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新聞の軽減税率適用について

2015年12月18日(金)

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 消費増税の議論は、どうやら終了している。
 話題の焦点は、既に、軽減税率対象品目の線引きに移っている。

 こういう例は珍しくない。

 大本のところの議論をすっ飛ばして、いきなり各論に入るタイプのセールストークは、あらゆる分野で盛大に適用されている手口だ。私たちはたびたびその種の話法のワナにハマっている。

「結論的には4ドアのタイプと5ドアの製品のどちらかということになろうかと思いますが、お客様はどちらがお好みでしょうか」
「え? 何の話?」
「はい。いまですと、T社のものが経営危機の噂を反映して若干お買い得になってますね」
「…ああ、冷蔵庫の話?」
「H社の製品の特徴は、お刺身などがラップなしでそのまま保存できますところでありまして、ツクリもとにかく頑丈にできております」
「あのさ。誰も冷蔵庫買うとか言ってないんだけど」
「野菜室の使用頻度が高いご家庭には、野菜室が腰の位置に引き出し型で設定されているタイプの商品をおすすめしています」
「…でも、それだと冷凍庫が下になっちゃうわけだよね」
「はい。しかし、製氷室は取り出しやすい位置で、しかもおまかせ製氷で常に自動で氷が提供されます」
「透明な氷はできないの?」
「透明な角氷をお求めでしたらS社の新製品がおすすめです」
「うーん、どうしようかなあ」
「本日午前中限りでしたら、ポイントが10%つきます」
「うーんうーん」

 大切なのは、透明な氷とかラップなし冷蔵とか両開きドアとかお買い得ポイントがつくとかつかないとかのお話ではなくて、そもそも冷蔵庫を買うかどうかであるわけなのだが、各論についてあれこれ検討しているうちに、いつしか冷蔵庫を買うこと自体が規定の方針だってなことで話が進んでしまっている。

「現金のお持ち合わせが心細いようでしたら、60回までのローンもご用意できますが?」
「うーん」
「その場合、月々のお支払い金額は1日あたりほんの缶コーヒー1本分ぐらいですよ」
「うーん」

 つまりわれわれは目をくらまされているのかもしれないのである。

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「小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明」のバックナンバー

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「新聞の軽減税率適用について」の著者

小田嶋 隆

小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、紆余曲折を経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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