• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

発症を5年遅らせれば認知症患者数は半分以下に

国立長寿医療研究センター鳥羽研二理事長に聞く

  • 片山 さつき

バックナンバー

2015年12月22日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 超高齢化社会に入った課題先進国、日本。人生の最期を「寝たきりや介護を受けて暮らす」人が相当数いる国とも言えます。

 この課題に挑もうと提唱されたコンセプトが、IoHH(Internet of Human Health=インターネット・オブ・ヒューマンヘルス)です。IoT(モノのインターネット)のコンセプトと技術を活用し、人の健康状態や健康管理をオンタイムで可視化して予兆をつかみ、「未病」の段階で成人病や認知症を含むリスクを明確化して対応していこうという構想です。

 「一億総活躍社会」の大前提といえるこのコンセプトを踏まえ、提唱者である片山さつき参議院議員が、キーパーソンと徹底討論したのが書籍『未病革命2030 予兆をつかめば社会とビジネスが変わる』。このコラムでは同書から対談の一部を抜粋して掲載します。

 今回は、国立長寿医療研究センターの鳥羽研二理事長と、認知症とその予防について討論します。

片山:現在、日本の認知症の患者数は約460万人ですが、これからさらに激増していくことが予想されています。将来的にどうなると予測されているのか、それが社会に対して与えるインパクト、影響といったことからお話ししていただけますか。

鳥羽研二(とば・けんじ)氏
国立長寿医療研究センター理事長。1951年長野県生まれ。1978年東京大学医学部医学科卒業。1996年東京大学医学部助教授。2000年杏林大学医学部高齢医学主任教授。2006年杏林大学病院もの忘れセンター長兼任。2010年独立行政法人国立長寿医療研究センター病院長。2015年より国立研究開発法人国立長寿医療研究センター理事長。主な著書に『まちがいだらけのアンチエイジング』(朝日新書)、『認知症の安心生活読本』(主婦と生活社)ほか多数。(写真:陶山 勉、以下同)

鳥羽:片山さんが言われたように、約460万人の患者がいますが、予備軍もほぼ同数いるのが現状です。認知症の予防をしっかりやっていかない場合、ピークとなる2040年頃には、患者数が約900万人、予備軍も同数ということで、合わせて2000万人近くが存在することになると予測されています。社会保障では高齢者1人を何人の働く人で支えるのかという表現をよくしますよね。それで言うと、このピークのときには、3人の働く人で1人の認知症の人を支える社会が来る、というのが一番わかりやすい表現だと思います。

片山:予備軍を合わせると約2000万人になり、働く人3人に対して1人の割合になるというのはかなりインパクトのある数字で、社会に及ぼす影響も相当なものがあるでしょうね。中でも働く人3人に対して1人の割合にまで、認知症と予備軍の人が増えた場合、誰がどうやって見るかという医療と介護の問題は当然ですが、社会としてその人たちをどうやって受け止めて共生していくかという点について、早急に考えていかなければならないと思うんですが。

鳥羽:そうですね。認知症の人が踏切でひかれたとか、商店街でトラブルを起こしているというようなことはすでに起きていますが、それがより日常的に見られるような状況となった場合、社会としてそれをどうやって防いだり、うまくやっていくかということが求められるようになります。それが一番大きなインパクトかもしれません。

片山:日本の認知症の割合がこれだけ大きくなるというのは、世界的に見て特殊なケースなんですか。それとも先行事例と考えるべきなんでしょうか。

鳥羽:それは間違いなく先行です。高齢化率25%超、認知症の診断率は世界一の国ですから、どこかに範を取って、それをまねてやっていくというアプローチは難しいでしょう。

 今、世界の認知症患者数は4700万人と言われています。ですから、世界的に見ると認知症の10人に1人は日本人なんですよね。ただ、欧米は進んだ人しか認定をしないので、実際には総数はもっと増え、日本の比率は下がるのではないかと思いますが、それでもかなりの割合であることは間違いありません。

 ですから、医療・介護を含めた社会の体制を世界で比べても、日本は一番頑張っていると思います。ただ、そうした政府とか国全体としての取り組みを世界へ発信するという面では、残念ながらちょっと弱いと言えるかもしれません。「ディメンシア・フレンドリー・シティ(認知症にやさしい都市)」というのは世界保健機関(WHO)などでもキーワードになっており、そうしたことについて、イギリスをはじめOECD諸国の中には、日本より積極的なメッセージを出しているところもあります。

片山:医療費とか介護費への影響も大きいはずですが、どのように見ていますか。

コメント1

「IoHHが日本を救う」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

実は事業継承の覚悟って、そんな大それたものではないんですよ。

高田 明 ジャパネットたかた 創業者