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保育園とオバカ大学を閉ざす国

2016年4月15日(金)

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 先日来、待機児童の問題が各方面で議論を呼んでいる折も折、4月に開園予定だった私立の認可保育園の計画が、住民の反対で開園中止になったケースが新聞に取り上げられた(こちら)。

 保育園の開園断念が話題になる少し前に、先月の30日から放送されていた日清食品「カップヌードル リッチ」の新CM「OBAKA’s UNIVERSITY」シリーズの第一弾が、視聴者からの苦情を受けて放送中止に追い込まれたというニュースがあった(こちら)。

 問題となったのは、出演者の一人、矢口真里(33)が、「二兎を追うものは一兎をも得ず」などと、自らの不倫騒動をネタにした部分だったようで、日清食品の担当者は、視聴者から「不倫や虚偽を擁護している」との声が数多く寄せられたと説明している。

 今回は、この二つのニュースを考えてみたい。

 発端から考えれば、二つの事件は、別の出来事だ。が、「苦情」を寄せる人々と、それに対応する組織なり人間の間で起こったやりとりという点では、共通している。

 で、二つ並べて比較検討した方が、双方の事件を別々に考えるよりは、得るところが大きいのではなかろうかと考えた次第だ。無論、うまくいかない可能性はある。その時はその時だ。うまく処理できなかった場合、二つの別々の話題の間に広がる違和感が、二つの問題のそれぞれの特徴を際立たせる結果を招くはずで、それはそれで一興だろう。

 子供の声が「騒音」であるのかどうかについての議論は、いまにはじまったものではない。

 生活音や近隣騒音をめぐるトラブルは、20世紀の半ば過ぎから連綿と繰り返されてきた地域社会における定番の揉め事だった。

 もっとも、最近は騒音の話題が出ると
「昔の日本人はみんな我慢したものだ」
 と言い張る人たちが大量に現れて、議論を紛糾させることになっている。

 この人たちの言い分には、一面の真理が含まれている。
 かつて、私たちの国には、町中に子供が溢れかえっていた時代があり、その、高度成長期と呼ばれていた当時の日本は、現代に比べて、住宅の壁が薄く、プライバシー感覚が希薄だった時代で、それゆえ、その当時のわが国の社会では、多少の生活騒音や、まして子供の歓声などは、ほとんど問題にされなかったということだ。

 昭和の騒音問題は、よりハードでストレートだった。

 具体的には、スクラップ工場のプレス機が生み出す不規則な破壊音や、鉄工所のグラインダーから発せられる高周波を含む金属性ノイズの物理的な音圧が話題の中心だったわけで、犬が鳴くとか鳥がさえずるとか子供が歌うといったタイプの音を気にする人間は、むしろ「大丈夫ですか?」と、精神の健康を訝られたものなのである。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「保育園とオバカ大学を閉ざす国」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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