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中国から「夜逃げ」した日本企業

「世界の工場」の終わりはバブル崩壊の始まりか

2015年11月25日(水)

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「夜逃げ」したアイリスの以前の社屋の前には、野菜などを売る露店が並んでいた(写真:町川 秀人)

 10月中旬。広東省広州市のホテルの会議室で、あるセミナーが開かれた。タイトルは「中国現法『人員スリム化』のノウハウ」。つまり中国でいかにスムーズに人員削減を行うかを学ぶためのセミナーである。中国やアジアに進出している企業向けに法務や会計、労務などの助言・実務を行うキャストコンサルティングが開催した。

 この日は10人ほどの受講者が集まり、約4時間かけて退職時に従業員に支払う経済補償金の仕組みやトラブルを起こさないための方策などを学んだ。受講者はいずれも日系企業の中国法人で人事や財務などを担当している日本人だ。「すぐにリストラを予定しているわけではないが、学んでおく必要があると思った」。このセミナーに参加した日系メーカーの幹部は受講した理由をこう話す。

「中国での事業のたたみ方を知らない人が多い」

 同社は10月から11月にかけて、広州だけでなく北京や上海のほか、東京や大阪、名古屋でも同様のセミナーを開いた。背景にあるのは、中国経済の大きな変化だ。今年6月中旬以降の中国株式相場の急落をきっかけに、中国の経済成長への疑念が膨らんでいる。工業生産や貿易、不動産価格などの指標が悪化し、一部では「中国バブルの崩壊が始まった」との見方も出ている。

 「バブル崩壊」と単純に言い切れないことは日経ビジネス11月23日号の特集でも触れた通りだ。ただ、中国の経済構造が大きく転換していることは事実で、それに伴ってこれまでの高度成長下での成功モデルが通用しなくなっているのも確かだ。また中国で成功している企業であっても、中国の急速な変化に合わせて事業を臨機応変に組み替える必要が出てきている。リストラをスムーズに行うことは以前にも増して重要になってきていると言える。

 しかし、キャストコンサルティング(上海)の社長を務め、上記のセミナーの講師も務めた前川晃廣氏は「事業のたたみ方を知らない人が多い」と話す。リストラを進めるにあたり、中国人従業員との間でトラブルになるケースも少なくない。今年2月には広州市にあるシチズンホールディングスのグループ会社が工場閉鎖を決めた際、従業員による抗議デモが起きている。

 中でも特に多いのが、会社都合で辞めてもらう人に支払わなければならない経済補償金を巡るトラブルだ。中国で会社の都合で従業員に辞めてもらう場合、「平均月収×勤続年数」を経済補償金として支払わなければならない。ただ、これはあくまでも法定の補償金で、通常は法定分にいくらか上乗せして支払うことが一般的だ。この補償金をいくらにするかで従業員ともめ、時には大幅な上乗せを余儀なくされることもあるという。

コメント22件コメント/レビュー

私も中国は仕事で経験しているが、この様なリスク管理の欠如はアジアの日本企業で多い気がした。欧米の日本企業では殆ど発生しない現象。理由は、或る意味で、製造業の進出が多く、残念ながら中国語、英語力も含め、経営手腕でも、とても海外で通用するような人材を送っていると思えないケースが多い。欧米への進出に際しては、日本人以上に、現地人が日本人に代わって、きちんと経営、労務管理をしてくれていた。ところがアジアとなると、どうしても現地の優秀な幹部が採用出来ず、日本からの出向で経営をするケースが多い。送り出す日本側は海外経験もなく、言語的にも不十分な人材を送りこんでしまう。この結果、経営、労務管理の質も悪いのが実態。欧米企業の場合、概して、高給を払っても現地の幹部を必ず採用している。この差異はこのようなケースでは大きい。尤も、台湾、韓国などの進出企業は、日本企業以上に夜逃げが普通でした。(2015/11/28 22:41)

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「中国から「夜逃げ」した日本企業」の著者

小平 和良

小平 和良(こだいら・かずよし)

日経ビジネス上海支局長

大学卒業後、通信社などでの勤務を経て2000年に日経BP社入社。自動車業界や金融業界を担当した後、2006年に日本経済新聞社消費産業部に出向。2009年に日経BP社に復帰。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

私も中国は仕事で経験しているが、この様なリスク管理の欠如はアジアの日本企業で多い気がした。欧米の日本企業では殆ど発生しない現象。理由は、或る意味で、製造業の進出が多く、残念ながら中国語、英語力も含め、経営手腕でも、とても海外で通用するような人材を送っていると思えないケースが多い。欧米への進出に際しては、日本人以上に、現地人が日本人に代わって、きちんと経営、労務管理をしてくれていた。ところがアジアとなると、どうしても現地の優秀な幹部が採用出来ず、日本からの出向で経営をするケースが多い。送り出す日本側は海外経験もなく、言語的にも不十分な人材を送りこんでしまう。この結果、経営、労務管理の質も悪いのが実態。欧米企業の場合、概して、高給を払っても現地の幹部を必ず採用している。この差異はこのようなケースでは大きい。尤も、台湾、韓国などの進出企業は、日本企業以上に夜逃げが普通でした。(2015/11/28 22:41)

本件は破産しているので夜逃げではない。単なる法的措置に過ぎない。(2015/11/27 14:43)

下記コメントをされた方は中国の実情をよく知られており、その通りです。中国から夜逃げを実施する前にまずもっとほかの対策を考え、いかに一番安くて、手っ取り早くできるか検討すべきでしょう。工場を移転する手法はとても有効的です。その工場の近くに地元を持つ人たちはまずついていくことはありませんでした(実体験)。距離によりますが、本当に内陸へ移動する場合は一番効果的でした。新しいところで会社をたたむのもだいぶ安くできます。(従業員への賠償金はかなり少なくなる。ほとんど新規雇用の人間たちです)。そのまま進出しているところで事業縮小を考えるのもペケです。中国では通用しません。従業員たちはあくまで思う通りの金額を支払ってもらわないととことんと物事を大きくします。デモ等につながりますし、メディアや裁判所、労働局にも訴えたりします。場所も場所ですので、当然ながら中国人の肩を持ちます。いっそう会社のイメージに大きなダメージを与えるうえ、支払わざるを得なくなる局面を迎えます。ダブルパンチになります。まあ、今更ですけれど、進出をお考えになっている企業様はまず清算するときはケツの毛まで全部抜かれていく覚悟がない限り、やめた方が身のためになりますよ。(2015/11/27 10:10)

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