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黒竜江省長「誤発言」が招いた炭鉱労働者の憤怒

坑内環境の厳しさと悲惨な生活と急増する抗議行動

2016年3月25日(金)

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 3月5日に開幕した中国の国会に相当する“全国人民代表大会”(略称:全人代)の第12期第4回会議は、12日間の日程を終えて3月16日に閉幕した。最終日の16日午前中には、人民代表総数2943人中の2859人が出席して全体会議が行われた。全体会議では全人代期間中に提出された「政府活動報告」、「第13次5か年計画綱要」など、9項目の議案に対する表決が行われ、全議案が賛成多数で承認された。これを受けて、“全人代常務委員会委員長”の“張徳江”が締め括りの発言を行った後に、人民代表全員が起立して国歌を斉唱し、その直後に張徳江が閉幕を宣言して全日程を終えた。

 さて、今回の全人代期間中に内外メディアの注目を最も集めたのは、黒龍江省の国有石炭企業で発生した炭鉱労働者による抗議デモだった。それは全人代開幕の翌日、3月6日に開催された黒龍江省の人民代表たちによるグループ会議における発言に起因するものだった。

「給与の遅配もなければ、収入減もない」

 全人代期間中には、一級行政区(省・自治区・直轄市)の人民代表が各行政区別に集まり、グループ会議を開催し、それをメディアに公開することが慣例化している。3月6日に開催された黒龍江省のグループ会議の席上で、ある記者が黒龍江省長の“陸昊(りくこう)”に国有の石炭企業「龍煤集団」の改革について質問した。

 これに対して陸昊は次のように回答した。

【1】2013年以来、龍煤集団はすでに従業員を25.4万人から22.4万人まで3万人削減している。それにもかかわらず、現状のところ1万トンの石炭生産に必要な人数は48人であり、全国平均の3倍以上に達している。一方、龍煤集団が毎年従業員に支払う給与の総額は100億元(約1800億円)近いが、黒龍江省の財政収入は年間でわずか300億元(約5400億円)前後に過ぎない。従い、たとえ龍煤集団が資金繰りに行き詰まったとしても、省レベルの財政では到底支援することはできない。

【2】昨年9月、黒龍江省政府は龍煤集団に対して組織的な配置転換を行うよう厳命を下した。それは、組織的な配置転換と大胆な組織の簡素化により人員を一挙に49%削減するというものだが、これは龍煤集団の問題解決における最重要課題である。龍煤集団の余剰人員は主として“井上員工(地上勤務の従業員)”(以下「地上勤務員」)である。龍煤集団の規模から言えば、地上勤務員の規模は最高でも4万~5万人でなければならないが、実際には10万人もの地上勤務員がいる。このため、彼らにはすでに給与の「欠配(支払われるべき給与が出ないこと)」が発生している。但し、“井戸下作業員工(坑内労働者)”8万人については、現在までのところ、給与の遅配もなければ、収入減もない。

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「黒竜江省長「誤発言」が招いた炭鉱労働者の憤怒」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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