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レコ大の“どうでもいい”話

2016年11月4日(金)

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 先週(10月27日)発売の「週刊文春」(11月3日号)に、昨年のレコード大賞に関する疑惑を告発する記事が掲載された。

 昨年のレコード大賞は、「三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE」(以下「三代目」と略称)の「Unfair World」が受賞したのだが、その選考の裏で、現金が動いていたというのだ。

 記事では、レコード大賞を受賞した三代目の所属する芸能事務所である「LDH」に対して、一部で「芸能界のドン」と呼び習わされている大手芸能事務所「バーニングプロダクション」(社長・周防郁雄氏)が、「年末のプロモーション業務委託費」の名目で1億円を請求していた事実を挙げており、その証拠として、株式会社LDH様宛ての額面 ¥108,000,000 の請求書の写真が添えられている。

 記事と写真を見て、私は、
「これは大変だ」
 と思った。

 音楽業界の腐敗を知ったからではない。
 そんなことは、いかな世情に疎いオダジマとて、先刻承知だ。

 ただ、レコード大賞の選考をめぐる疑惑について、領収書という証拠を伴った形で告発記事が書かれたことははじめてで、とすると、このニュースは巨大な反響を呼び起こすに違いないと考えたのだ。

「これは、大変な騒ぎになるぞ」

 と、であるから、私は、引き続きやって来るであろう巨大な後追い報道のメディア・スクラムにワクワクしつつ身構えていた。

 ところが、今年のはじめから立て続けにメディアを騒がせ続けてきた「文春砲」が、今回はどうやら不発だ。
 まるで続報が聞こえてこないのだ。

 これまでの流れからすると、文春砲の芸能スクープは、掲載初日のスポーツ新聞の一面を占領し、その日のワイドショーの番組テーブルを席巻するはずだった。

 で、翌日以降の情報ワイド番組のQシートも後追い報道で埋め尽くされるのが、これまでの定番の展開だった。
 ところが、今回に限っては、主要な商業メディアが、どこも後追い取材をした形跡が無い。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「レコ大の“どうでもいい”話」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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