米IT大手、モラルハザードに直面との声

ネット依存で問われ始めたIT各社のソフト開発の姿勢

  • FINANCIAL TIMES

 先週、クレジットカードの請求書を見て仰天した。米アップルのアプリを販売するアプリストアから、覚えのない909ドル(約10万円)もの課金をされていたからだ。最初はハッキングを疑った。ところが、10歳になる息子が、オンラインゲームで遊ぶためにバーチャルのサッカー選手を買い集めたせいだと分かった。

ネット依存の背景には、IT企業の行き過ぎた部分もあるとの批判が強まっている (写真:ZUMA Press/amanaimages)

 以来、息子のゲーム機は没収し、パスワードも無効にした。しかし、米グーグルの元社員で、その後、米大手IT(情報技術)企業の力に警鐘を鳴らす立場に転じたトリスタン・ハリス氏によると、こうして罰を受けるべきは、私の息子だけではないという。

 ハリス氏は、米スタンフォード大学の「Persuasive Tech Lab(説得力を高める技術の開発を手掛けるラボ)」を卒業後、人の行動を変容させるようなソフトウエアを開発していた。ゲームでも、ティンダー(Tinder)といった出会い系サイトでも、偽ニュースでも、あらゆるものを利用者にクリックさせ続けるためのソフトだ。

 同氏によれば、グーグルや米フェイスブックなど巨大IT企業の利益と、それらの企業の「サービスを受けている」はずの顧客の利益とが、もはや一致しない時代に入ってきているという。

米IT企業のソフト開発に批判の目を向け始めた人々

 「文化と政治がこれまでと逆に自己中心的になりつつあることには理由がある。これらテック企業の技術者集団が取り組んでいるのは、利用者にオンラインでもっと多くの時間を過ごさせ、もっと多くのカネを使わせることだ。彼らの目的はもはや利用者の目的とは異なってきている」(ハリス氏)

 同氏は「この体制を内部から変革することはできない」と見切りをつけてグーグルを退職した後、「タイム・ウェル・スペント」というゲリラ的な活動を開始した。大手技術企業に外部から圧力をかけ、ビジネスモデルを変えさせようというのだ。

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