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「衆人無罪」で止まらぬ中国集団略奪事件

なぜ有罪は「首謀者と積極的参加者だけ」か

2015年9月4日(金)

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 8月23日の午前6時半頃、河南省の南部に位置する“駐馬店市”に属する“泌陽県”を通る高速道路“焦桐高速公路”の“春水鎮”区間で、トラックが横転する事故が発生した。幸いにしてトラックの所有者で運転していた「辛(しん)さん」にけがはなく無事だったが、荷台に満載していた20トンのリンゴが路上に散乱し、辺り一面はリンゴで埋め尽くされた。リンゴ満載のトラックが横転したとの情報はいつの間にか周辺の村々に伝わり、地元農民の老若男女が群れをなして次々と事故現場へ駆けつけた。

トラック横転、リンゴ散乱、住民略奪

 辛さんは農民が集団で駆け付けてくれたことで、リンゴの回収を手助けしてくれるものと期待したが、あにはからんや、農民たちの目的は手助けすることではなく、略奪することだった。彼らは意気消沈している辛さんには目もくれず、リンゴを拾い集めては持参した袋やかごに詰め込み、それが一杯になると家に持ち帰り、また戻って来た。辛さんは農民たちに「止めてくれ、俺のリンゴを取らないでくれ。良心があるなら、俺に生きる道を残してくれ」と叫んで、略奪を止めるように何度も懇請したが、彼らは聞く耳を持たなかった。この事態を伝え聞いた新聞記者が事故現場へ到着したのは事故発生から8時間後の午後2時半であったが、その時点でも依然として数十人の農民がリンゴを拾っており、その多くがすでに6時間をリンゴ拾いに費やしていた。

 記者は辛さんに協力して農民たちに略奪を止めるよう説得を幾度も試みたが、全く効果はなかった。説得を諦めた記者が“泌陽県公安局”へ農民による略奪行為の発生を通報した結果、地元の“春水鎮派出所”から数人の警官が駆け付けて、農民たちに略奪を止めて速やかに立ち去るよう要請した。しかし、農民たちの多くは何が悪いと言わんばかりに立ち去りを拒否して略奪を継続し、中には多数のかごにリンゴを詰めて運搬用の車両の到着を待つ者までいた。少人数では局面の打開は困難と判断した警官が応援を要請し、春水派出所および“黄山口郷派出所”から派遣された応援の警官が現場へ到着したのは午後3時過ぎだった。これを境に農民優勢の状況は一変した。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「「衆人無罪」で止まらぬ中国集団略奪事件」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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