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ミサイルは飛んでくる、か

2017年8月4日(金)

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 北朝鮮によるミサイル発射という事態に、どうやら私たちは慣れてしまったようだ。
 少なくとも私は、かなり頑強な耐性を獲得している。

 ニュースを見ても、驚かない。
 毎度毎度、定期便が上空を通過するのを見上げているみたいな気持ちで、ニュースの画面を眺めている。

 この数年で地震にビビらなくなった事情と似ていなくもない。
 震度3までは、毛ほども動揺しない。
 震度4でもまだまだ落ち着いている。
 おそらく、そう遠くない将来、最終的な地震が襲ってくるのだとしても、私は、その時までそんなにあわてないのではないかと思う。

 あたりまえの話だが、慣れるということと、危機が去るということは、同義ではない。
 危機感が鈍麻しているのだとしたら、むしろ危機は深まっていると考えなければならない。

 北朝鮮によるミサイル攻撃のリスクに関して言うなら、われわれが慣れれば慣れるほど、危険度は増している。
 危険度が増している理由のひとつは、彼らが打ち上げている飛翔体が、単なる注意喚起のための花火ではなくて、確実なエスカレーションを含んだ実験だということの中にある。
 とりわけ、飛距離が伸びている点が深刻だ。

 なんでも、今回のブツは、アメリカ本土に到達する性能を有している可能性があるのだそうだが、ということになると、彼らのプレゼンテーションは、これまでとはひとつ次元の違う危険性を物語っているわけで、これは考えれば考えるほど、しみじみとヤバい。

 個人的には、北朝鮮がいきなりわが国にミサイルを打ち込んでくるとは思っていない。
 とはいえ、永遠にこの膠着状態が続くとも思えない。
 当面、私が懸念しているのは、アメリカが過剰反応することだ。
 トランプ大統領の昨今の言動を見るに、あながち杞憂とも思えない。

 というのも、普通ならやりそうもないことをやらかすのが彼の持ち前であり、トランプさんの政治的な生命線は、何をやり出すのかを、政敵や専門家が読めないところにあるはずのものだからだ。

 となると、過剰反応が過剰反応を呼んで、展開次第では、戦争が起こらないとも限らない。
 そういうことが起こった場合、火の海になるのは、アメリカではなくて、北朝鮮ならびにその周辺国で、具体的には韓国と、もしかしたら日本ということになる。  これは、あまり考えたくないシナリオだが、だからこそ考えておかねばならない。

 米共和党の重鎮、リンゼー・グラム上院議員がNBCテレビのニュースショーに出演して語ったところによれば、トランプ大統領は、グラム氏に

「北朝鮮がICBMによる米国攻撃を目指し続けるのであれば、北朝鮮と戦争になる」

 と語ったのだそうだ(こちら)。

 なかなかおそろしい発言だ。
 が、本命のおそろしいコメントは、その後だ。

 グラム氏によれば、大統領は、続けて

「北朝鮮(の核・ミサイル開発)を阻止するために戦争が起きるとすれば、現地(朝鮮半島)で起きる。何千人死んだとしても向こうで死ぬわけで、こちら(アメリカ)で死者は出ない」

 と言っていたらしい。
 なるほど。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「ミサイルは飛んでくる、か」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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