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じゃがりこ、大ヒットの原点は女子高生狙い

カルビー伊藤社長が語る「終わらない成熟期」

2015年11月30日(月)

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スナック市場で5割以上のシェアを持つ業界のガリバー、カルビーは、年間売上高100億円を超えるロングセラーを数多く持つ。その中で、今年発売20周年を迎えたのが「じゃがりこ」だ。じゃがりこの年間売上高は350億円。しかも、今でも伸び続けている。同社の伊藤秀二社長によれば、じゃがりこは「終わらない成熟期」にある。ヒットを終わらせない、伊藤流のマーケティングとは。

100年ヒット育成委員会メンバー
委員長 楠木建 一橋大学大学院教授
委員
(50音順)
安藤宏基 日清食品ホールディングス社長
伊藤秀二 カルビー社長
小林一俊 コーセー社長
佐藤章 キリンビバレッジ社長
澤田道隆 花王社長
高岡浩三 ネスレ日本社長
高原豪久 ユニ・チャーム社長
寺尾玄 バルミューダ社長
寺田直行 カゴメ社長
水谷徹 サントリービール社長
相談役 江崎勝久 江崎グリコ社長
樫尾和雄 カシオ計算機会長
鈴木喬 エステー会長

まず、伊藤社長が考える「ヒット商品」とは何か。その定義から、教えてください。

伊藤:いわゆるブームみたいに売れるのもヒット商品というのでしょうが、私はそれはちょっと違うのかなと思っています。

いとう・しゅうじ 1957年生まれ。伸び悩んでいた「じゃがりこ」を再建。松本晃・会長兼CEOと共にカルビーを高収益企業に。 (写真:的野弘路)

 特に我々食品の場合は、例えばレコードからCDになり、MP3になるといった具合に、技術ががらりと変わって従来の商品を駆逐してしまうというようなことは、起こりにくい。そのため、長くヒットするロングセラーを育て、ブランドとして高い評価を受け続けることが、我々にとって一番大切なことだと考えています。

 金額ベースで言えば、年間50億円売れ続ける食品なら、日本の消費者にだいたい認知されるでしょう。そういった商品をいくつも抱え、お客様に評価され続けることが我々としては必要なのです。

 例えば、「かっぱえびせん」は、発売してから今年で51年になりますが、今でも100億円ラインは守っています。こういう商品をいくつも重ねていくことができなければ、我々のビジネスの継続性、もしくは成長性はないと思います。

今年は、「じゃがりこ」の20周年でもありますね。

伊藤:そうですね。私はじゃがりこが誕生してから10年目に、その事業を担当しました。ちょうど年間売上高が約200億円くらいの時期でした。

 売り上げとしては、既に大きな規模に育っていました。しかし、当時、じゃがりこは大きな問題を抱えていました。売り上げはアップダウンを繰り返し、明らかに踊り場に差し掛かっていました。しかも、利益が出ていませんでした。200億円もの売り上げがあるのにです。

「じゃがりこ」の主力定番商品「サラダ」

 商品には、ライフサイクルがあると言われますよね。導入期、成長期、成熟期、そして衰退期、といった具合にです。じゃがりこは、まさに何もしなければ、そのまま衰退しかねない危機に直面していました。

 実は、じゃがりこは作るのが難しい商品です。10年たっても赤字だったのは、作る過程でかなりのロスが発生していたからです。お客さんは、「これ、おいしい」といって評価して買ってくださる。売れるからという理由で、10年間でじゃかりこの専用工場を5つも造っていました。この決断自体はすごかったのですが、現場でじゃがりこを作るほうは大変で、赤字を垂れ流していた。これは、非常に悩ましい問題でした。

 現場では1つ1つ、課題をつぶそうと努力してきました。原料の選択から、工場の中でのオペレーションまで、技術者だけでなく工場のオペレーターも含め全員が知恵を出し合い、生産性を上げていきました。その結果、私が担当して2年後に黒字になりました。実に、黒字化まで10年以上も時間がかかったわけです。

 結果的に、この苦労が今、生きています。じゃがりこのおいしさは、手間をかけて複雑な製造工程を経ないと実現できません。社内でも時々、「ここを省いたらもっと安く作れるんじゃないか」といった議論が出るのですが、それをやるとやはり、微妙に味や食感が変わってしまう。じゃがりこじゃなくても味わえるレベルのものになってしまうのです。

 こういう複雑な作り方をしているからこそ、絶対にまねされないものになっています。まねしても、この値段では絶対に作れない。

 生産ラインについても、特許は一部の特殊な機械しかとっていません。すべてを特許で押さえてしまうと、手の内を明かすことになってしまいますから。工場見学でも、芋を投入するところと出てくるところは公開していますが、それ以外は見せていません。

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「じゃがりこ、大ヒットの原点は女子高生狙い」の著者

大竹 剛

大竹 剛(おおたけ・つよし)

日経ビジネス記者

2008年9月から2014年3月までロンドン支局特派員。2014年4月から東京に戻り、流通・サービス業を中心に取材中

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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