• ビジネス
  • xTECH
  • クロストレンド
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

タイキックは禊ぎにならないと知るベッキー

2018年1月12日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 ベッキーにタイキックが浴びせられた場面は、ユーチューブにアップされた動画で視聴した。

 経緯は以下の通り。
 まず、ベッキーに対して、タブレットの中に収められていたインスタ画像を経由して、唐突に「タイキック」による洗礼が宣告される。テレビ画面には、「ベッキー禊(みそぎ)のタイキック」というテロップが出る。ベッキーはいやがっている。やめてくれと懇願する。しかし、踊りながら登場した女性格闘家は、ベッキーを机にもたせかけて固定すると、その尻に容赦のない回し蹴りを浴びせる。出演者一同は、笑い転げている。

 「いいの入った」

 と、字幕入りで囃し立てている。なんだろうこれは。
 動画をひと目見て

 「ああ、これは炎上するだろうな」

 と思った。
 個人的な見解を先にお知らせしておくと、私は、この番組の中の少なくとも「ベッキータイキック」のパートは、俗悪な企画であり、悪趣味なパフォーマンスだったと思っている。

 ただ、私が「ああ、これは炎上するだろうな」と感じた理由は、必ずしも番組の俗悪さのみによるものではない。

 私がこの動画を見て、炎上を予感したのは、この企画が、この数年来何度も燃え上がってはくすぶっている「ポリティカル・コレクトネス」がらみの面倒くさい論争に、燃料を与える要素を大量に含んでいると思ったからだ。

 まず、建前論を申し上げておく。
 前提として、暴力はよろしくない。

 次に、いやがっている人間に暴力を発動することはさらによろしくない。
 とすれば、いやがっている人間に暴力を強いる映像を娯楽として消費することは、さらにさらによろしくない。

 ということは、「ベッキータイキック企画」は、完全にアウトだ。
 どこをどう切り取っても、擁護できる要素はひとっかけらも存在しない。
 以上が議論に入る以前の大前提だ。

 さてしかし、ベッキータイキック企画は、単なる「暴力」ではない。
 画面でそう見えているとおりの「強要」でもおそらくない。
 言ってみれば「暴力」を素材としたエンターテインメントだ。

 ということは、ここで展開されている「暴力」は、ボクシングのリングの中でやりとりされている制御された動作としてのパンチが、文字通りの暴力とは一線を画したスポーツ競技の一所作であり、アクション映画の中で繰り出されているキックや背負い投げが、あらかじめ設定された台本の範囲におさまる虚構であるのと同じ意味で、いずれにせよ文字通りの「暴力」そのものではない。おそらく、現場的には「お約束」として処理されるコールアンドレスポンスの一部といった程度のものだ。

コメント102件コメント/レビュー

嫌なら見るなとか、昔のお笑いよりもマシ、とか、お笑いだからとか、見当違いです。「は?何言ってんの?知らねー。だって自分にはカンケーねーし」って思うんでしょうか。ひと昔前の個人主義?
こういう笑いって擁護しちゃいけないよな。正当な暴力ってどうなの?子供見てるんだよ。とは思わないですかね?

ニュースになった22歳アメリカ人ユーチューバーが、日本滞在時に撮った日本をバカにした映像見ましたか? ああいうのも、笑いととるんでしょうか。 私は不快感しかなかったんですけどね。彼のサイトに広告を出してるスポンサーも軽蔑したくなります。金もうけとか、出世のために何やっても良いってことはないから。そういうのって、視聴者が発信するしかないと思うんだけどな。(2018/01/26 11:32)

オススメ情報

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

一覧

「タイキックは禊ぎにならないと知るベッキー」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

嫌なら見るなとか、昔のお笑いよりもマシ、とか、お笑いだからとか、見当違いです。「は?何言ってんの?知らねー。だって自分にはカンケーねーし」って思うんでしょうか。ひと昔前の個人主義?
こういう笑いって擁護しちゃいけないよな。正当な暴力ってどうなの?子供見てるんだよ。とは思わないですかね?

ニュースになった22歳アメリカ人ユーチューバーが、日本滞在時に撮った日本をバカにした映像見ましたか? ああいうのも、笑いととるんでしょうか。 私は不快感しかなかったんですけどね。彼のサイトに広告を出してるスポンサーも軽蔑したくなります。金もうけとか、出世のために何やっても良いってことはないから。そういうのって、視聴者が発信するしかないと思うんだけどな。(2018/01/26 11:32)

TVの番組を『倫理』で審判するBPO、放送倫理委員会は政府の機関ではないんだね。アメリカだと一応FCCという政府の機関があってこのような一方的暴力を見せしめにする番組は即停止。
まあ、倫理感=民度レベルでしょう。(2018/01/25 03:50)

お笑いというジャンルの中での「暴力」を歪曲されているようなので、確認しておきます。つっこみで相手の頭を叩く、アツアツのおでんを頬張る、熱湯に落とされる等は、いじめや暴力といった一方的な構図では成り立たななくて、全ては両社合意の元での演出じゃないのでしょうか。たぶん表情や間などで笑いのタイミングを計算してます。ベッキーが後にありがたかったと口述しているのも、こうなるであろう「笑いの約束」に乗っかったもので、当然仕掛ける側も彼女のキャラクターを踏まえての事と察します(例の件の後も何度かダウンタウンとは絡んでます)。それと暴力が禊という通過点だったと捉える観点も誤解されているように思います。やくざが指を詰める(痛みを負わすこと)で禊とする事と同一視しているような厭な違和感を感じます。同番組で山崎さんが見せる痛そうな顔で取る笑いは、決していじめる側がいじめられる側を見て笑うような卑屈な笑いを意図していないと思います。結局最後は不快に思うなら見るなになるんでしょうか。録画された紅白歌合戦のように。(2018/01/20 10:48)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

海外の取引先のやり方に合わせたら、それが違反だとなったわけです。

藤田 伸治 藤田観光バス代表取締役