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オリンピックの予算を蒸し返す

2016年1月8日(金)

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 5年後のオリンピック・パラリンピックに向けて組織委員会が準備や運営に必要な費用を試算したところ、およそ1兆8000億円と当初の見込み(3013億円)の約6倍に上り、組織委員会の財源だけでは大幅に不足することがわかった―― というこのニュースが報じられたのは、昨年の12月18日、いまから約3週間ほど前のことだった。

 私は、このニュースをNHKのホームページで見つけて自分の作業PCのevernoteにクリップしたのだが、さきほど確認してみたところ、NHKの当該のニュースページは削除されている。まあ、どこのソースでも一定の時日が経過するとニュースのページが削除される仕様になっている。テレビ局のサイトではニュースの寿命が短いということなのだろう。

 なので、以下に、第一報を報じたとされている共同通信のサイトと、それを紹介したハフィントンポストの記事にリンクを張っておく。

 18日にこのニュースが報じられて、ツイッターの私のタイムラインは、しばらくの間、ちょっとした騒ぎになった。

 が、この日の段階では、NHKをはじめとするいくつかのテレビ局とスポーツ新聞が報じた以外、大手の新聞はこのニュースについて独自の記事を書いていない。

 つまり、扱いは小さかったわけだ。
 国立競技場の見積額が、1300億円から3000億円超にふくらんだ時には、あんなにデカい見出しを打ったのに、だ。

 翌々日の21日、時事通信が以下のような記事を配信する。

《2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は21日、大会運営費が組織委の当初見込んだ額の約6倍となる1兆8000億円に上ると試算されたとする一部報道を受けて東京都内で記者会見し、「現在、経費の精査を行っている最中で確たる数字を持っていない。1兆8000億円と現時点で考える事実はなく、極めて不適格なもの」と報道内容を否定した。----略----》(こちら)。

 「1兆8000億円」という報道を見て、組織委員会が「火消し」に走った形だ。
 五輪組織委の武藤敏郎事務総長は、「1兆8000億円」について「極めて不適格なもの」と言い切っている。
 なるほど。

 ところが、記事を最後まで読むと、末尾は、以下のような不思議な一文で締めくくられている。
《組織委はこれまでに、東京都などと合わせた運営費が2兆円程度に膨らむ懸念があることを明らかにしている。》

 どういうことだろう。
 そんな言葉を、いったい誰がいつ、口にしたのだろうか。

 で、さらに色々と検索してみると、五輪組織委の森喜朗会長が2015年の7月22日、東京都内の日本記者クラブで会見して、大会施設の建設や交通インフラ整備など大会にかかる経費の総額について、「最終的に2兆円を超すことになるかもしれない」と述べた、という記事が出てくる(こちら)。

 こういう数字の行ったり来たりを見ていると、あるいは、組織委員会は、五輪招致に手を挙げる段階で、国民を説得するために提示する金額と、招致が決まってから各方面にお願いする数字を、はじめから別のものとして二通り用意していたのではないかという気がしてくる。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「オリンピックの予算を蒸し返す」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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