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たぶん天国へ行ったチャンピオン

2016年6月10日(金)

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 モハメド・アリ氏が亡くなった。
 74歳だったのだそうだ。

 今回は、アリ氏(以下敬称略)について、思うところを書くつもりでいる。

 私が、最初にアリの存在を知ったのは、彼がまだカシアス・クレイと名乗っていた時代のことだ。
 私は、たぶん、小学校の4年生だった。
 いま、「たぶん」という副詞を使ったのは、かなり高い確率で、間違っている可能性があるからだ。
 もしかすると、小学3年生だったのか、あるいは5年生だったかもしれない。

 このあたりの記憶の曖昧さは、検索するなりウィキペディアを見に行くなりすれば解決するはずだ。が、見に行ったら見に行ったで、余計な情報に触れることで、厄介な事態に立ち至らないとも限らない。私は、その事態を恐れる。だから、少なくともいったん書き終えるまでは、検索はしないつもりだ。

 検索が執筆のさまたげになる事態について、端的な事例をご紹介する。

 私は、ついさきほど、「たぶん」という言葉の品詞(たぶん副詞だろうとは思っていたのだが、念の為に)を調べるべく「たぶん 品詞」をキーワードに、Google検索を実行した。

 と、「『たぶん』は、呼応の副詞で、『たぶん~だろう』という推量の意味で使われる」という情報を掲載しているページにたどりついた。

 ここまでは良い。
 問題は、私が、そのページの後半にある

《よくある間違いとして、副詞と文末との距離が長くなってしまった時に、文末に「~だろう」、「~ない」など呼応する表現を置き忘れてしまうことがあります。
 読み手としては、呼応する表現が書かれていないだけでも違和感を抱いてしまうもの。つまらないところで文章への信頼を損なわないよう、注意しましょう。》

 という説教の部分を読んでしまったことだ。
 直前の自分のテキストの中で、私は、
《私は、たぶん、小学校の4年生だった。》
 と書いている。

「するってえと、これは、「間違い」ということになるのだろうか?」
「オレはつまり信頼を損なう文章を書いているわけなのか?」
 ……私は、あれこれと考えはじめる。

 ハードディスクに保管してある自分の原稿をあらためてチェックしてみると、私は、「たぶん」「おそらく」という言葉をわりと頻繁に使っている。しかも、ざっと見て半数以上のケースで、呼応する語尾を置いていない。

「たぶん、2月の発売になる」
「これはたぶん非常事態だ」
「そんな支持を真に受けたのがたぶんあなたの失敗だった」
「たぶん、私がおっさんだからだ」
「たぶん8番手ぐらい」
「今度落ちたら、たぶん、死ぬ」
「たぶんアルゼンチンだ」

 これらは、間違った日本語なのだろうか?
 ということはつまり、オダジマは、ライター失格なのか?
 結論は、本稿の主題とは無関係なので、保留しておく。

コメント45

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「たぶん天国へ行ったチャンピオン」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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