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習近平「トイレ革命」は“結婚と観光”を救うか

さらば「ニーハオトイレ」、都市部では「顔認証」付きも

2017年12月8日(金)

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中国の公衆トイレで「顔認証システム」を導入。その理由とは…(写真:AFP/アフロ)

 2017年3月3日、中国最大のSNSである“微博(Weibo)”の「“南寧人不知道的南寧事(南寧人が知らない南寧の事)”」という表題のブログに掲載された動画がネットユーザーの注目を浴び、動画の再生回数は翌4日の午後2時までに360万回を突破した。

「それで嫁になれだって?」

 その動画は南寧市の繁華街“悦薈広場”にある“奶茶街(ミルクティ街)”で撮影されたもので、多数の人々が見守る中で30歳過ぎと思われる男性と小太りの女性が1m程の間隔を空けて向き合っていた。どうやら男性が女性に求婚したらしいのだが、これに対して女性は周囲の人々に聞かせるかのように大声で男性に向かって、「あなたの家にはトイレも無ければ、入浴する場所もない。それで私に嫁になれだって。あんたおかしいよ」と罵声を浴びせた。男性は返す言葉もない様子で、ひたすら女性にぺこぺこと頭を下げるばかりだった。

 動画はただそれだけの短いもので、現場を目撃した人が撮影して投稿したもののようである。当該ブログは一般大衆から投稿された動画を掲載するもので、ブログの管理人はこの動画に「私が南寧全市の公衆トイレの運営を請け負ったら、嫁に来てくれるかい」と嫌味のコメントを書き込んだ。動画を見たネットユーザーの1人は「この女は“勢利眼(地位や財力に媚びる人)”だ」とコメント欄に書き込んだし、別のネットユーザーは「この男性は多くの人々の面前で結婚を迫って、自ら恥をかいた」と書き込んだ。求婚された女性の身になってみれば、トイレもなければ入浴する場所もないような家に好んで嫁に行くはずないと言うのはもっともな話である。一方、この男性は貧乏で家にトイレがないということなのだろうが、大衆の面前で求婚した女性に「家にトイレもない」と大恥をかかされては、さぞかし悔しかったに違いない。

 2015年4月にメディアが報じたところでは、海南省“白沙黎族自治県七坊鎮”にある東方小学校には240人の児童が在籍しているが、県財政のひっ迫で予算がなく、長年にわたって同小学校にはトイレがない状態で、児童たちは便意や尿意を催すと校舎の周囲にあるゴムノキ林の中で用を足すのだという。調査によれば、白沙黎族自治県にはトイレがない小学校は少なくなく、七坊鎮だけでも東方小学校を含めて7校あり、全てが100人以上の在校生を擁しているという。

 排泄は人間の営みの中で欠くことのできない重要な行為である。その重要な行為を行う場所が“厠所(トイレ)”であり、排泄された便や尿の臭気を抑え、簡便にかつ衛生的に処理する度合が高いほど、文明が発達していると見なされる。従い、トイレは文明発展のバロメーターという事ができる。この点、中国のトイレは歴史的に汚くて臭いことで定評があり、庶民のトイレには1本の溝があるだけで、仕切りがなく、顔見知りの人々が溝を跨いで用を足しながら挨拶することから、日本では「你好(ニーハオ)トイレ」と揶揄されている。

コメント4件コメント/レビュー

都市戸籍と農村戸籍と言う身分差別が存在する中で、米国と肩を並べる世界の二大強国を言いたがるには、現実としての非都市部でのトイレの不備は象徴的な臭いがします。ケツを洗って出直すべき。膨張する軍事予算の一部を回せば、相当解決できるはずなのに・・・  人民を「領導する」連中は絶対的に優位を誇っているだけに、彼らの胸先三寸で解決のはず。(2017/12/08 22:52)

「世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」」のバックナンバー

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「習近平「トイレ革命」は“結婚と観光”を救うか」の著者

北村 豊

北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

住友商事入社後アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

都市戸籍と農村戸籍と言う身分差別が存在する中で、米国と肩を並べる世界の二大強国を言いたがるには、現実としての非都市部でのトイレの不備は象徴的な臭いがします。ケツを洗って出直すべき。膨張する軍事予算の一部を回せば、相当解決できるはずなのに・・・  人民を「領導する」連中は絶対的に優位を誇っているだけに、彼らの胸先三寸で解決のはず。(2017/12/08 22:52)

真偽の程が定かでない情報で申し訳ないのですが

つい先日、中国のトイレが、どんどん水洗化していく状況について
「水洗トイレに使うだけの、上水が、果たして確保できるのだろうか」
と、危ぶむコラムを読んだ覚えがあります。

確かに日本のように「飲める水」を使う必要はないのでしょうけれど
中国各地の上水事情は、トイレの需要を満たせるだけのゆとりを
持っているのか、少し、気になる思いで拝読致しました。

もちろん、中国のトイレがキレイになることそのものは
前向きに捉えるべきだと、確信しつつ、ではありますけれど。(2017/12/08 17:56)

最後の一文に100%賛成。中国のトイレの問題は、設備もそうだが使う人のモラルの問題が大きい。だから、都会のいい設備のはずのトイレでも、実際はかなり汚い。また、トイレ掃除もいい加減で、床にただホースで放水するだけのところが大半である。習近平の言うトイレ革命は、結局のところ国民の意識全体を変えない限り、永遠に改善はしないだろう。(2017/12/08 16:39)

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三品 和広 神戸大学教授