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野球は冒涜されたのか

2015年10月23日(金)

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 読売巨人軍所属の複数の野球選手が野球賭博に関与していたことが発覚した。

 全容はまだ明らかになっていない。というよりも、現在明らかになっているのが「全容」のうちのどの部分で、把握できていない残余がどれほどの規模であるのかについて、われわれは何も知らない。

 現時点で報道されている内容をまとめると、賭博行為を行っていたのは、巨人軍の福田聡志選手、笠原将生選手、松本竜也選手の3人で、いずれも投手だ。ほかの球団の選手がかかわっているかどうか、また、巨人軍のほかの選手の中に野球賭博をおこなっていた者がいるのかどうかはわかっていない。

 野球賭博への関与が報道された3人は、いずれも「野球賭博常習者」とされる「知人男性」を介して、高校野球およびプロ野球の複数の試合に現金を賭けていたと言われている。福田、笠原両選手については、バカラやマージャンを通じた「野球賭博常習者」との深い付き合いも明らかになっている。

 現段階で、「野球賭博常習者」という書き方で言及されている「知人男性」が、「反社会的勢力」(←指定暴力団を意味すると思われる)にかかわりのある人間であるのかどうかは明らかになってはいない。が、組織的な野球賭博やバカラの賭場とつながりがある以上、まったく無関係だということは考えにくい。おそらく、この先、暴力団との関係が解明されることになるのだろう。

 野球賭博は、もちろんいけないことだ。この点に関して異論は無い。
 ただ、野球賭博の何がいけなくて、どこがどう問題であるのかについては、論者によってかなり話が違っている。

 この原稿では、野球賭博が、なぜいま大問題として報じられているのかについて考えることを通じて、賭博をめぐる議論の現在位置に光を当ててみたいと思っている。

 私自身、賭博をめぐる警察の態度と報道機関の報道姿勢には、かねてから疑問を抱いている。こういう機会を通じて、賭博の問題について自分なりに整理しておくのは無駄ではないはずだ。

 本論に入る前にお断りしておくが、これから書くテキストは、私の個人的な感想以上のものではない。私は、賭博をめぐるあれこれについて結論を提示するつもりはないし、球界に向けて提言をぶつける気持ちも持っていない。

 確実に言えるのは、こと賭博に関しては、人々の「本音」と「建前」が、みごとなばかりに乖離しているということだ。

 それゆえ、この問題には、事実上、内実のある議論が展開されていない。
 一方には、賭博は何が何でもいけないという建前を振りかざして演説をぶつ人々がいて、もう一方には面倒くさがって口ごもる人々がいる。で、結局、意味のある議論はあまり生まれない。

 一番最初に言われがちなお話は「子どもたちの夢を壊す」という論点だ。
 これは、あまり真面目に取り合わなくても良い。
 先に結論を述べれば、野球賭博と「子どもたちの夢」は、徹頭徹尾、無関係だ。

 というよりも「子どもたちの夢」というこの言葉自体が、PTA由来の枕詞に過ぎないと考えた方が話が早い。

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「野球は冒涜されたのか」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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