• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

ミサイルは飛んでくる、か

2017年8月4日(金)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 北朝鮮によるミサイル発射という事態に、どうやら私たちは慣れてしまったようだ。
 少なくとも私は、かなり頑強な耐性を獲得している。

 ニュースを見ても、驚かない。
 毎度毎度、定期便が上空を通過するのを見上げているみたいな気持ちで、ニュースの画面を眺めている。

 この数年で地震にビビらなくなった事情と似ていなくもない。
 震度3までは、毛ほども動揺しない。
 震度4でもまだまだ落ち着いている。
 おそらく、そう遠くない将来、最終的な地震が襲ってくるのだとしても、私は、その時までそんなにあわてないのではないかと思う。

 あたりまえの話だが、慣れるということと、危機が去るということは、同義ではない。
 危機感が鈍麻しているのだとしたら、むしろ危機は深まっていると考えなければならない。

 北朝鮮によるミサイル攻撃のリスクに関して言うなら、われわれが慣れれば慣れるほど、危険度は増している。
 危険度が増している理由のひとつは、彼らが打ち上げている飛翔体が、単なる注意喚起のための花火ではなくて、確実なエスカレーションを含んだ実験だということの中にある。
 とりわけ、飛距離が伸びている点が深刻だ。

 なんでも、今回のブツは、アメリカ本土に到達する性能を有している可能性があるのだそうだが、ということになると、彼らのプレゼンテーションは、これまでとはひとつ次元の違う危険性を物語っているわけで、これは考えれば考えるほど、しみじみとヤバい。

 個人的には、北朝鮮がいきなりわが国にミサイルを打ち込んでくるとは思っていない。
 とはいえ、永遠にこの膠着状態が続くとも思えない。
 当面、私が懸念しているのは、アメリカが過剰反応することだ。
 トランプ大統領の昨今の言動を見るに、あながち杞憂とも思えない。

 というのも、普通ならやりそうもないことをやらかすのが彼の持ち前であり、トランプさんの政治的な生命線は、何をやり出すのかを、政敵や専門家が読めないところにあるはずのものだからだ。

 となると、過剰反応が過剰反応を呼んで、展開次第では、戦争が起こらないとも限らない。
 そういうことが起こった場合、火の海になるのは、アメリカではなくて、北朝鮮ならびにその周辺国で、具体的には韓国と、もしかしたら日本ということになる。  これは、あまり考えたくないシナリオだが、だからこそ考えておかねばならない。

 米共和党の重鎮、リンゼー・グラム上院議員がNBCテレビのニュースショーに出演して語ったところによれば、トランプ大統領は、グラム氏に

「北朝鮮がICBMによる米国攻撃を目指し続けるのであれば、北朝鮮と戦争になる」

 と語ったのだそうだ(こちら)。

 なかなかおそろしい発言だ。
 が、本命のおそろしいコメントは、その後だ。

 グラム氏によれば、大統領は、続けて

「北朝鮮(の核・ミサイル開発)を阻止するために戦争が起きるとすれば、現地(朝鮮半島)で起きる。何千人死んだとしても向こうで死ぬわけで、こちら(アメリカ)で死者は出ない」

 と言っていたらしい。
 なるほど。

コメント82件コメント/レビュー

ミサイルは飛んできた、よ?(2017/08/30 14:58)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

一覧

「ミサイルは飛んでくる、か」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

ミサイルは飛んできた、よ?(2017/08/30 14:58)

「だいたい、そんなにアメリカの狂った政治家に自国の命運をたくしたくない」

狂っているのは、日本国民ですよ。日本に届くミサイルはとっくの昔に完成している。
それなのに、のんきなことを言っている。
このままでは、日本は3発目の核攻撃を受けることになるでしょう。

おかしなのはオバマです。米軍の幹部は北朝鮮の危険性について、オバマ時代から指摘していたが、オバマは無視。
トランプは政治素人ながら、米軍と相談してやっています。オバマよりマシですよ。
狂った大統領が戦争を始めるのではなく、米軍が計画を立て、トランプは果敢にそれを承認する大統領だということです。(2017/08/15 22:28)

>無茶なリーダーや、愚かな指導者が国を動かしているのだとしても、単独では戦争は起こらない。
太平洋戦争はやはり日本が単独で悪いのではなく、中国やアメリカもやはり愚かだった、ということですかね?やっぱり両者悪者ですよ。まったく賛同。

>短期的に見れば、身勝手な軍事的挑発を繰り返す国は、周辺国から譲歩を引き出すことができる。
我が国は拉致被害者の奪還をほぼ断念してます。譲歩=人権蹂躙もあり得るわけで、引き出させたらダメですよ。わかんないですかね?チベットとかウイグルを想像すればわかりやすいかも。

>当面の平和を維持しつつ、軍事独裁国家の沈静化あるいは緩やかな自滅を待つシナリオを推奨する人々もいれば、・・・
普通軍事的挑発をさせないようバランスを保てる軍事力を保有することを最優先に模索するでしょ。日本はそれを放棄して、アメリカに委任しているだけですよ。こんな国が周辺国にいるからアメリカが出てくる事態になっているのであって、最大の問題点は日本と韓国が解決できないまま北朝鮮問題を放置した、ということに尽きますよ。今だったら日本も核武装を考えなくてはいけませんよ。こうなる前に解決を図れなかったのは痛恨ですよ。

>ただ、われわれは、当事者だ。私たちは、花火の見物席に座っている人間たちではない。
われわれは当事者ではないですよ。当事者はアメリカと北朝鮮と中国。場合によってはロシアまで。日本と韓国は場所が近いだけの傍観者。傍観者は祈るしかない。憲法9条が国民を守るというのなら、いまですよ、守ってもらいたいです。

だいたい、そんなにアメリカの狂った政治家に自国の命運をたくしたくないなら、自国で解決する努力をしたらいいじゃないですか?(2017/08/10 23:26)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授