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「ハッキリ決めた。ポルシェに決めた」

第372回 2017JAIA試乗会編・その2

2017年2月20日(月)

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 今回お届けするのは、ジャガー初のSUVであるF-PACE R-SPORT、ランボルギーニのウラカン LP580-2、ポルシェ911ターボカブリオレの3台である。いずれもなかなか乗る機会の無いスーパースポーツ。1台約1時間半の試乗枠を一杯に使い、大磯ロングビーチを起点にバンバン走り回ってきた。

SUVの皮を被った狼

 まずはジャガーのF-PACE R-SPORTから。

 15年前にポルシェがカイエンという名のSUVを出した時も驚いたが(ポルシェ社はカイエンをSUVとは認めておらず、あくまで“スポーツカーの一形態”と称しているが)、このF-PACEの登場にも大いに驚かされた。”あの“ジャガーがSUVを?マジで?

 レクサスはRXが発売から1カ月で当初予測の18倍も売れ、カイエンの好調に気を良くしたポルシェはマカンを投入し、果てはマセラティやベントレー(!)までSUVを作り始めた。

 SUVはよく売れるのだ。そしてSUVは利益率が高く儲かるのだ。ジャガーとしても、もはやこの分野のクルマは無視できなくなってきた、ということだ。

 例によって車両の周囲をグルっとひと回り。一見してそれと分かるジャガー顔。正真正銘のSUVであるのに、佇まいはちゃんとスポーツカー然としている。

 ジャガー社は「F-TYPEからインスピレーションを得た」と謳っているが、顔付きはXEやXFの系統である。少し離れて眺めると車高を上げたスポーツカーに見え、近づくと徐々にSUVに見えてくる。そんな印象だ。

 全長、全幅、全高は、それぞれ4740mm、1935mm、1665mmとかなりデカい。試乗会場である大磯近辺の広い道を試乗するには快適この上ないサイズだが、都内の住宅地などでは取り回しに神経を使いそうだ。

 搭載されるエンジンは三種類。2.0リッター 直列4気筒 180馬力のターボチャージドディーゼルエンジンと、3.0リッター V6 スーパーチャージドガソリンエンジンの340馬力仕様と380馬力仕様。今回試乗したモデルは340馬力のモデルで、重量は2トンちょうどである。2トンと聞くと相当な重量級というイメージだが、何しろこの立派な体躯である。むしろ「大変軽く出来ました」と評価して良いと思う。

 ドアを開け運転席に座る。外見の立派さから比べると、かなり絞り込まれた印象である。デロンと広いのではなく、ドライバーをタイトに包み込むような感覚だ。この辺りはジャガーの面目躍如というところだろう。

 エンジンを始動し、ゆっくりと走り出す。左右にハンドルを切る。電動パワーアシストのステアリングは意外なほどに重い。速度を上げてハンドルを切ると、車速に応じていよいよ重くなってくる。この“味付け”も、スポーツカーらしさを演出する一つなのだろう。

 西湘バイパスに入る。江ノ島方面に向かいグッとアクセルペダルを踏み込んでみる。胸のすくような……とまでは言わないが、必要にして十分な加速。これは気持ちが良い。

 驚いたのはそのコーナリングの姿勢である。かなりの速度でコーナーに飛び込んでも、車体がほとんどロールしないのだ。足回りがキツく締め上げられているからだ。

 ジャガーのHPに記されたF-PACEの謳い文句は「実用性と効率性を兼ね備えた、ジャガーの最も実用的なスポーツカー」。そう。このクルマはSUVの格好をしたスポーツカーなのだ。先週書いたアウディのRS7が「羊の皮を被った狼」なら、こちらは「SUVの皮を被った狼」とでも言えようか。道で「鈍重なSUVめが」と不用意にチョッカイを出すと、返り討ちに遭うこと必定である。

 ただし、この硬さで荒れた道を走るとどうなるのだろう。今回は悪路走行する機会がなかったのだが、ポンポン跳ねて怖い思いをするのではあるまいか。まあこのクルマでオフロードを走る人は殆ど居ないだろうから、余計な心配なのかも知れないが、F-PACE R-SPORTは、「荷物をたくさん載せられるスポーツカー」と割り切ってお買い求めになられるのが吉である。

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「「ハッキリ決めた。ポルシェに決めた」」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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