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各地の校庭に「毒トラック」、健康被害児童続出

儲け優先で廃タイヤ混入、鼻突く悪臭にも行政は後手

2016年7月8日(金)

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 遼寧省“瀋陽市”の中心部に位置する“和平区”に所在する“瀋陽鉄路第五小学(瀋陽鉄道第五小学校)”(以下「鉄五小」)は、瀋陽市のみならず遼寧省で優良教育校として知られ、約2800人の児童が在籍している。同校に異変が現れたのは1年前に運動場を改修してからのことだった。

鼻血、めまい、吐き気、白血病…

 鉄五小は2015年の8月に運動場の改修を行い、合成樹脂舗装のトラックを新設した。ところが、9月に新学期が始まると、多数の児童が鼻血やめまい、手足に力が入らないなどといった身体の異常や不調を訴えるようになった。時間が経過しても、この状況は一向に改善されず、鼻血を出す児童は増大の一途をたどり、状況はますます悪化していった。新設されたトラックからは鼻につんとくる濃厚な臭いが発生していた。児童の父母たちはトラックから発生する臭いが有毒で、それが児童たちの身体に異常を生じせしめているのではないかと疑念を抱いた。父母たちは学校側に質問を提起して解決を促したが、学校側は何らの措置も採らずに放置し、父母たちに対する回答を先延ばしにしていた。

 2015年9月の新学期から2016年5月までの9か月間に、全校24学級で多数の児童が頻繁に鼻血を出し、一部の児童は鼻血が止まらない症状を呈していた。また、大多数の児童に、めまい、吐き気、せき、手足に力がはいらないなどの異常が現れていた。2016年1月、5年生の女児が学校の身体検査で急性白血病と診断され、間もなくして死亡した。父母たちは女児の急性白血病による死が合成樹脂舗装のトラックによって惹起されたものと推断した。5月30日、父母たちは大挙して鉄五小へ押しかけ、校舎の壁に横断幕を掲げて、関係当局に対して問題を迅速に解決するよう要求した。しかし、学校側は“公安局”へ通報して警官の急派を要請し、駆け付けた警官は父母たちを排除すると同時に横断幕を没収したのだった。

 小学校の運動場に合成樹脂舗装のトラックが新設された後に、児童の身体に異常や不調が出現する現象は、2015年9月に新学期が始まった後に各地で報じられるようになった。この問題が最初に報じられたのは江蘇省で、“蘇州市”、“無錫市”、“南京市”、“常州市”などの各地で合成樹脂舗装のトラックに問題が提起された。これに続いて、広東省の“深圳市”、“広州市”、“珠海市”、“東莞市”などでも同様の問題提起がなされ、さらには北京市や遼寧省からも問題提起が行われ、全国的な問題へと発展した。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「各地の校庭に「毒トラック」、健康被害児童続出」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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