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人災だった天津爆発事故

「インチキ許可証」が奪った消防士たちの命

2015年8月28日(金)

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 8月12日夜に天津市の臨海部、濱海新区の天津港保税区に所在する物流会社“天津瑞安国際物流有限公司」(以下「瑞安物流」)の危険物倉庫で発生した大規模爆発事故は、その爆発による衝撃波と熱風が周辺地域を直撃し、半径1km圏内をこの世の地獄と化し、甚大な人的、物的被害をもたらした。

 物的被害は想像を絶する大きさで、その損害総額は巨額である。保険の専門家は初歩的見積もりとして、「保険の損害賠償金額は50億~100億元(約1000億~2000億円)に達すると想定される」と述べているが、やっとの思いで購入した住宅を破壊された庶民による天津市政府に対する住宅の買取請求額や保険対象外の損害を含めれば、その総額は天文学的なものとなるだろう。

104人の消防士が死亡・行方不明

 それでは人的被害はどうなのか。8月23日午後3時の時点における死者および行方不明者は以下の通りである。

  • 【死者】123人。全員の身元は確認済みであるが、この中には“天津市公安局消防局”の消防士20人、“天津港公安局消防支隊”の消防士50人、“人民警察(警官)”7人が含まれていた。

  • 【行方不明者】50人。その構成は、天津市公安局消防局の消防士4人、天津港公安局消防支隊の消防士30人、警官4人、その他12人。

 死者・行方不明者の合計173人中の104人が消防士であり、その内訳は天津市公安局消防局が24人、天津市公安局消防支隊が80人となっている。この数は余りにも多い。

 ところで、中国の消防部門は“公安(警察)”に属する一部門である。中央政府では“公安部消防局”と呼ばれるが、地方では“公安局消防局”となるので、天津市の場合は、天津市公安局消防局となる。一方、天津港公安局の場合は天津港という限定された地域を管轄する公安局なので、その消防部隊は“消防支隊”となる。8月19日付の日経ビジネスオンライの記事「プロの消防士がいない中国」の中に「中国には独立した消防署が存在しない」との記述があったが、消防署が独立していないのは機構上の話であり、それが問題とは思えない。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「人災だった天津爆発事故」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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