• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

収賄金品を盗み続けた女泥棒、汚職告発で減刑嘆願

数少ない清廉な高級役人には敬意

2015年7月10日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 7月3日の中国メディアは、“安徽省検察院”が同日に発表した情報として、同省の“合肥市検察院”が収賄の容疑で立件した“中国銀行業監督管理委員会安徽省管理局”元副局長“胡沅(こげん)”に対する捜査が終了し、胡沅は正式に起訴されたと報じた。2015年4月10日、安徽省検察院は合肥市検察院からの報告・申請を受けて、“副庁級(副局長級)”の役人である胡沅を収賄容疑で逮捕する決定を行っていたが、その逮捕のきっかけとなったのは、何と“女賊(女泥棒)”による告発だった。その経緯は以下の通り。

汚職の証拠を撮影、減刑訴えた女泥棒

【1】“房雲雲”は1994年に陝西省“咸陽市”に属する“彬県”で生まれた。彼女がいつ頃から窃盗を働くようになったかは定かではない。故郷から広東省へ出稼ぎに出て、18歳になった2012年に“東莞市”で働いていた頃、後述する女泥棒の“唐水燕”と知り合ったが、当時すでに窃盗に手を染めていたものと思われる。

【2】2014年3月、房雲雲は江蘇省“常州市”周辺で6件の窃盗を行い、同年4月に“常州市公安局”によって逮捕された。しかし、妊娠中であったことから保釈されたが、保釈中にもかかわらず5月15日に逃亡し、房雲雲は常州市公安局によって指名手配された。

【3】江蘇省に隣接する安徽省に潜伏していた房雲雲は、2014年5月23日に“合肥市”で副局長級の役人である胡沅の家に盗みに入り、巨額の財貨を盗み出した。その日、“合肥市公安局”は“張瑞紅”と名乗る女性から自宅が盗難にあい、150万元(約3000万円)相当の財貨を盗まれたとの通報を受けた。この女性こそ胡沅の妻であり、“中国建設銀行”安徽支店である部門の担当副部長を務める張瑞紅であった。

【4】5月23日の犯行に味を占めた房雲雲は、5月26日に同じく副局長級の役人である“安徽省食品薬品監督管理局”元副局長の“陳○”の自宅から70万元(約1400万円)相当の財貨を盗み出した。しかし、その当日に房雲雲は、張瑞紅からの通報を受けて窃盗事件の捜査を展開していた合肥市公安局によって逮捕されたのだった。取調べに当たった合肥市公安局の係官は房雲雲に対して、合肥市で犯行に及んだ2件の窃盗については検察や裁判所に提起しないよう要請し、もしも提起するようならただでは置かないし、罪を重くしてやると脅したという。

【5】6月25日、房雲雲は彼女を指名手配していた常州市公安局へ移送された。7月8日、房雲雲に対する裁判が“常州市鐘楼区人民法院(裁判所)”で行われ、常州市周辺で犯した窃盗6件で合計22万元(約440万円)を盗んだとして、房雲雲に懲役10年の刑が言い渡された。但し、妊娠中であることを考慮し、房雲雲は“監外執行(刑務所外の服役)”の扱いとなった。

【6】ところが、房雲雲はこれで収まるような人間ではなかった。房雲雲はメディアに対して、次のように述べて2人の副局長級の役人(胡沅と陳○)を腐敗役人として告発したのだった。すなわち、「私は明らかに8件の窃盗を働いたのに、起訴されたのは6件だけだった。残る2件は安徽省で2人の副局長級の役人の家から200万元(約4000万円)以上の財貨を盗み出したものだった。2人の自宅にそれほどの大金が有ったことは、現場で撮影した写真があり、彼らが“貪官(汚職役人)”であることの明白な証拠である」と述べて、これが事実として証明されたならば、汚職役人摘発の手柄を立てたことになるはずだから、減刑を希望すると表明したのだった。

【7】これに対して、常州市鐘楼区人民法院は被告人の房雲雲が安徽省で2件の窃盗を行った事実を提起しなかったと弁明したが、世論には逆らえず、調査を行った結果、胡沅を収賄容疑で逮捕した。一方、2015年6月末時点で、“安徽省紀律検査委員会”は陳○の収賄容疑については依然として調査中であるとしている。

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

一覧

「収賄金品を盗み続けた女泥棒、汚職告発で減刑嘆願」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

リクルートは企業文化そのものが競争力です。企業文化はシステムではないため、模倣困難性も著しく高い。

峰岸 真澄 リクルートホールディングス社長