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麻生さんがなんとなく見逃されるワケ

2018年5月11日(金)

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 これまた驚くべき発言だ。

 形式論理上の話をするなら、どんな組織にだってあらゆることが起こり得る。この点は間違いない。真鍮の鼻輪を装着した官僚が全裸で勤務しているケースだって可能性としては皆無とはいえないだろう。

 が、だからといって、すべての不祥事を個人の資質の問題に還元して良いという理屈にはならない。

 というよりも、セクハラのような事案を個人の資質に帰して放置する組織があるのだとしたら、その組織には責任の回路が存在しないことになる。

 警察官による発砲事件が、どの警察署でも起こり得る問題であるからといって、警察官による発砲を個人の資質の問題として不問に付すことは許されない。

 というよりも、問題は、特定の事件が特定の組織内で起こり得るのかどうかではなくて、起こり得るかもしれないその事例について、責任ある立場の人間がどのような態度で臨むのかというところにある。

 つまり、発砲事件を起こした警察官が所属していた当該の警察の署長なり警察庁の長官なりが、

 「発砲事件はどこの警察署でもあり得る。そういった意味では私どもとしては組織としてどうのこうのという意識で思っているわけではない。個人の資質とか、そういったものによるところが大きかったのではないかなと思っています」

 みたいな寝言を言って無事で済むはずがないことを見ても分かる通り、これは、個人の資質とか組織の問題とかいった論点を持ち出すような話ではなくて、組織のメンバーがやらかした不祥事について誰が責任を取るべきであるのかという極めてシンプルな話題なのである。

 で、その話題について、大臣は

 「オレは責任を取らない」

 と明言した、と、私は、そういうふうに受け止めている。
 なるほど。

 ここまでのことを明言した以上、大臣は自分の発した言葉の責任を取らなければならないはずだ。
 だがしかし、ここまでのところを書いてきて、私は実のところ徒労感に似た感慨に襲われている。

 というのも、私がここで書いた理屈は、あまりにも当たり前で、あまりにも言い尽くされていて、どうにも凡庸で、それどころか、もしかすると退屈だったかもしれないと自覚しているからだ。

 麻生さんの度重なる暴言がなんとなく看過されている背景には、実は、このことがある。

 このこととはつまり、麻生さんの暴言を指摘する議論が「退屈」だということだ。

 もう少し詳しく説明すれば、政治向きの発言や議論を「退屈」と見なす態度こそが「クール」な現代人の証であるとするマナーが、世の中で一般化しているということだ。

 麻生さんが就任以来繰り返している不遜な発言は、あまりにも馬鹿げているがゆえに、一種の「背景」になってしまっている。

 麻生さんのような「キャラ」は、一定のタイミングで暴言を吐くのが当たり前な日常で、心理学で言うところの「図」と「地」で言えば、「地」になっているということだ。

 であるからして、多くの人々は、麻生さんの暴言に「馴れ」ている。
 また同時に、彼らは麻生さんの暴言を問題視する人々の言いざまに「飽き」てもいる。

コメント128件コメント/レビュー

いつも麻生さんの言動には呆れ返っている者です。
一連の発言を外国の方はどのように受け止めているのでしょうか?
副総理の発言ですから「日本人はセクハラに対して、この程度の認識しかないのか。」と思われ、日本人全体の品位を毀損しているのではないかと心配です。
麻生さんを崇拝する「マンガ脳」の馬鹿どもも、同氏と同じくらい低レベルで呆れてしまいます。
どうしてこんな連中が増殖しているのか不思議でなりません。今の日本はどうなっているのでしょうね。(そういえば「日本」を冠に配した大学でも不祥事が起きました。どうなっているのでしょう?)
国会での麻生さんを観ると、いつも腕を組み、足を組んでいます。
これは心理学用語で「ブロッキング」と言い、周りや相手に対する警戒心から心を閉ざすしぐさといわれています。恐らくご本人も自身の品位の無さを自覚しているので、国会の中ではある程度、自己統制が取れているのでしょう。でも、国会での質疑が終わると自己統制の反動や開放感から、あのような、稚拙でどうしようもない発言をしてしまうのではないかと思います。
いずれにしても、これ以上日本人の品格を傷つけることのないよう、麻生さんの早期政界引退を希望します。(2018/05/21 19:24)

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「麻生さんがなんとなく見逃されるワケ」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

いつも麻生さんの言動には呆れ返っている者です。
一連の発言を外国の方はどのように受け止めているのでしょうか?
副総理の発言ですから「日本人はセクハラに対して、この程度の認識しかないのか。」と思われ、日本人全体の品位を毀損しているのではないかと心配です。
麻生さんを崇拝する「マンガ脳」の馬鹿どもも、同氏と同じくらい低レベルで呆れてしまいます。
どうしてこんな連中が増殖しているのか不思議でなりません。今の日本はどうなっているのでしょうね。(そういえば「日本」を冠に配した大学でも不祥事が起きました。どうなっているのでしょう?)
国会での麻生さんを観ると、いつも腕を組み、足を組んでいます。
これは心理学用語で「ブロッキング」と言い、周りや相手に対する警戒心から心を閉ざすしぐさといわれています。恐らくご本人も自身の品位の無さを自覚しているので、国会の中ではある程度、自己統制が取れているのでしょう。でも、国会での質疑が終わると自己統制の反動や開放感から、あのような、稚拙でどうしようもない発言をしてしまうのではないかと思います。
いずれにしても、これ以上日本人の品格を傷つけることのないよう、麻生さんの早期政界引退を希望します。(2018/05/21 19:24)

たま~に、テレビで記者会見とか見掛けますが、あれってシナリオ決まってるんですか、突っ込まないという了解のもとに。記者って有能なんですよね、本当は。安部麻生以下の無責任ぶりはもう十分見ましたので早々に退場願う昨今ですが、いつまで我慢すればいいのやら...恥を知らない人にはどんな言葉も届かないですから。(2018/05/21 16:50)

麻生さんは漢字が読めなくて総理大臣を辞めたんだから、推して知るべし。批判に晒されて内閣を維持できなかった。。。それが、いつの間にか、番長のようになっていた。不思議だと思った。しかし、日韓スワップなどをちゃんと拒否するだろうから、まあ、いいと思います。そういうことだと思います。品行方正誠実な政治家には、政治の仕事はできないと思います。国民としては、外交の駒として使えばいいのだと思います。友愛などを語った元総理は日本を貶めたりしていますから、それに比較すれば、十分働いていると思いますよ。(2018/05/21 15:24)

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