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ロード・トゥ・ザ・提灯持ち

2016年2月19日(金)

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 自民党の丸山和也参議院議員が、2月17日の参院憲法審査会で「黒人奴隷が米大統領になった」という旨の発言をしたということで、ちょっとした騒ぎになっている。(こちら

 はじめにお断りしておくが、私は、丸山議員のこの発言を、今回の原稿の主題に据える気持ちは持っていない。
 最初にこの発言のニュースを引いたのは、ほかの政治家の問題発言と対比するためだ。

 私は、ここしばらく頻発している政治家による不穏当な発言と、それらの発言に関するそれぞれの報道のトーンに、釈然としないものを感じている。今回はそれらの「失言の伝えられ方」を見比べてみることでメディアの役割について再考してみたいと考えている。

 丸山議員の発言は、問題外の軽率な発言だ。

「どこから突っ込んで良いのやら」

 というヤツだ。
 なにより、「黒人の血を引く」「奴隷ですよこれは」といったあたりの言葉の選び方に無神経さが露呈している。

 昭和の時代ならいざ知らず、21世紀の政治家である以上、このあたりの言葉についての感覚の鈍さは、資質を疑われても仕方のないレベルだと思う。

 とはいえ、発言の内容自体は、全体の文脈から言って、人種差別意識に根ざしたものではない。大統領や米国に対して悪意のこめられた主張でもない。米国の自由さと変化のダイナミックさを強調する話の流れの中で、例として引いた奴隷のたとえが、結果として無神経なお話だったということに過ぎない。

 その意味では、今回の彼の発言は、異常な政治観や露骨な差別意識を反映した「暴言」というよりは、単に言葉の選び方を間違えた「失言」に近い。

 「失言」だから勘弁してやれ、と言っているのではない。
 悪気が無いんだから大目に見るべきだと主張しているのでもない。

 私が言いたいのは、軽率さや言葉遣いの稚拙に起因する「失言」と、考え方そのものの暴力性や異常性のあらわれである「暴言」は、別種の問題として分けて考えるべきで、処分の仕方や記事の書き方についても、両者は峻別した方が良いということだ。

 丸山議員が前述の失言をその日のうちに謝罪・撤回した日から数えてちょうど5日前の2月12日、丸川珠代環境大臣が記者会見を開いて、自身の発言を撤回し、関係者に陳謝している。

 撤回の対象となった丸川大臣の発言は、以下のようなものだ。
 彼女は、福島第一原子力発電所の除染長期目標値の設定について、2月7日に松本市で開催された自身の講演の中で「何の科学的根拠もない」と述べている。(こちら

 この発言は、様々な点で問題を含んでいる。

コメント76件コメント/レビュー

「あんたたちが推進した原発でフクシマの農家の方々が困ってるのに、なんで責任取って買わないの? 食べないの?」
福島の農家が困っているのは、放射能パニックの左翼が、安全な物を危険だと言って、風評被害を流してるからでしょ。責任は反原発派にある。
福島の海岸沿いのみの放射能で、福島全県が風評被害にあっているのですよ。浜通りだけでなく、会津の農産物も、「福島」というだけで、言われなき差別にあっている。反原発派は危険だというなら、自分たちで買い占めてあげればよい。北朝鮮の飢えた国民に援助したらどうだ。(2016/02/27 22:13)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「ロード・トゥ・ザ・提灯持ち」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「あんたたちが推進した原発でフクシマの農家の方々が困ってるのに、なんで責任取って買わないの? 食べないの?」
福島の農家が困っているのは、放射能パニックの左翼が、安全な物を危険だと言って、風評被害を流してるからでしょ。責任は反原発派にある。
福島の海岸沿いのみの放射能で、福島全県が風評被害にあっているのですよ。浜通りだけでなく、会津の農産物も、「福島」というだけで、言われなき差別にあっている。反原発派は危険だというなら、自分たちで買い占めてあげればよい。北朝鮮の飢えた国民に援助したらどうだ。(2016/02/27 22:13)

オバマ大統領を奴隷の子孫とするのは、間違いだという話は、マスコミでは出ているのだろうか?オバマ大統領は、本当の「黒人」ではないというのも、日本では言われていない。
オバマ大統領の父親は、奴隷としてアメリカ大陸に連れてこられたのではなく、アフリカ生まれで、ハワイに留学していただけである。オバマ大統領の祖先に、アメリカで奴隷だったものはいない。だから、丸山氏は間違っている。
また、オバマ大統領は「ハーフ」である。母親はアメリカ人で、「白人」だ。だから、オバマ氏は黒白ハーフであり、「黒人」というのは間違いである。現在はアフリカ系アメリカ人というから、それはそうだが、真の「黒人」ではないので、黒人大統領というのは、間違いなのだ。日本では隠されているのだろうか?(2016/02/27 22:02)

「国道ごとに設定された速度制限にしたところで、ドライバーの側が恣意的に「根拠が無い」と決めつけた上で、無視して良いことになる。」
日本の制限速度は、大昔の性能の低い自動車の時にできた基準を、未だに使っているのです。非科学的ですし、大部分の人が守っていないのです。
たとえになりませんよ。
アメリカの高速から降りる時のループ道の制限速度は守ったほうがいいですよ。日本のはずっと低い制限速度ですが、アメリカの制限速度は、一般的な車の限界よりも少し下の速度ですから、守るとちょうどいい速度で降りれます。
つまり、日本のルールは非科学的なものが多いのです。海外に住んでみれば、日本の建前優先で、非科学的なルールが実感できるのですがね。(2016/02/27 21:51)

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