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富豪を誘拐、見知らぬ女性を絞殺させた狂気

脅された富豪は、罪に処されるべきか

2015年12月4日(金)

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 11月10日、四川省の“宜賓(ぎひん)市”で同市一の富豪が何者かに誘拐された。誘拐された富豪は犯人一味に手製の拳銃を突きつけられて身代金の支払いを要求された。命の危険を感じた富豪は身代金の支払いに同意したが、犯人たちの要求はそれだけに止まらなかった。犯人たちは富豪に彼らが別途誘拐して来た女性の殺害を要求したのだった。要求に従えば生きられるが、従わなければ殺される。生か死か。富豪が選んだのは、見知らぬ女性を殺害することだった。やむなく富豪は女性をロープで首を絞めて殺害したが、犯人たちはその絞殺の過程をビデオに撮っていた。犯人たちはそのビデオ映像を富豪が殺人を犯した証拠として残した上で、富豪を解放したのだったが、それは富豪に事件を公安警察へ通報させないためだった。

身代金1億元の支払いに同意したが…

 中国メディアが一斉に報じた「宜賓“首富(第一の富豪)”が誘拐され、脅されて殺人を犯した事件」の概要は以下の通り。

【1】宜賓市は四川省の南部に位置し、その境を貴州省と雲南省に接している。人口は554万人であり、このうちの80%以上が農業に従事している、純然たる農業地域である。一方、面積は1万3283km2であるが、これは日本で第4位の面積を持つ長野県(1万3562km2)とほぼ匹敵する広さである。なお、中国一の大河“長江(揚子江)”は、上流の“金沙江”と“岷江”が宜賓市で合流することによって始まることから、宜賓市は“万里長江第一城(長江第一番目の都市)”として知られている。

【2】誘拐された富豪は“章英啓”(53歳)、宜賓市を本拠とする“伊力集団有限公司”(以下「伊力集団」)の“法人代表(法定責任者)”である。章英啓はかつて宜賓市内の某工場に勤めていたが、工場を辞めた後に商売の道に入って成功を収め、1993年に伊力集団を設立した。伊力集団はその後順調に成長を続け、単一の化学製品の生産から始めた業務は締付金具、水力発電開発、不動産開発、石炭開発、貿易、高速道路建設などにまで発展し、今や宜賓市のみならず四川省内でも知られた押しも押されもしない企業となっている。伊力集団は傘下に多数の子会社を有するが、子会社を合わせた従業員は2000名余りである。また、伊力集団の販売ネットワークは全国30の省・自治区・直轄市に及んでおり、その製品は欧州、南米、中東、東南アジア、韓国、台湾などへ輸出されている。なお、伊力集団は宜賓市の優秀民営企業として認定されている。

【3】その伊力集団の代表である章英啓が誘拐されたのは、11月10日の夜9時頃だった。章英啓は宜賓市中心部を流れる長江の南岸に位置する“翠屏区”の住宅団地“南岸雪絨花園”内の高級マンションにある自宅へ帰ろうと、マンションのエレベーターに乗ったところを襲われて誘拐された。エレベーター内で誘拐犯たちは唐辛子スプレーを噴霧して章英啓の自由を奪い、手足を縛った上で「さるぐつわ」を噛ませ、目隠しをした。その後、犯人たちは章英啓を車に乗せて、同じ翠屏区内にある金沙江沿いの辺鄙な場所に彼らが事前に借りていた1軒の農家へと運び込んだ。農家に到着すると、犯人たちは章英啓に手製の拳銃を突き付け、2016年3月までに身代金1億元(約19億円)を支払うように要求した。拳銃を突き付けられては、否も応もなかった。章英啓は1億元の身代金を期限内に支払うことに同意した。同意したのだから、解放されると思ったが、そうはいかなかった。

コメント11件コメント/レビュー

なにより被害者の女性の生活環境が酷すぎる…。
家族を養うために(マッサージ屋ってもしかして売春?)ここまでしていたのに最後にはこんな殺され方って。

こんな犯罪が起きる背景がそういった貧富の格差にあるとしたら、今後も同様の犯罪は起きるのでしょうね…

無罪なのは当然だと思いますが(でなければ模倣犯が多発してしまうでしょうし)
せめて残された家族は救われてほしいと願わずにはいられません。(2015/12/08 09:44)

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「富豪を誘拐、見知らぬ女性を絞殺させた狂気」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

なにより被害者の女性の生活環境が酷すぎる…。
家族を養うために(マッサージ屋ってもしかして売春?)ここまでしていたのに最後にはこんな殺され方って。

こんな犯罪が起きる背景がそういった貧富の格差にあるとしたら、今後も同様の犯罪は起きるのでしょうね…

無罪なのは当然だと思いますが(でなければ模倣犯が多発してしまうでしょうし)
せめて残された家族は救われてほしいと願わずにはいられません。(2015/12/08 09:44)

緊急避難であり有罪になるはずがない。慰謝料という名目は責任が存在するかのようなもので不適切である。普通なら見舞金、弔慰金といったところでしょう。彼女は彼が殺さなかったら犯人が殺していたと推定されるといったことも考えられます。(2015/12/05 17:43)

刑を与えるべきではない。あるいは非常に軽い刑にすべき。
刑が重いほどそれを恐れるあまり、金銭を払い隠蔽するものがでてくる。つまり同じ犯罪が繰り返されることを意味する。
通常は制裁が大きいほど犯罪の抑止効果があるが、この場合は逆である。

ただし、身分もある方なので刑をあたえられなくとも既に社会からの重い制裁が与えられているといえる。せめて遺族には金銭を支払うのが罪滅ぼしというものではなかろうか。(2015/12/04 20:29)

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