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GT-R田村さん「ボウズもボウズ、丸ボウズ」の巻

第376回 NISSAN GT-R【開発者編・その3】

2017年3月21日(火)

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 フェアレディZやGT-R等のスポーツカーに恋焦がれ、意気揚々と憧れの自動車メーカーに就職した若き日の田村さん。しかし大学で化学を専攻していた氏が配属された部署は、スポーツカーとは縁遠い、基礎研究を行う部署だった。自動車会社は、「機械専攻じゃない時点で、そもそもがヨソモノ」なのだという。

 それでも田村さんは9年間頑張って、1993年には商品企画セクションに転属になった。この部署は、どのようなクルマを作るかを決定する、メーカーとしての舵取りを行う非常に重要なセクションである。


「いいんですか? 俺が行ったらマジで売れちゃいますけど」

F:商品企画というと花形部門ですね。仕事の流れから言うと、所謂上流に当たる。

田村さん(以下、田):それ。その“上流”という意識が問題だ。商品企画室の人間は、クルマ屋の中でも「俺たちは上流工程だから」と。上から目線と言うのかな、何かちょっと鼻につく部分が有る。作る商品を決めるのは俺達だから、俺達が偉いんだ、みたいな。

F:それはクルマに限らず、メーカーはどこも同じような感覚が有るような気がします。

:他のメーカーがどうかは分からないけれど、少なくともクルマ屋にはそういう雰囲気がある。でも企画なんて偉くもなんとも無い。一番偉いのは、販売の現場でお客さんにクルマを売っている人だよね。だって俺たちの給料はみんなそこから出ているんだから。

 企画がいくら偉そうな事を言ったって、営業が売ってきてくれなければ会社には一銭もおカネが入って来ない。なあ、いつだって俺は言うよな。会社で一番偉い人は、はい。誰だ。

田村さんは横に座る柳井さんに顎を振った。

柳井さん:はい。一番偉いのはクルマを売る人です。

:そう。それじゃ次に偉い人は?

柳井さん:クルマを作る人です。

:その通り。これがビシっと即答できなければおかしい。

F:何か田村さんにビシっと躾けられているような……(笑)

:いや。これは躾でも何でもない。当たり前の感覚、当たり前の答えなんだ。これが即答できないで、例えば「ゴーンさんですか?」とか言っちゃう奴が居る。

 確かに会社のランクで一番偉いのはゴーンさんだ。だけど自動車会社は、みんなの給料を持ってきてくれる営業が間違いなく一番偉い。営業が外で頑張ってくれているから、俺たちがメシを食っていける。そしてその元になっている商品は、工場の人が作っている。

 俺らはそれをサポートしているだけなんだよ。たまたま書類の流れの順番が最初の方だから、「上流工程」なんて言葉を使うのかも知れないけど、それで偉い気分になるなんてとんでもない。まったく馬鹿げた話だよ。

F:トヨタなんかは営業が、特に国内営業の発言力が非常に強いという印象がありますね。日産は逆なのかと思っていました。

:そう。それじゃ日産はトヨタと同じレベルでマーケットインが出来ていますかと。市場を調査して、お客様のニーズをきちっと把握して、それでクルマを作っていますかと。当時は特に疑問に思っていた。だから企画の人間も、本社や研究所でエラそうにしていないで、実際に販売の現場で経験を積んだほうが良いんじゃないの、という事を言ったんだ。

F:企画部門の人が販売研修に出る。人材教育のプログラムとしても有りますよね。

:そうしたら何の事は無い。「それならお前が行け」と。俺は部署に対してそうした仕組みも必要ですよね、と提言したつもりだったのだけど、そう思うならお前が行って売って来いや、と(苦笑)

F:あたー(笑)

:そうなったら俺も、いえ僕は結構ですとは言えないじゃない。いいんですか?俺が行ったらマジで売れちゃいますけど。こう言うしか無いじゃない(笑)

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「GT-R田村さん「ボウズもボウズ、丸ボウズ」の巻」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官