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インチキメディアの時代到来

2016年12月2日(金)

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 医療情報サイト「WELQ」の記事が11月29日以来、非公開になっている。

 WELQを運営しているディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役兼CEO:守安功)の説明によれば、掲載記事の信憑性について医療関係者から疑義が寄せられていることを受けての措置だという(日経電子版のニュースはこちら)。さらに本日(12月1日)、社長名で「9つのキュレーションメディアの非公開化と社長の減俸処分」を発表した(こちら)。

 まあ、当然ではある。
 というよりも、数日前からの経緯を踏まえて考えるなら、配信停止の判断は遅すぎたと言って良い。

 私がこのたびのWELQについてのニュースを知ったのは、例によってツイッターのタイムラインでの騒ぎを通してだったわけなのだが、考えてみればこのこと(私がツイッター経由でこのニュースに触れたこと)自体、WELQが引き起こしている状況と無縁ではないのかもしれない。どういうことなのかというと、世間で起こっている出来事の概要を、主にツイッター上の噂話から知り得ている昨今の私の暮らしぶりの危うさは、WELQに代表されるお手軽なキュレーションメディアをうっかり信じ込んでいる人々のおめでたさと同質だということだ。

 私たちは、ネットから流れて来る情報に対してあまりにも無防備だ。
 自分で選び取った気になっている情報は、実は「つかまされた」情報だったりするのかもしれない。でなくても、われわれは、つまるところ、誰かに誘導されている可能性が高い。

 ということで、今回は、さんざん言われ尽くしていながらほとんどまったく身についていない、わたくしどもの「メディアリテラシー」について考えてみることにしたい。

 まず、WELQの記事が炎上したいきさつを振り返っておく。
 当初、ツイッターに流れてきたのは、WELQのサイト内で紹介されていた記事への論評と、それに対する反応だった。

 現在、当該の記事は非公開の扱いになっている。ちょっと前まではアーカイブサイトで読めたのだがそちらも削除された模様だ。

 読んでみると、記事の書き手は、驚くべきことに、肩こりの原因のひとつとして「幽霊」を召喚している。

《ちなみに「肩が重い」と訴える方を霊視すると、幽霊が後ろから覆いかぶさって腕を前に垂らしている、つまり幽霊をおんぶしているように見えるそうですよ。肩の痛みや肩こりなどは、例えば動物霊などがエネルギーを搾取するために憑いた場合など、霊的なトラブルを抱えた方に起こりやすいようです。

 また右肩に憑くのは守護霊、という話もよく知られているかと思います。守護霊は人などに憑き、その対象を保護する霊のことで、多くの方の守護霊はご先祖様だと言われています。》

 なんと、右肩に憑くのは守護霊なのだそうだ。なるほど。
 解説はさらに続く。

《なお守護霊は実は1人ではなく、縁のある複数のご先祖様が憑くそうで、そうすると右肩にたくさんの守護霊が乗っている、ということになるので、肩の痛みやこりを感じるのは無理のないことなのかもしれません。》

 で、このお話は

《もちろんこれは科学的に実証された話ではないので、信じるか信じないかは人それぞれです。》

 という、なんとも人を食った物言いで一段落するわけなのだが、いったいこれは何を意図した記事なのであろうか。

コメント77件コメント/レビュー

肩こりは心霊現象・・・等というあまりにバカげた例を持ち出すと話が矮小化されますね

医療キュレーションにおける一番ヤバい点は、「効く人には効くが、効かない人には全く効かない」といった体質依存性の療法記事が、あたかも万人に効くように書かれている点と感じます。

※効果には個人差が有ります
↑この一言で免責されて良いとは思えませんね。

もっとも、極少数とは言え実際にそれで症状が緩和された人がいたのなら、ウソ記事と断罪することはできず、それゆえ大手メディアもわかりやすい心霊ネタを取り上げるしかなかったのでしょう。
おそらくは、小田嶋先生や日経BP編集部の方々も。(2016/12/14 08:43)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「インチキメディアの時代到来」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

肩こりは心霊現象・・・等というあまりにバカげた例を持ち出すと話が矮小化されますね

医療キュレーションにおける一番ヤバい点は、「効く人には効くが、効かない人には全く効かない」といった体質依存性の療法記事が、あたかも万人に効くように書かれている点と感じます。

※効果には個人差が有ります
↑この一言で免責されて良いとは思えませんね。

もっとも、極少数とは言え実際にそれで症状が緩和された人がいたのなら、ウソ記事と断罪することはできず、それゆえ大手メディアもわかりやすい心霊ネタを取り上げるしかなかったのでしょう。
おそらくは、小田嶋先生や日経BP編集部の方々も。(2016/12/14 08:43)

何とも軽い世情に背筋が寒くなる。つい先日,とある事情で医療情報をサイトで検索して知人に紹介した。不正確医療情報の拡散で私も共犯なのだろうか。「信じた私がバカでした。」で済まない話で,メディアリテラシーの重要性を改めて感じた。日頃ITを使いこなしていると自認するから,無批判に信じてしまったかもしれない。してみると,「オレオレ詐欺」と似たようなメンタリティーが働いている気もしてくる。時代の「軽さ」かもしれない。なんでもそんなに簡単に軽く扱っていいはずはない。ましてや医療は命を扱うのだから。とりあえず「騙された」と泣かなければならない状況にない幸運を神に感謝したい。(神も幽霊に親戚のようで危ういか?)(2016/12/12 15:16)

キュレーションメディアは1本数百円(だいたい600~700円位でした)でネットの切り貼り記事を作っているだけだというのを知ったのは、1年ほど前に自分がその仕事?をしてからでした。
数百円で2千字の記事を作れ、というのですから、当然レベルは低くなりますよね。
私はクオリティを低くしたくないと頑張れば、1時間で1本の記事でも難しく、結局3ヶ月ほどでその仕事は辞めました。
こんなクソ仕事で本職のライターが減ったらたまらないなと思いましたよ。

ちなみに以前仕事でクオリティの高い記事をライターさんにお願いしていましたが、一般的なキュレーションメディア程度の長さで法人で1本2~3万、直接依頼で1~1.5万でした。
安いバイトで消耗するのは、結局誰の利益にもならないですね。

尚、私は某スポッ○ライトなんかも酷いと思うんですが、一部記事を非公開、で足りるのでしょうか?
法に触れないというだけで、デタラメな分析や根拠のない独断や偏見に満ちた記事が多いので気になっています。
無断でツイパクされたという漫画家さんも多いみたいなんですけど。(2016/12/10 22:32)

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三品 和広 神戸大学教授