
営業事務 A子さん(32歳)
営業マン10人弱のアシスト業務を一手に引き受けるA子さん。業務量の多さは誰もが認めるところだ。しかし、いくら忙しいからといって、常にふてくされ、ため息ばかりをつかれては、周りはたまらない。彼女の様子はというと、毎日こんな感じだという……。
- 朝から不機嫌そうに長々とため息「ふぅーーー」
- 上司から仕事を頼まれるといかにも辛そうな表情
- 少し叱られただけで、呆然と仕事が手につかない様子
- 強く問題を指摘されると涙を流し、トイレに駆け込む
- 会議の席では一言もしゃべらず下を向いて暗い表情
- 休憩時間にはずらりと薬とサプリメントを並べ、頭痛や睡眠不足の話題を会話の端々に織り交ぜる……
やがて、周囲は腫れ物に触るように彼女と接し、なるべく関わらないように距離を置き始めるのだった……。
さて、彼女の内面で何が起きているのであろうか? 周囲はいったいどのように接すればいいのであろうか? アドラー心理学で傾向と対策を考えてみたい。
私達、大半の人間関係は選べません。親兄弟も、しばしば同僚や隣人もです。首を切ればいい下っ端だけがこういう問題を抱えているのではなく、上役や経営層にも、この種の困ったちゃんは大勢いるように思えます。
だとすれば、負の言動に油を注ぐことはせず、勇気を与える、というこの方針は、多くの場面で有用であるように思えます。(2016/01/07 10:57)