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トランプは横田に舞い降りた

2017年11月10日(金)

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 はじめて日本を訪問したアメリカの大統領は、1974年に来日した第38代大統領のジェラルド・フォード氏だったのだそうだ。

 この時のことは、よくおぼえている。

 当時高校3年生だった私は、従兄の運転するクルマの助手席で、大統領の来日が引き起こした交通規制に巻き込まれていた。記憶では、時間にして30分から1時間ほど、首都高速道路の路上で、完全な停車を余儀なくされた。その時、おそらくクルマのラジオかなにかで、自分が巻き込まれている交通渋滞が、大統領の羽田空港から都心への移動に伴う首都高環状線の封鎖に起因するものであることを知って、ひどく腹を立てたのを覚えている。

 どうしてあんなにムカついたのかは、いまとなってはよくわからない。
 とにかく1970年代の高校生は、アメリカのような国とそのリーダーには、天然の敵意を抱いているものだったのだ。

 今回、トランプ大統領の来日の様子を傍観しながら、私は、あの時のフォード渋滞で味わった気分を思い出した。

 もちろん、高校生だった時のように腹を立てたわけではない。
 むしろ私は、ニュースの画面を見ることを避けていた。
 なので、事態は録画で確認した。

 ふだんから、大好きなサッカーやボクシングの試合は、なるべくライブで観戦することを心がけている。録画だと、臨場感が半減するからだ。

 一方、ドラマやバラエティーは、むしろ録画した上でないと見る気持ちになれない。理由は、頻繁に挿入されるCMと、不要な場面を早送りしたいからだ。

 ここしばらく、ニュースも録画で見るようになっている。
 で、不快な事件は「30秒送り」のボタンを適宜連打しつつ、なるべく目に入らないようにしている。

 人生の残り時間に限りのある人間は、精神に負担をかける映像から身を守らなければならない。
 私の場合は、その、不要な負担を避ける具体的な手立てが録画視聴で、トランプさんは、最近、視聴スキップ対象に指定されつつあるわけだ。

 今回は、トランプ大統領来日についての雑感を書いておくことにする。

 この種の、感想を記録しただけのテキストは、うまくすると、何年か後に、貴重な記録に化けていたりする。
 というのも、われわれは、時系列に沿って起こる事件の経過は記憶しても、その時々に抱いていた感情については忘れてしまうものだからだ。

 トランプ大統領は、来日に先立ってハワイに立ち寄り、真珠湾を訪れている。

 三軍の長を兼ねる大統領としては、折に触れて軍人の働きぶりに目を配るのも仕事のうちなのだろうし、アジア歴訪を前に太平洋軍の司令部を訪れることは、当然でもある。

 その日の夜、真珠湾でのセレモニーやら行事を終えた後、トランプ大統領は、こんなツイートを残している。

Thank you to our GREAT Military/Veterans and @PacificCommand.
Remember #PearlHarbor. Remember the @USSArizona!
A day I’ll never forget.
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/926707692395102219

われらの偉大なる軍人と退役軍人に感謝する。
リメンバー・パールハーバー、リメンバー・戦艦アリゾナ
今日は私にとって忘れられない一日になるだろう!
https://twitter.com/realDonaldTrump/status/926707692395102219

 タイムラインにこのツイートが流れてきた時、私は、比喩ではなく、自分の目を疑った。

 自分がいま見ているこのツイートは、成りすましによるアカウント乗っ取りだとかいった不測の事態の結果なのではあるまいかと、あれこれ考えこまねばならなかった。

 何かの間違いでないのだとすると、トランプ大統領は、日本を訪問する前日に、あえて、この挑発的なフレーズをぶつけてきたことになる。

コメント118件コメント/レビュー

「一番危険なのは北朝鮮ではなく米国だと思うんだけど、米国を頼ることの重要性を説く人が多いのに驚く。」

世界一の軍事大国に盾ついて、いいことはないですよ。しかも、専守防衛の日本がね。
9条をまず改正しないとね。

「国内に米軍基地があるのは我が国だけじゃないんだが。
旧宗主国の英国にすら米軍基地がある。
ドイツにもね」

まず片務的な日米安保がある限り、日本独自の防衛はできないでしょう。9条を改正し、自衛隊を国防軍に編成した上で、片務的でない「日米軍事同盟」を結んでから、属国ではないと言ったらどうですか?

日本の民間旅客機が東京の上空を飛べない。東京の空は、横田の米軍が支配しているのですよ。
首都上空を他国の軍に支配されて、属国じゃないと言われてもね。(2017/11/16 10:37)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「トランプは横田に舞い降りた」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

「一番危険なのは北朝鮮ではなく米国だと思うんだけど、米国を頼ることの重要性を説く人が多いのに驚く。」

世界一の軍事大国に盾ついて、いいことはないですよ。しかも、専守防衛の日本がね。
9条をまず改正しないとね。

「国内に米軍基地があるのは我が国だけじゃないんだが。
旧宗主国の英国にすら米軍基地がある。
ドイツにもね」

まず片務的な日米安保がある限り、日本独自の防衛はできないでしょう。9条を改正し、自衛隊を国防軍に編成した上で、片務的でない「日米軍事同盟」を結んでから、属国ではないと言ったらどうですか?

日本の民間旅客機が東京の上空を飛べない。東京の空は、横田の米軍が支配しているのですよ。
首都上空を他国の軍に支配されて、属国じゃないと言われてもね。(2017/11/16 10:37)

確かに横田におりたことに関しては違和感がありましたね。(2017/11/15 10:57)

ここで書かれたような米国人は実際にいるでしょう。トランプが根っからそうなのか、テレビ(大衆)向けにそうなのかは分りませんが、いずれにしても、それを理解した上で、安倍首相は国益のためにトランプさんをうまく利用して頂ければと思います。こう書くと見も蓋もない不毛な人間関係で悲しくもなりますが、国のトップはすべからくそういう心構えでいないと大衆を幸福には導けないのでしょうから。根っからかテレビ向けなのかは、安倍さんとトランプさんお二人の間だけに知覚できる秘密として、歴史の中に埋もれていくのでしょう。10年後の爽やかな陽光の下、年老いたトランプさんと安倍さんが楽しくラウンドしている未来があるといいなぁ。(2017/11/14 14:58)

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