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テスラと日産、売れ行きの差に見るEV市場

リーフの5年3カ月分以上を3日で予約受注

2016年4月21日(木)

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日産自動車いわき工場にて、内堀雅雄福島県知事(写真右)、清水敏男いわき市長(左)らと。ここでカルロス・ゴーン日産社長の「朗報」発言が飛び出した。

「朗報だ。EV(電気自動車)の提案、そしてラインアップが増えることを当初から望んでいた。一度たりとも、私は競合他社を否定したことはない。競合を歓迎する。なぜなら、市場が拡大する上、EVが自動車の中心を占めていくから。航続距離やコスト改善で日産の開発にも良い影響を与える」

 日産自動車のカルロス・ゴーン社長は、米テスラモーターズの新型EV「モデル3」(価格は約400万円)の予約が発表から3日間で27万台を超えたことに対して、こう話した。

 モデル3の発売は2017年末だが、発表後1週間の予約は32万台を超えた。ちなみに、日産のEV「リーフ」(価格は約320万円~400万円)の累計販売台数は、2010年12月から今年3月までの5年3カ月間で約21万1000台である。

リーフの5年3カ月分を予約受注で上回る

 「日産はEVのリーダー」と言い続けてきたゴーン社長。リーフの5年3カ月分の台数を予約であっさり5割も上回ったモデル3の受注好調は、これからの日産のEV戦略そのものにも影響を与えるのかもしれない。

 そもそもなぜ、予約とはいえテスラは大きく支持され、リーダーであるはずの日産の支持は爆発しないのか。

 日産は、「環境意識の高い人」をターゲットとしてEVを商品化してきた。リーフも商用車「e-NV200」にしても、商品コンセプトの中心は「環境に優しいクルマ」である。環境意識の高い人は、しかし、必ずしもフトコロがリッチとは限らない。

 これに対して、テスラは「目立ちたい人」あるいは「クルマで走りたい人」をターゲットにしている。顧客が環境への関心をもっているかどうかは、二の次である。

 テスラは、スポーツカー仕様の「ロードスター」に始まり、主力の高級セダン「モデルS」などを展開。最初から、EVのもつトルクフルな走りや斬新なデザインが“売り”であり、結果として環境にも優しいクルマだ。何より、モデルSの価格は「リーフ2台分以上」(日産幹部)であるため、富裕層であることは顧客になるための前提である。

 国産自動車メーカーの役員は言う。

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「テスラと日産、売れ行きの差に見るEV市場」の著者

永井 隆

永井 隆(ながい・たかし)

ジャーナリスト

新聞記者を経て1992年からフリーとして独立。著書に『サントリー対キリン』(日本経済新聞出版社)、『人事と出世の方程式』(同)、『国産エコ技術の突破力!』(技術評論社)など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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