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鈴木修会長CEOを辞す。スズキの向かう先は?

2016年6月10日(金)

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スズキのCEO(最高経営責任者)職を辞する鈴木修会長。(写真:つのだよしお/アフロ)

 燃費データ不正測定問題の責任を取り、スズキの鈴木修会長(86)は兼務していたCEO(最高経営責任者)職を辞する。後任のCEOには、修会長の長男である鈴木俊宏社長(57)が就く可能性が高い。だが、もちろん、これで修会長が経営の第一線から引退することはない。

 修会長は決して引退しない。自身で「死ぬまで(経営を)やる」と主張し続けてきた。立ち位置はやや後方に下がるだろうが、影響力を保持しながら「チームスズキ」という名の新体制が構築されていくはずだ。

 ちょうど1年前の昨年6月、スズキは社長交代をしたばかりだ。鈴木俊宏社長が副社長から昇格。以来37年間続いた修氏の超ワンマン体制から、俊宏社長を中心とする集団指導体制への移行を目指していた。ところが、三菱自動車の事件をきっかけに、燃費データを不正な方法で測定していた問題が発覚してしまう。業界全体にも逆風が吹く中、スズキは、修会長はどんな決断を下すのかを考えてみたい。

 重要なのは、修会長がスズキを1:このまま独立資本で経営していくのか、2:2008年まで米ゼネラル・モーターズ(GM)と資本提携していたときのように、大手のグループの傘下に入るのか、だ。

大きな相手の力を生かすのが得意技

 スズキの経営の特徴は自称「中小企業のおやじ」の修会長による、決定の早さにある。「経験に基づくカンピューターが働く」(修会長)などと嘯(うそぶ)くが、相手の懐に飛び込むような大きな決断でも、逡巡はない。GMとの資本提携、インドでの現地生産の決断、道半ばの中国事業にしても、“先手必勝”とばかりにリスクを取って先発で入っていった。

 言い換えると、“中小企業”だけに、「大きな相手」の力を借りて成長するのは、スズキの、修会長の得意技である。

「GMは鯨、スズキは蚊。蚊ならば、鯨にのみ込まれずに高く舞い上がれる」

 これは修会長が1981年のGMとの提携会見で放った名言だが、巨大な資本提携先への強かさやしなやかさが、実際に発揮され、スズキは環境関連をはじめとするさまざまな技術力を向上させ、ブランドを拡大することができた。

 とはいえ、スズキの関係者は次のように語る。

 「修会長は迷っています。4年に及ぶ独フォルクスワーゲン(VW)との係争から、『もう、外資は懲りた』と漏らしています」

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「鈴木修会長CEOを辞す。スズキの向かう先は?」の著者

永井 隆

永井 隆(ながい・たかし)

ジャーナリスト

新聞記者を経て1992年からフリーとして独立。著書に『サントリー対キリン』(日本経済新聞出版社)、『人事と出世の方程式』(同)、『国産エコ技術の突破力!』(技術評論社)など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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