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サル山に降臨する人々

2017年2月10日(金)

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 文部科学省の天下りが話題だ。

 私は、この種の話題には、勘が働かない。

 なんというのか、会社組織で働いた経験が浅いので、現実に、組織で働く人たちがどんなふうに日々をやりくりしているのかについて、実感を伴って考えられないのだ。

 先日来国会で取り上げられて特に大きな反響を呼んでいるのは、文科省を退職した後輩の文科省職員の天下りのあっせんを仲介していたと言われる、嶋貫和男氏のケースだ。

 2月7日に開かれた衆院予算委の集中審議の中で、民進党の小川淳也議員が、顧問報酬について

「月2日勤務で1千万円か」

 と質問すると、嶋貫氏は、

「社に出向く回数は基本的にそう」
「金額はその通り」

 と答え、委員や傍聴人からはどよめきが起きたのだそうだ(こちら)。

 たしかに、月に2日の出勤で、年収1千万円の顧問料報酬を得る契約のあり方は、一般人の感覚からあまりにもかけ離れている。

 「労働への対価」というよりは、「便宜供与に対する現金授受」と解釈した方がずっと飲み込みやすい。それほどべらぼうな条件だ。

 ほかにも、悪質な事例として民進党の井坂信彦氏が、消費者庁長官だった阿南久氏がパソコン量販チェーン「PCデポ」のアドバイザーに就任していたケースを追及している。

 PCデポと言えば、昨年の夏に、高齢者に高額の解約料を支払わせる悪質な商法がツイッター上で炎上したことが記憶に新しい。消費者庁はこの問題の監督官庁にあたる。

 ということは、このケースは、警察のトップが暴力団の幹部として再就職するお話に似ていなくもない。
 あるいはそれほど露骨ではないにしても、違法賭博を取り締まる立場の警察官が、パチンコ業界に再就職するケースにほんのりと近い、とは言えるだろう。

 とにかく、誰の目から見ても怪しいこんな形の再就職が世間の理解を得られるとは到底思えない。

 ただ、ここで取り上げたケースが悪質であることはその通りなのだとして、それではこの種の不快な天下りを根絶するためには、官僚についての組織的な再就職のあっせんを一律に禁止すれば良いのかというと、必ずしもそうすることが正しいとは言い切れないようだ。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「サル山に降臨する人々」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト