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トランプ大統領は犬の夢を見るか?

2017年12月8日(金)

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 マイケル・フリン前大統領補佐官が、自身のFBIへの偽証を認めたのだそうだ。
 あわせて、氏は、司法取引に応じて当局の捜査に協力する意向を示しているという(こちら)。

 この種のニュースは、専門家の解説を仰がないと意味がわからない。
 もう少し詳しく述べると、私のような国内限定仕様の人間は、海外発のニュースを、背景にある政治状況や国際関係や歴史的経緯にあてはめて、全体的な文脈として把握する能力を持っていないということだ。

 これは、サッカー初心者が中盤でのパス交換の意味を理解せず、野球のルールを知らない観戦者が牽制球の無意味さに苛立つのとよく似たなりゆきで、要は、文脈としてのゲームの流れを理解していない人間は、単独のプレーの意味を知ることができないということでもある。

 トランプ政権のかつての主要メンバーであったフリン氏への捜査が、新しい局面を迎えたというこのニュースが、政権の基盤を脅かす深刻な変化なのか、それとも一過性の危機に過ぎないのか、また、ロシア疑惑の捜査の進展を意味しているだけなのか、でなければ、トランプ米大統領の今後の行動を変える緊急事態であるのかを、正しく、適切に弁別するためには、幅広い知識とそれなりに深い洞察力が必要だ。

 私はそれらを持っていない。残念なことだが、事実なのだからしかたがない。

 ただ、「専門家」の解説にも、色々とバラつきがある。
 というよりも、ことトランプに限って言えば、単独の専門家の発言はあまり参考にならない。

 国際政治の研究者はこの大統領の言動や手法に面食らうばかりだし、ホワイトハウスの事情に詳しいジャーナリストやアメリカ政治の専門家の多くは、単純にトランプを嫌っている。一方、トランプ氏の出身母体である不動産取り引きやプロレスの世界の人間は政治や外交の基礎知識を持っていない。そんなわけなので、トランプ関連のニュースには、相容れない解説コメントが両論併記のカタチで並べられるケースが多い。

 一貫してトランプ大統領の資質に疑問を投げかける立場から分析する人たちもいれば、そうでない人たちもいる。いずれを採るのかは、なかなか難しい問題で、どの専門家に従うべきであるのかについても、もしかしたら専門家の助言が必要なのかもしれない。

 私は、なるべく公平に事態を観察したいと思っているので、かねてからツイッターのリストに何人かの立場の異なるトランプウォッチャーを並べて入れている。で、適宜、彼らの分析に耳を傾けてつつ、遠いアメリカの空の下に思いを馳せている次第だ。

 その、彼らの反応が、ここへ来て、足並みを揃えている。
 具体的には、トランプ支持派の声も、トランプ批判派の声も、要約すれば

 「あーあ」

 という感じの間投詞に終始しているのだ。

コメント58件コメント/レビュー

同調的なポピュリストが、私たちの内心にわだかまっている嫉妬心や攻撃欲求や縄張り根性を糾合する状態は近未来ではなく現在すでに出現しているのでしょうね。ただそれがすぐに世界を破綻に導くには幸いに遠いとは思いますが。
末尾の狂気と語彙の制限にたいする主張には同意したいです。思考の懐の深さはタイトな語彙と反比例すると思います。アンチ小田嶋のさまざまなコメントを受けつける場を排除しない器量もたいしたものと敬服します。なかなかできないことです。
今回も愉しいコラムをありがとうございました。(2017/12/15 14:04)

「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「トランプ大統領は犬の夢を見るか?」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

同調的なポピュリストが、私たちの内心にわだかまっている嫉妬心や攻撃欲求や縄張り根性を糾合する状態は近未来ではなく現在すでに出現しているのでしょうね。ただそれがすぐに世界を破綻に導くには幸いに遠いとは思いますが。
末尾の狂気と語彙の制限にたいする主張には同意したいです。思考の懐の深さはタイトな語彙と反比例すると思います。アンチ小田嶋のさまざまなコメントを受けつける場を排除しない器量もたいしたものと敬服します。なかなかできないことです。
今回も愉しいコラムをありがとうございました。(2017/12/15 14:04)

>▼ 「それをやっちゃお終いよ」という暗黙の了解に、トランプ氏は足を踏み入れましたね。またベトナムを繰り返すのでしょうか。現代の戦争は相手を根絶やしにしないと終わらないというのに。

別に米国がエルサレムをイスラエルの首都と認めたところで、戦争なんて起きないのだが。
周辺のアラブ諸国にそんな余裕はないし。
仮に万が一第五次戦争が起こったところで、過去の中東戦争同様にイスラエルが単独で対応出来るので、米国の直接に介入とかないよ。
つまりどう考えても、中東において米国にとっての「ベトナム化」なんか起こらない状況なんだが、何が心配なの?(2017/12/13 03:20)

小田嶋さんてコラムニストかと思ってたんですが…
他国の国益を利して日本の国益を傷つけてるんですか?
そんなすごい人だったんですか?
なんかすみません…みくびってました…(2017/12/12 22:16)

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三品 和広 神戸大学教授