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「ちょっといい話」としてのイジメ

2015年8月7日(金)

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 いじめの話題は扱いにくい。

 このことは、原稿を書いて読み返す度に、いつも思い知らされる。理由は「いじめ」という単語にやっかいな多義性が宿っているからだと思う。

 いじめは、辞書的な意味では、「自分より弱い立場にある者を、肉体的・精神的に苦しめること」(大辞林)ぐらいになる。私たちが「いじめ」という言葉に抱くイメージは、もう少し複雑だ。というよりも、いじめ被害者(またはその経験者)と、いじめ加害者(および傍観者)では、同じ言葉を通して思い浮かべる景色がかなり違っている。

 だから、この言葉を痛みを伴った感情とともに思い浮かべる人々と、そうでない人々の間では、話が噛み合わない。

 実例を見てみよう。紹介するのは、自民党選出の参議院議員、中川雅治氏の公式ホームページに掲載されていた文章だ。

 「掲載されていた」と、過去形を使ったのは、当該のホームページが既に消滅しているからだ。

 ホームページの中の「教育鼎談」と題されたコンテンツがネット上で話題になって、批判が集中した結果、議員はホームページを削除した。そういう経緯だ。

 以下に引用するのは、私が個人的に自分のEvernoteにクリップした(←「これは消すだろうな」と思ったので保存しておきました)部分からコピペしたものだ。

 全文を読みたい人は、「中川雅治 教育鼎談 魚拓」ぐらいのキーワードで検索をかけると、ウェブ上のキャッシュ保存サービスのURLにたどり着くかもしれない。もごもご。

 「教育鼎談」は、当該ホームページの管理者である中川雅治参議院議員(東京都選挙区選出)と、義家弘介衆議院議員(神奈川16区で落選、比例区選出)ならびに橋本聖子参議院議員(比例区選出)の3人が、「いじめ問題」を中心に、それぞれその思うところを語ったコーナーだ。

 ちなみに義家弘介氏は、第一次安倍内閣で内閣官房教育再生会議担当室長をつとめたほか、第二次安倍内閣では文部科学大臣政務官を歴任し、いじめや非行問題に取り組む政治家として名高い。橋本聖子氏も文教科学委員会に所属し、財団法人日本スケート連盟会長および財団法人日本自転車競技連盟会長を兼任している。いずれも教育には一家言を持っていると見なされている政治家である。

 まず、中川議員が

■中川  私の中学時代は男子校でしたが、クラスの悪ガキを中心に皆いつもふざけていて、ちょっと小さくて可愛い同級生を全部脱がして、着ていた服を教室の窓から投げるようなことをよくやっていました。脱がされた子は素っ裸で走って服を取りに行くんです。当時、テレビでベンケーシーという外科医のドラマがはやっていました。ベンケーシーごっこと称して、同級生を脱がして、皆でお腹やおちんちんに赤いマジックで落書きしたりしました。やられた方は怒っていましたが、回りはこれをいじめだと思っていませんでしたね。今なら完全ないじめになり、ノイローゼになったりするケースもあるのかなあと思います。いじめられている方も弱くなっているという側面はありませんか。

 と、自分の体験談を語り出す。

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「「ちょっといい話」としてのイジメ」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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