通知』(以下「掃除通知」)を出した」と題する記事を配信した。“掃黒”とは、“掃黒社会”の略で、“黒社会(暴力団)”を一掃することを意味する。また、“除悪”は、悪人や悪事を除去することを意味する。すなわち、暴力団の一掃と悪人や悪事の徹底除去を目的とした特別闘争を展開することを全国に通知したのだ。

「打黒」から「掃黒」へ引き上げ

 同記事は、中国共産党第19回全国代表大会(2017年10月18~24日)の決定と“習近平”総書記が指示した重要な精神を深く貫徹して実行し、国民が落ち着いて暮らし、仕事を楽しみ、社会が安定して秩序を保ち、国家が長期的に安定することを保障し、中国共産党の執政基盤をより一層強固なものとするため、中国共産党“中央委員会”並びに国務院は、全国で“掃黒”・“除悪”の特別闘争を展開することを、掃除通知は指し示していると報じた。

 中国では10数年間にわたって“打黒”・“除悪”特別行動が展開されて来た。“打黒”とは、「“黒社会(暴力団)”を取り締まること」を意味するので、今回の掃除通知は従来の「暴力団を取り締まる」から一段階引き上げて「暴力団を一掃する」として、最上級の決意表明を行ったことになる。

 長年にわたる暴力団取り締まりが効を奏し、暴力団の勢力は抑制されたが、依然としてその数は多く、取り締まりが強化されるに従い、彼らの活動は徐々に隠れたものとなり、犯罪と違法の間を巧妙に動き回り、組織の形態や利益獲得の方式も変化してきている。暴力団は従来の「公然と暴力を振るって脅す方式」から「陰で暴力を振るって脅す、あるいは非暴力で脅す方式」に転換し、「脅しても怒鳴らず、怒鳴っても暴力を振るわず、暴力を振るっても傷付けず」を原則として取り締まりを免れている。また、彼らは暴力団を会社組織に変更し、暴力団であることを隠蔽して合法的な組織となり、暴力団の親分は陰に隠れて黒幕となるなどしている。

 暴力団が浸透する領域は、かつては砂利採り、建築などの分野であったが、今では物流、不動産、観光、飲食などの分野、さらには高利の貸金業などにも進出している。大学生に対する違法な貸金を行う“学園貸(学生ローン)”<注1>の業者もその背後には暴力団がいる。また、暴力団は社会にはびこる悪人と結託して仲間となり、違法活動を展開する。その悪人が地域の実力者であれば、その実力者が暴力団の“保護傘(後ろ盾)”となり、地元の警察や検察までが見て見ぬ振りをすることになるから、彼らは好き放題に悪事を働くことが出来るようになる。

<注1>“学園貸”の詳細は、2017年4月21日付の本リポート『女子大生を餌食にする中国「裸ローン」の罠』参照。

 習近平は2012年11月に中国共産党中央委員会総書記に選出された直後の2013年1月に、特権を利用して大きな腐敗を行う指導幹部の「トラ」と庶民の周囲で小さな腐敗を行う「ハエ」を取り締まる「トラ退治とハエ駆除を同時に行う腐敗撲滅運動」を発動した。この結果、2017年12月までに150万人の役人が取り調べを受け、共産党および政府の高級幹部、人民解放軍”および“武装警察”の⾼級軍官が数百名規模で腐敗を摘発されて処罰された。この「トラ退治とハエ駆除」に続いて着手しようとしているのが、「暴力団の一掃と悪人や悪事の徹底除去」なのである。

コメント4件コメント/レビュー

読めば読むほど黒社会と共産党の違いが分からなくなりました。やっぱり掃党が必要なのかな?それとも人間の問題かしら?(2018/02/12 23:02)

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「習政権の標的は「トラとハエ」から「黒と悪」へ」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

読めば読むほど黒社会と共産党の違いが分からなくなりました。やっぱり掃党が必要なのかな?それとも人間の問題かしら?(2018/02/12 23:02)

黒沢明の「七人の侍」か永井豪の「バイオレンスジャック」はたまた「北斗の拳」の世界か.....(2018/02/09 13:11)

まあ、日本もそういう事は有りますので偉そうな事は言えませんが、所謂これも「ずるい=賢い」「賢い=ずるい」という思想が生み出した、一つの弊害なのかもしれませんね。(2018/02/09 12:59)

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