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「メッツはまだ成功じゃない」

ヒットメーカー、キリンビバレッジ・佐藤章社長の苦闘

2015年11月18日(水)

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毎年1000の新商品が出るも、翌年に残るのはわずか3つと言われる清涼飲料業界。日経ビジネス11月2日号の特集「俺の100年ヒット論」に登場したキリンビバレッジの佐藤章社長は、そんな「千三つ」の世界で缶コーヒー「ファイア」、緑茶飲料「生茶」などの代表ブランドを育てた、業界を代表するヒットメーカーだ。そんな著名なマーケッターが昨年、社長となり経営者として苦闘している。価格競争の激化や類似商品の氾濫により、同社もかつてほどの輝きを放てなくなっている。あえて「賞味期限切れ」のイメージもあった炭酸飲料「メッツ」を蘇らせようと勝負に出る。技術的なイノベーションの難しさを認めつつ「飲用体験の意味を変えることで、時代とともに成長させる」と意気込む。

100年ヒット育成委員会メンバー
委員長 楠木建 一橋大学大学院教授
委員
(50音順)
安藤宏基 日清食品ホールディングス社長
伊藤秀二 カルビー社長
小林一俊 コーセー社長
佐藤章 キリンビバレッジ社長
澤田道隆 花王社長
高岡浩三 ネスレ日本社長
高原豪久 ユニ・チャーム社長
寺尾玄 バルミューダ社長
寺田直行 カゴメ社長
水谷徹 サントリービール社長
相談役 江崎勝久 江崎グリコ社長
樫尾和雄 カシオ計算機会長
鈴木喬 エステー会長

なぜ飲料業界で、大型商品が出にくくなっているんでしょうか。

さとう・あきら
1959年生まれ。商品開発担当だった2000年前後、「ファイア」や「生茶」などのヒットを生み出した。(写真:陶山勉)

佐藤:ヒット商品には大きく2種類あると思います。1つは消費者のニーズの半歩先を行くことで受け入れられる商品。これは顧客層が広くて、老若男女誰にでもいいと言ってもらえるような価値を持っていることが必要で、カテゴリーで言えば茶飲料が代表的です。もう1つは客層は限定されているけど、ロイヤルユーザー、ヘビーユーザーに深く受け入れられる商品。これは缶コーヒーが代表的です。缶コーヒーを1日に3~4本飲む人はユーザー全体の15%程度しかいないですが、この15%の人が消費量全体の7割を占めているんです。こういった顧客はよっぽど自分が納得したものでなければ購入してくれません。

 生茶(2000年発売)の時は、それまでのスタンダードだった伊藤園の「お~いお茶」があって、その「ネクストスタンダード」として打ち出したわけです。「お茶にも生があるんです」という訴求の仕方で、テアニンというアミノ酸の一種が含まれて、うま味の強さや体に良いイメージを伝えたし、ペットボトルで持ち歩いた時に格好いいという印象を持たせることができた。ただ、その後、サントリー食品インターナショナルの「伊右衛門」やコカ・コーラの「綾鷹」が出てきて、今はどのように消費者のニーズを的確に捉えるかというのが難しくなっています。

 缶コーヒーで言っても、今はコンビニエンスストアの入れたてコーヒーやスターバックスなどの競合がどんどん存在感を増しています。メーカーとして既存のユーザーのことはもちろん考えるのだけど、新しい顧客を掘り起こさないといけないんじゃないかということが非常に大きな課題としてある。缶コーヒーについても飲む意味を新しく持たせるような、広い視野を持って商品を開発しなくてはならなくなっています。

 ヒット商品が生まれにくい理由について言うと、お話ししたような前提があるのだけど、当社の反省も含めてメーカー同士の「潰し合い」が激しいんですね。新商品を売り出す時には「これは従来品とは全く違う」とPRするんだけど、結局ものまねになってしまっていて、消費者から違いが見えにくい。それを大々的に広告費をかけてマスマーケティングで売り込むんだけど、結局商品が同質化して、違うメーカーの同じような商品が並んで、1ブランドあたりの販売効率が悪くなる。結果として大ヒットが生まれにくくなるということだと思います。

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「「メッツはまだ成功じゃない」」の著者

河野 祥平

河野 祥平(こうの・しょうへい)

日経ビジネス編集記者

2006年日本経済新聞社入社。社会部、消費産業部などで警視庁、ネット業界などを担当。直近では企業報道部でビール・清涼飲料業界を取材。2015年4月から日経ビジネス。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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