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30年で500万頭も減少した中国ロバの受難

ロバ皮が原料の生薬、富裕層拡大で需要急増

2017年7月28日(金)

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 ロバ(驢馬)は日本では馴染みが薄い動物で、動物園へでも行かないとお目にかかれない。しかし、子供時代に読んだイソップ寓話の『王様の耳はロバの耳』を通じて、ロバの耳が長い事を知る日本人は多い。ロバの耳はウサギの耳のように長いので、かつて日本ではロバを「ウサギ馬」と呼んでいたという話を聞いた記憶がある。

 ロバは奇蹄目ウマ科ウマ属ロバ亜属の動物で、ウマ科の中では最も小型だが、古代から家畜として飼われ、粗食に耐え、力が強いことから、農作業や運搬に使われた。筆者は中国だけでなく、中東やアフリカでも穀物を挽く石臼にくくり付けられ、日がな一日石臼の周りを回って粉挽き作業に従事するロバや、大きな荷物を運ぶロバを何度も見ている。ロバが家畜化されたのは5000年ほど前で、人が野生種の「アフリカノロバ」を飼育したのが起源と言われている。ロバ亜属は「アフリカノロバ」、「アジアノロバ」、「チベットノロバ」の3種類に分かれ、それぞれが各地で順次家畜化され、人々の最も身近な動物の一つとして位置付けられるようになり、今日に至っている。

“龍の肉”に匹敵

 英語ではロバをassとかdonkeyと呼ぶが、辞書によれば、前者は野生のロバを意味し、後者はその家畜化したものを指すのだという。雄のロバはその身体に比べて長大な一物(ペニス)を持つことで知られ、親子の見境なく交尾することから「畜生」と見なされる一方、馬と比べて頑固で、従順でなく、融通が利かないことから「愚か者」と揶揄されてきた。米国・民主党のシンボルはロバ(donkey)だが、後に第7代大統領となった当時(1828~29年)大統領候補であったアンドリュー・ジャクソン(Andrew Jackson)が、敵対する共和党から“Jackass”(馬鹿のジャクソン)と呼ばれたのを逆手に取って、ロバを民主党のシンボルとしたのだと言われている。

 20年程前、筆者は出張で訪問した甘粛省の山村で“金銭肉”なる料理を歓迎宴の前菜として供されたことがある。“金銭肉”の由来は、その形状が穴開き硬貨に似て、円形で真ん中に丸い穴が開いている肉を薄切りにした物だからだが、肉は燻製のような茶褐色で透明な代物だった。筆者が1枚の金銭肉を口に入れて味わうと、村人たちは笑いながら「これは加工したロバのペニスを輪切りにした肉」だと種明かしをしてくれた。その味がどうだったかは忘れたが、珍味の一つであることは間違いない。中国には“天上龍肉, 地上驢肉(天上の龍の肉、地上のロバの肉)”という言い回しがあり、ロバの肉は天上の龍の肉に匹敵するほど栄養価が高いと言われている。上述した歓迎宴では金銭肉以外のロバ肉料理も供されたと思うが、辺鄙な山奥の料理としては美味であった記憶だけが残っている。

コメント2件コメント/レビュー

しがない漢方屋です。阿膠がべらぼうに高騰しているのは、大阪の生薬問屋から聞いていました。
10年ちょっと前には、まあまあ上等の「山東阿膠」500g?が4500円だったのに。 
ちなみに、阿膠の阿は、山東省の名産地の阿井の阿、だということです。
要するに膠=にかわ、動物の骨、皮などを煮詰めて取るコラーゲン、きれいに精製すれば透明のザラチンに。しかし中国人は透明な精製品より、濁った未精製品を愛好します。 
別に山東省の黒ロバだけから膠が取れるわけではないのに、数百年前にできたブランド品が、いまでも大手を振って流通しています。 
貴稿にあるように、産地は全国にまたがり、原料の何割がロバなのかも疑わしいのですが、原色和漢薬図鑑によれば、膠の原料は各種あります。珍奇な順に、虎骨膠(ワシントン条約違反)鹿角膠(高いでしょう)、亀板膠(10年前まではちょっと高いだけだった)、光明膠(牛の骨・皮から作る、上品)など、下等品は水産会社で作る魚の浮き袋から。
私としては、ロバでなくていいから、ウシ製の光明膠でも輸入してくれないかと思っています。(2017/07/28 11:30)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「30年で500万頭も減少した中国ロバの受難」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

しがない漢方屋です。阿膠がべらぼうに高騰しているのは、大阪の生薬問屋から聞いていました。
10年ちょっと前には、まあまあ上等の「山東阿膠」500g?が4500円だったのに。 
ちなみに、阿膠の阿は、山東省の名産地の阿井の阿、だということです。
要するに膠=にかわ、動物の骨、皮などを煮詰めて取るコラーゲン、きれいに精製すれば透明のザラチンに。しかし中国人は透明な精製品より、濁った未精製品を愛好します。 
別に山東省の黒ロバだけから膠が取れるわけではないのに、数百年前にできたブランド品が、いまでも大手を振って流通しています。 
貴稿にあるように、産地は全国にまたがり、原料の何割がロバなのかも疑わしいのですが、原色和漢薬図鑑によれば、膠の原料は各種あります。珍奇な順に、虎骨膠(ワシントン条約違反)鹿角膠(高いでしょう)、亀板膠(10年前まではちょっと高いだけだった)、光明膠(牛の骨・皮から作る、上品)など、下等品は水産会社で作る魚の浮き袋から。
私としては、ロバでなくていいから、ウシ製の光明膠でも輸入してくれないかと思っています。(2017/07/28 11:30)

アフリカのロバも受難でした、というオチが来る辺り、さすが中共という感想です。
きっと、これからも色んな動植物を絶滅に追いやっていくのでしょうね。(2017/07/28 10:20)

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三品 和広 神戸大学教授