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習近平、3大国営メディアに「党の代弁」要請

全権掌握へ、「江沢民の牙城」に乗り込む

2016年3月11日(金)

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習近平主席は2月19日、主要国営メディアを視察した(写真:新華社/アフロ)

 3月5日から始まる第12期“全国人民代表大会(略称:全人代)”第4回会議を目前に控えた2月19日、中国共産党総書記の“習近平”は、中国国営メディアである“人民日報”、“新華社”、“中央電視台(中央テレビ)”を順次視察し、“党和政府的媒体姓党(中国共産党と中国政府のメディアは中国共産党の代弁者である)”と強調した。

 中央テレビを視察した際には、中央テレビの職員が「中央テレビは“姓党(党の代弁者であり)”、絶対に忠誠ですから、どうぞ検閲してください」というプラカードを掲げて、習近平に媚びを売った。また、その後に行われた“高層宣伝工作会議(首脳部宣伝業務会議)”の席上、習近平は「メディアは党と政府の宣伝の拠点であり、“必須姓党(党の代弁者でなければならない)”」と述べた。

新華社、最高指導者の査察を熱烈歓迎?

 その2日後の21日、ある新華社の職員はインターネットの掲示板に匿名で、習近平視察に際しての新華社の対応振りについて書き込んだ。この書き込みは瞬くうちにネット上で伝播されたが、たちまち削除された。その書き込みの全容は以下の通り。

【1】“春節(旧正月)”明けの出社2日目の2月15日、1枚の表を受け取り、個人情報を書き込んだ。聞くところによれば、それは政治審査表で、新華社職員の中から500人の“歓送隊伍(見送り隊)”を選ぶためのものであり、私はその中に1人に選ばれたのだった。なお、見送り隊とは別に“歓迎隊伍(出迎え隊)”も組織された。私は一貫して歓送迎などという儀礼的な行事には興味を持っていなかったが、上司がこれは政治的任務であり、参加しなければならないと言うので、どうしようもなかった。“習大大(習近平おじさん)”<注1>は我が国の最高指導者であり、非凡な人であり、機会があれば彼を見たかったし、それは自分にとっても光栄と思えた。2月18日午後の退勤時に、上司は私たちに、習近平が明日視察に来るので、明日は鮮やかで美しい衣装を着てくるようにと命じた。

<注1>“習大大”は習近平の愛称として作り出された言葉。“大大”はパパあるいはおじさんを意味する。庶民に親しまれる習近平を演出するのが目的か。

【2】今日(19日)家を出る時、私はいつも通り紺色のダウンコート(年齢も高いので保温が一番)を着て、赤いスカーフ(多少は色鮮やか)を首に巻いた。新華社ビルに到着すると、周辺には“便衣(私服警官)”、“武警(武装警察)”、“特警(特殊警察)”がくまなく配備されていた。8時50分に私たち500人はそれぞれ勤務する階から1階へ降りて講堂へ集合するよう命じられた。但し、その時には携帯電話などの電子機器の携行は禁止された。執務区域はすでに警戒が厳しく、出るだけで、入ることは許されなかった。指揮者は私たちに今後の予定を次のように説明した。すなわち、このまま1時間座って待ち、その後順番に列を作って安全検査を受けてから、南門の内側に整列して、習近平が新華社ビルを出てくるのを待ち、見送りを行う。

【3】これと同時に、指揮者は私たちに次のように指示を出した。もし習近平が見送りの人たちと握手をしようとするなら、握手するのは1列目の人だけに限定し、2列目の人は手を伸ばしてはならない。習近平が通り過ぎる時にはただ拍手して「“総書記好!(総書記こんにちは)”とだけ言い、自分勝手に声を掛けてはならないし、“近平,您好(近平、今日は)”といった類のプラカードや横断幕を掲げてはならないし、1列目の人は手袋などの使用も禁止。

コメント4件コメント/レビュー

トップの視察が戒厳令波とは驚き
反対勢力からの暗殺あり? 火の無い所に煙なしですかね(2016/03/12 15:00)

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「習近平、3大国営メディアに「党の代弁」要請」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

トップの視察が戒厳令波とは驚き
反対勢力からの暗殺あり? 火の無い所に煙なしですかね(2016/03/12 15:00)

独裁国家ってのは、古代的な統治方法であって、現代には通用しない方法だと思う。だから、北朝鮮の政治のあり方を皆が糾弾している。北朝鮮政府と同様な弾圧を中国政府も行っているのに、なぜ、国連は取り上げないのだろうか。中国の海洋進出は北朝鮮の核開発同様に世界秩序を乱すものであり、人権侵害も北朝鮮より酷いことを中国はやっている。にもかかわらず、世界は非難しないのはなぜなのか。金で買われているからか。欧州諸国のご都合主義は世界を混乱に陥れる。現に、中東が今欧州ご都合主義の後遺症に悩まされている。(2016/03/11 16:17)

最近、段々余裕というか、習体制の中で異論を大目に観る寛容さが失せているような気がします。
今迄、心中どうあれ、咎め立てなかった香港のゴシップ雑誌発行者を、中国領土外で拘束・中国へ移送・起訴するでもなく長期拘禁する。
今回のお話があったTV局通信社への視察を通じた、党のと言うより、党中央の統制強化。

ず~っと前、江沢民体制のときだったか。日本の特派員が中国の大学教授との雑談を記した中で「今は文革から比べるとずっと自由だ。公的に党や総書記を批判しなければ、党の支部小組の集まりで江沢民のことを『デバ亀野郎』などと陰口を叩いても問題にもならなくなったよ」と言う記事が載っていたことを思い出しました。

もう一度、なにか政治闘争か、大衆運動を仕掛けようと主席は考えているのでしょうか?もはや、時代錯誤ではありますまいか。
余剰生産力の整理だけでも大手国有企業を敵に廻し大変だということはわかりますが・・・・・(2016/03/11 09:22)

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三品 和広 神戸大学教授