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絶賛から一変、中国「空中バス詐欺事件」の顛末

タイム誌「2010年ベスト発明50」から始まる“ほら話”

2016年9月9日(金)

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車両をまたいで走る大型の「空中バス」。河北省での試験走行は期待を集めたが…(写真:Imaginechina/アフロ)

 北京市から東へ約280kmに位置する“北戴河(ほくたいが)”は河北省“秦皇島市”の直轄区で避暑地として名高く、毎年7月末から8月初旬にかけて中国共産党の現役指導部と引退した長老たちが秘密会議を開催することで知られている。

 その秘密会議が開催されている最中の8月2日、北戴河区“戴河鎮”の“車站村(停車場村)”に特設された300mの試験走行路で“巴鉄一号”の路面試験が行われた。この日、多数の関係者が見守る中、仮設の車両基地から走り出た巴鉄一号が、時速20km程の速度で300mの走行路を走り終えて急造のプラットフォームに到着すると、多数の見学者たちから拍手と歓声が沸き起こり、“巴鉄”は実用化への第一歩を踏み出した。

バスと地下鉄を組み合わせた「空中バス」

 “巴鉄”とは“巴士(バス)”と“地鉄(地下鉄)”を組み合わせた名称で、バスのように陸上を走り、地下鉄のように大きな輸送力を持つことから命名されたものである。当初、巴鉄は“立体快巴(立体快速バス)”と呼ばれたが、今では“空中巴士(空中バス)とも呼ばれている。それでは、巴鉄とはどのようなものなのか。簡潔に述べると以下の通り。

【1】立体快速バスは、黒龍江省“大慶市”の出身で、貧困のため小学校ろくに行けなかった苦労人で発明家の“宋有洲”が発明したものである。立体快速バスは、2010年11月12日に米誌「タイム」が発表した「2010年ベスト発明50(The 50 Best Inventions of 2010)」に選出された。立体快速バスの英語名は“Straddling Bus”であり、開発企業名は“深圳華世未来泊車設備有限公司(Shenzhen Huashi Future Parking Equipment Co.,Ltd.)であった。「2010年ベスト発明50」の立体快速バスに関する紹介文には次のように書かれていた。

 自動車販売のブームは中国の主要都市で交通の大混乱を引き起こした。深圳華世未来泊車設備有限公司はより多くの自動車を追加することではなく、その状況を改善したいと考えて巨大な「道路にまたがるバス(straddling bus)」を開発した。それは建設費が地下鉄よりも安い。部分的に太陽エネルギーを動力とする巨獣は2車線にまたがり、車道から2.1mの高さに持ち上げられた車両で1200人の乗客を運ぶことができるだけでなく、車両の下を自動車が通行できる。深圳華世未来泊車設備有限公司は北京で行う試験プロジェクトに対する北京市政府の認可待ちで、今年中に認可されれば、試験走行は2011年末までに始まるだろう。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「絶賛から一変、中国「空中バス詐欺事件」の顛末」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師