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データは人生であり、墓碑銘である

2017年6月9日(金)

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 財務省が、学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却の交渉記録を記した文書や電子データを廃棄・消去した。同省は6月2日までに当時使用していた情報システムを更新したことを発表している。

 システムの更新自体は、まあ、よくある話だ。

 コンピューターシステムの端末、いや末端にぶら下がっている人間は、システムの更新にともなって発生するトラブルやら間違いやら手続きミスのおかげで、多かれ少なかれ痛い目に遭った経験を持っている。

 私自身、この30年ほどの間に、ハードディスクがまるごとおシャカになった事故を2度ほど経験しているし、OSのアップデートの手順をしくじって大切なデータを消してしてしまったことも2度や3度ではない。

 そういう悲しい事態に遭遇するたびに、わたくしども古手のオタクは、
 「データの一滴は血の一滴」
 という、先アップル時代から語り伝えられているデジタル技術格言を思い出しては、あらためて心に刻み込んでいる。

 まことに、データほど尊いものはない。
 データは、自分自身が生きてきた証でもあれば、私という人間の魂の反映でもある。
 その意味ではわが子と同じだ。

 過日、その「データの一滴は血の一滴」であることを骨身に刻み込んでいる30年来のパソコンユーザーである私にとって、到底受け入れがたいニュースが流れてきた。

 朝日新聞が伝えているところによれば、

《学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却の交渉記録を記した文書や電子データを財務省が廃棄・消去したとされる問題で、同省は(6月)2日までに当時使用していた情報システムを更新した。運営を委託していたNECが近くデータを物理的に消去する作業に入る。--略--》(ソースはこちら

 というのだ。
 なんということだ。
 こんなバカなニュースがあるだろうか。

 私の観察範囲の中では、今年一番のバカニュースと申し上げて差し支えないかと思う。

 二番は無い。二番目以降は問題外だ。
 今年のバカニュースはこれに尽きると、いまの段階から断言しておきたい。
 それほどバカなニュースだ。

 このニュースを知って以来、私は少々逆上している。
 アタマの中で、かなり乱暴な言葉で、財務省をののしっている。
 大変に腹を立てている。
 いくらなんでも、データというものをあまりにもバカにしたやりざまだと思うからだ。

 NECにもがっかりしている。
 NECと言えば、私が生まれてはじめて自腹で購入したPC-8001(初代は1979年発売)というマシンを作っていたメーカーだ。

 購入した当時、そのPC-8001の内部メモリは、実に、8kバイトだった。
 8G(ギガ)でも8M(メガ)でもない。ただの8k(キロ)である。現在使っているiMacの実に100万分の1の記憶容量だ。

 ついでに申しておけば、当時、外部記憶装置は持っていなかった。
 つまり、データは原則として、記録不能だったわけだ。

 ハードディスクは、一般市場向けにはまだ提供されていなかったし、CDもまだ開発中、フロッピーディスクは10万円以上する、高嶺の花だった。

 じゃ、どうするのかというと、音楽用のカセットテープを使うのである。

コメント96件コメント/レビュー

「このコメント欄に巣食うネトウヨは目障りですね。」こういうレッテル張りの輩が一番目障りだと思います。左右双方のコメントがエキサイトしているだけですよ。安部さんが人を見下す答弁だとのコメントがありましたが、彼は侮辱的な言葉は使っていないと思います。民進党は見下す言葉を投げかけます。その違いは大きいと思います。質問や答弁が幼稚であれば、皮肉や笑っちゃうのは、委員会でお互いにやっていることです。自分と違う意見を妄言だと切り捨てるような、隣の国のような議論はやめましょうよ。このコメント欄をそこまで品位を落としたくありません。(2017/06/16 12:20)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「データは人生であり、墓碑銘である」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「このコメント欄に巣食うネトウヨは目障りですね。」こういうレッテル張りの輩が一番目障りだと思います。左右双方のコメントがエキサイトしているだけですよ。安部さんが人を見下す答弁だとのコメントがありましたが、彼は侮辱的な言葉は使っていないと思います。民進党は見下す言葉を投げかけます。その違いは大きいと思います。質問や答弁が幼稚であれば、皮肉や笑っちゃうのは、委員会でお互いにやっていることです。自分と違う意見を妄言だと切り捨てるような、隣の国のような議論はやめましょうよ。このコメント欄をそこまで品位を落としたくありません。(2017/06/16 12:20)

すみません私はツイッターを巧く使えないのでこちらへ。

著者と同じ年ですが儒教の精神が横溢した小学校を出ました。当然、当時の校長先生は戦争経験者ですから教育勅語なんか使いません。むしろ内心の自由を尊重した小学校でした。

日本は律令国家となった時に儒教を受け入れましたが、現在の日本人に感覚で分かるのは江戸時代でしょう。徳川家康が学んだのは李氏朝鮮と同じ「朱子学」で、朱子学の本当のキモは実は「仁義礼智忠臣孝悌」ではなく「民本主義」です。徳川幕府は、おおむねそれをうまく実行した。勿論民本主義は民主主義ではなく、王や皇帝あっての統治方法ではありますが。

それを、水戸朱子学派や大日本帝国政府がうまくすり替えた。こういうのが「本当に酷い(社会に実害を与える)印象操作」なのです。知性ある小田嶋隆すら騙されてしまう!(2017/06/14 16:45)

日本一堅牢と思われる財務省の20億円のシステムが月次や年次バックアップをLTOなどの外部デバイスに保存していなかったてのも衝撃でした。
NEC自体はこんなデータ保存を提案しているんですけどね。http://jpn.nec.com/pcserver/option/backup/recommend.html

文書が紙でしか保存されてないと聞いて、grep が使えない後世の人々の怨嗟の声が未来から聞こえてくるようで、「森友の件はもう問わないから、嘘だと言ってくれ」と泣きながら、すがるような気持ちです。(2017/06/13 17:01)

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