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18日間に8人の指導幹部が“不慮の死”

死者を調べない中国「暗黙の了解」の不気味

2015年11月20日(金)

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 11月11日付の北京紙「新京報」は、「吉林省蛟河市の役人が執務室から墜落、地元政府はガラスを拭く時に足を滑らせたと述べた」と題する記事を掲載した。同記事の内容は以下の通り。

 11月9日の午前11時頃、吉林省“吉林市”の管轄下にある“蛟河(こうが)市”で、市党委員会常務委員、政法委員会書記および市公安局長の3職を兼任していた“郝壮(かくそう)”が、市公安局庁舎の6階にある執務室から墜落して死亡した。公安局の職員は記者に対して、「事件は偶発事故であり、郝壮は窓ガラスを拭いている時に足を滑らせて墜落した。当時、現場となった郝壮の執務室には秘書もいたが、墜落はあっという間の出来事で、秘書が郝壮を助けようと手を差し伸べた時にはすでに遅かった。郝壮の遺体は11月11日午前中に出棺となった」と述べた。ある郝壮に近い情報筋は、ある友人が事件発生前に郝壮と電話で話した際に、笑いながら「窓ガラスを拭くなら、落ちないように注意しろよ」と冗談を言ったそうだが、まさか本当に事故が起こるなんて考えてもみなかったと語った。11月9日、蛟河市の天候は小雪で、最高気温が摂氏1度、最低気温はマイナス7度だった。それなのに、公安局長の郝壮は自ら窓ガラスを拭いたのだった。

なぜ公安局長が自ら窓拭きを?

 蛟河市は吉林市の管轄を受ける“県級市(「県」レベルの市)”で、面積は6364km2で、東京都(2187km2)の約3倍の広さを持つが、人口は44万人に過ぎない地方都市である。しかし、いくら地方の小都市といえども、公安局長ともあろう者が、小雪降る氷点下の寒い日に自ら執務室の窓ガラスを拭くなどということがあり得ようか。市警察の頂点に立つ市公安局長は人々に恐れられる存在であり、窓ガラス拭きなどという現業職員の仕事は公安局長としての沽券に関わるからやるはずがない。どうしても緊急に窓ガラスを拭く必要があったのならば、当時執務室内にいた秘書がやるべきだった。

 それだけではない。死亡したのは11月9日なのに、そのわずか2日後の11日には「出棺」して荼毘に付すとは、蛟河市の要職を3つも兼任していた人物にしては慌ただし過ぎないだろうか。それほど火葬を急いだ理由は何なのか。足を滑らせての墜落と事故死を装っているが、果たしてそれは真実か。殺人事件だったのではないかと勘繰りたくなる。

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「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「18日間に8人の指導幹部が“不慮の死”」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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