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習近平政権が“掃除”進める「12の黒悪勢力」

結託する悪徳役人と悪徳業者に加え、「人権弁護士」も…

2018年3月9日(金)

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全人代も厳重な安全対策の中で。習近平政権が目指す「治安維持」の行く先は…(写真:ロイター/アフロ)

 3月5日、中国の国会に相当する“全国人民代表大会”(以下「全人代」)の第13期第1回会議が北京市の人民大会堂で開幕した。今回の全人代は3月20日に閉幕予定で、通常の全人代が11⽇間であるのに対して5⽇間延⻑されることになっている。会期が5日間も延長される理由は、次の2項目を含む憲法改正案などを審議するためである。

(1)習近平は2013年3月14日に国家主席に就任し、今回の全人代期間中に任期5年の2期目に入る。このまま行けば、2023年の3月には現行憲法に規定されている国家主席の任期上限である「連続2期10年」に達し、それ以上留任することは憲法違反となる。そこで、現行憲法に「国家主席”の任期は連続2期10年までとする」とある任期上限に関する条文を削除する。

(2)中国共産党中央委員会総書記の“習近平”が2017年10月18日に中国共産党第19回全国代表大会で提起し、同年10月24日に中国共産党の“党章(党規約)”に指導理念として書き込まれたのが、“新時代中国特色社会主義思想(新時代の中国の特色ある社会主義思想)”である。これを“習近平新時代中国特色社会主義(習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想)”として憲法の前文に書き加えること。

251人の高級幹部が失脚

 上記の憲法改正案は3月20日までの会期中に可決されて成立する見込みであるが、(1)は何を意味するのか。習近平は国家主席であるだけでなく、中国共産党中央委員会総書記兼“中央軍事委員会”主席でもあるが、これらの役職には任期の上限はなく、国家主席の任期撤廃により、習近平が3つの役職全てを3期以上続投することが可能となり、権力の集中により最高権力者として終身制への道が開けることになる。

 2012年11月15日に中国共産党中央委員会総書記となった習近平は、その2週間後の11月29日に、“中国夢(中国の夢)”を提起し、「偉大な復興の実現は中華民族の近代以来最も偉大な夢である」と定義付けた。しかし、総書記就任2日後の11月17日に開催された8期中央政治局第1回集団学習会で演説した習近平は、深刻化する幹部の腐敗に触れて「物が腐れば、後に虫が湧く」と述べて、腐敗問題がより深刻化すれば「最終的には必ず党と国が滅ぶ」と危機感をあらわにした。

 要するに、中国の夢を実現しようにも、中国共産党ならびに中国政府の幹部の腐敗が深刻であれば、夢の実現より前に中国共産党と中国が滅びると危機感を表明したのである。それから始まったのが「トラ退治とハエ駆除」を同時に行うと形容した腐敗幹部を取り締まる「反腐敗運動」であり、この反腐敗運動は過去5年間で一定の成果を収め、150万人の腐敗官僚が取り調べを受け、2018年1月までに高級官僚172人、高級軍官64人の計251人の高級幹部が失脚した。

コメント7件コメント/レビュー

不安定な中国社会を安定化させるために、中国共産党政権は斯様な策を講じるとのことだが、端的に言って的外れだ。共産党独裁こそが社会不満の根源要素だからだ。この党国体制こそが人権軽視や監視強化、また貧富の格差の止めどもない拡大や腐敗社会の出現の根である。全ての権力を共産党が独占し、膨大な人民には選挙権どころか真っ当な異議申し立て権すらない。さすれば不満を溜め込み必然的に怒りを暴力的に爆発させる他に手立てがない。習近平氏もそのことは百も承知であろう。よって「大国」など人民に対して美辞麗句を振り撒きつつ、実のところは締め付け策を実行している。鄧小平流の経済成長策はもはや賞味期限切れ。だが、現体制下では次の策がない。これからも経済を成長させるためには体制転換するしかないが、習近平氏を始めとする共産党特権層は経済を犠牲にしてでも現体制固守を為すつもりのようだ。それでは社会の安定化は実現不可能。抑圧するしかない。人民に銃口を向ける国内治安維持費がかくも膨大な額になるのは自明の理。(2018/03/14 03:04)

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「習近平政権が“掃除”進める「12の黒悪勢力」」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

不安定な中国社会を安定化させるために、中国共産党政権は斯様な策を講じるとのことだが、端的に言って的外れだ。共産党独裁こそが社会不満の根源要素だからだ。この党国体制こそが人権軽視や監視強化、また貧富の格差の止めどもない拡大や腐敗社会の出現の根である。全ての権力を共産党が独占し、膨大な人民には選挙権どころか真っ当な異議申し立て権すらない。さすれば不満を溜め込み必然的に怒りを暴力的に爆発させる他に手立てがない。習近平氏もそのことは百も承知であろう。よって「大国」など人民に対して美辞麗句を振り撒きつつ、実のところは締め付け策を実行している。鄧小平流の経済成長策はもはや賞味期限切れ。だが、現体制下では次の策がない。これからも経済を成長させるためには体制転換するしかないが、習近平氏を始めとする共産党特権層は経済を犠牲にしてでも現体制固守を為すつもりのようだ。それでは社会の安定化は実現不可能。抑圧するしかない。人民に銃口を向ける国内治安維持費がかくも膨大な額になるのは自明の理。(2018/03/14 03:04)

古今東西、独裁者は似たようなことをする。
自分に権力を集中させるが、他者の権力や資産の独占は断固排除する。
国民からの礼賛を強制し、自らを神格化する。
批判を許さず残酷に弾圧、自分に従わない有力者は粛清する。

こうして批判を封じ、全人民は不満と恐怖を隠して、権力者に従うことを装う。
しかし権力者が弱みを見せれば、老い衰えればその不満は爆発する。

かつてのルーマニア、アラブの春のように。(2018/03/12 05:47)

私は、この記事で「法治の秦」を思い起こした。
今回の「法治」は中国共産党を意味する。

とにもかくにも、「統一」であろうとする。
度量衡に等しいハカリ・モノサシは「習主席」ということだろう。
だが、「習主席」であって、「Xí Jìnpíng」ではない。
個人ではなく、国家主席を取り巻く幾人かの集団を示す。
とりあえず、「主席族」とでも言い回すとしよう。

法治の原則は「違反は厳罰に処す」ということ。
情の介入を嫌う。

黒社会は「情で動く」。理不尽が身上だ。
だが、主席族が取り決めた「法」に従順であれば、「違反」とならない。

保身で動く官僚も同様だ。今まで「法は自身」であったが、主席族へ変わっただけ。
身の置き所を「法」に合わせる術は、誰よりも長けている。

「法」に取り残されるは庶民だ。
法を理解しようにも術がない。
あるのは、張り紙に記載された「〇〇すべからず」の文言だけ。
そして、密告が張り巡らされた身辺で、縮こまって生活することになる。

民衆の蜂起を嫌い「すべからず」を余すところなく張り巡らしても、その窮屈さから、結局、法規に違反する庶民を増やすことになる。

違反者は数で力を増す。
反発心や野心がエンハンサーの役割を果たし、中国五千年の歴史で度々あった政権転覆の憂き目にあうことになろう。

そんなことは、主席族はよくわかっている。
だから、引き締めを図るのだが、堂々巡りは終わることを知らない。

主席族の残り時間は少ない。
あせって、周辺国を巻き込む醜き内紛をさらす事だけは避けて欲しい。
だが、その予兆はすでに見えている。(2018/03/10 06:18)

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