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「超法規的な正義の暴力」について

2015年11月27日(金)

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 新潟県の地方紙「新潟日報」上越支社の報道部長が、ツイッターに「闇のキャンディーズ」という名前で、新潟水俣病3次訴訟の原告側弁護団長の弁護士を中傷する書き込みをしていた事件が話題になっている。

 はじめのうちは、よくあるネット上の炎上騒ぎの延長に見えた。それが、全国紙の記事になり、NHKをはじめとする地上波のテレビ局がニュース枠で伝える事態となって、現在では全国レベルのニュースに化けている。

 「新潟日報」が自ら報じた続報によれば、新潟日報社は、同社の報道部長(53)がツイッター上で新潟市の弁護士を中傷する書き込みをしたとして、10月25日付けで同社上越支社報道部長の職を解き、経営管理本部付けとする人事を決めた。さらに過去の書き込みなどについても調べた上、一両日中にも社としての対応を決定し、公表する意向だという(こちら)。

 事件の外形だけを見ると、これは、ある新聞社の社員が引き起こした暴言事件に過ぎない。それが、意外な大事件になっている。今回は、ネット上での罵倒合戦の行き着いた結末を通して、ネット言論の現在位置を概観してみたい。

 「闇のキャンディーズ」氏がツイッターに書き込んだ罵倒は、いったいどんなものだったのだろうか。
 全国紙の記事が紹介しているのは、どこのソースを見ても

「こんな弁護士が3次訴訟の主力ってほんとかよ。患者さんがかわいそう」
「はよ、弁護士の仕事やめろ」

 といった程度の言葉にとどまっている。
 これらを見る限りでは、

「たしかに言い過ぎなんだろうけど、この程度の暴言で職を解かれるものなのか?」

 と思う人が多数派だと思う。事実、私は当初、そう思った。

「これって、要するに自己保身のためにトカゲの尻尾切りをはかった地方新聞の過剰反応なんじゃないのか?」

 と。

 ところが、タウン誌やウェブ媒体の記事を見に行ってみると、より粗暴な言葉が採録されている。

「クソ馬鹿ハゲ野郎」
「こいつを自殺させるのが当面の希望」

 これはひどい。
 これを新聞社の報道部長が書いていたと思うと、さすがにびっくりぽんだ。

コメント41件コメント/レビュー

小田嶋さんが以前からおっしゃっている「テロと戦うためにテロリストと同じ思考方法を選んではいけない」という意見に感銘を受けたものです。ヘイトスピーチ、すごく嫌ですが、ヘイトスピーチをするひと達も同じ人間だということを忘れないように心がけています。(2015/12/08 11:09)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「「超法規的な正義の暴力」について」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

小田嶋さんが以前からおっしゃっている「テロと戦うためにテロリストと同じ思考方法を選んではいけない」という意見に感銘を受けたものです。ヘイトスピーチ、すごく嫌ですが、ヘイトスピーチをするひと達も同じ人間だということを忘れないように心がけています。(2015/12/08 11:09)

そもそもこの事件(?)「正義」と絡めて論じることに無理があるのでは?  酩酊状態にあったこの御仁にとって その時点では「(彼にとっての)正義」だったのですよ(嘘を言っていないという意味で)。何を正義とするかは全く個人的なことで 世の中の戦いは 全て「正義」と「正義」の戦いであると考えれば このこと関して正義の面から議論すること自体が無意味。ってことで埋まらないコラムでした。(2015/12/01 12:41)

>ツイッターやヤフーのサーバーとかに侵入して登録者情報を盗み出し、どこの誰がこれまでどんなメッセージを書き込んだのかをWebのどこかに公開するようなことが起きたら面白いかも ←これ当に既に起こった「ぱよぱよち~ん事件」なんですが。はすみとしこ氏のFacebookに「イイネ!」ボタンを押した人を、あろうことかネットセキュリティ会社の重役が特定し個人情報(実名、住所、勤務先等)をWebに公開したという。言わば警備保障会社が会社ぐるみで窃盗を行ったに等しい事件なのですが、マスコミが一切取り上げなかったことに逆に恐怖を覚えます。(2015/11/30 09:50)

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