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トヨタの「○○すぎるエンジニア」

第429回 トヨタ ハイラックス【開発者編・その1】

2018年4月2日(月)

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 みなさまごきげんよう。
 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 今週も明るく楽しくヨタ話からまいりましょう。

 週末は沖縄に行っておりました。今回は泡盛の工場にキャンプ・シュワブと、「大人の社会科見学」が中心のショートトリップです。

 まずはこちら。糸満市のまさひろ酒造さん(こちら)。

 “蔵祭り”なるイベントを開かれていて、どれどれと覗きに行ったら、なんと泡盛の生産工程を見学させてくださるという。沖縄に遊びに来るようになって、すっかり泡盛の魅力に取り憑かれていたところですが、考えてみれば仕込みを実際に見たことはない。この好機を逃す手はありません。製造部の新垣喜彦係長に工程をご案内いただきました。

いつもは写真撮影NGなのですが、今回はめでたい蔵祭りということで特別にご許可をいただきました。ちなみに新垣さんは泡盛マイスター(こんな資格があるんですな)の第225号だそうです。

 泡盛がタイ米と黒麹から造られることは知っていましたが、沖縄の生産者が共同で一括仕入れをし、それを分配して仕込んでいることは知りませんでした。タイ側の生産農家を指定することはできず、複数の農家のコメがゴッチャになって送られてくるのです。

 つまり各泡盛生産者の原料はイコールコンディションということになる。風味の差を出すのは、生産者の腕次第、というわけです。これは面白い。

 上の写真、新垣さんの後ろにある大きなドラム上の機械は洗米、浸漬、蒸米をおこなう装置です。この中に原料となるコメを入れ、洗濯機のようにグルグル回りながら水で糠が洗い落とされ、その後に水に浸けてコメに水分を含ませます。十分に水を吸わせたら、余分な水を切って、大量の蒸気で蒸し上げる、というプロセスです。

ドラムの中はこのようになっています。真ん中の軸の部分は固定式で、蒸気が噴き出します。
これは貴重な動画です。米麹と酵母とコメを合わせて仕込み容器に入れて発酵しているところです。発酵温度が上がりすぎてはいけないので、容器は水冷式になっています。

 同じコメを原料としていても、ここが泡盛と米焼酎の一番の違いです。泡盛は原料のコメのすべてを麹にして、そのまま発酵させる「全麹仕込み」。米焼酎は、麹を発酵させる段階で芋や麦やコメを入れる二次仕込みがおこなわれるのです。芋焼酎も麦焼酎も、多くの焼酎の麹はコメから造られています(中には芋麹を使っている芋焼酎もあります)。

「こっちはあまり見せたくないのですが……」と言いながらも、サービス精神旺盛な新垣さんがチラ見させて下さった、蒸留工程へ回る直前の仕込み。ここで何日寝かせるかは……ヒミツです(笑)。

 泡盛は15世紀に琉球王朝と交易のあったシャムから伝わった蒸留酒です。原料は大昔から変わらずタイ米を使用している。その技術が後に九州に伝わって、「焼酎」として発展していったのだそうです。泡盛は、言わば焼酎の大先輩に当たるわけです。

こちらは蒸留器です。いまひとつスケール感が出ていませんが、驚くほど大きいです。

 同じ泡盛でも、「泡の収まり」がアルコールの度数によって大きく異なることを実証する実験です。瓶に入れてシェイクすると、両方とも真っ白に泡立つのですが、度数の高いほうはたちどころにその泡が収まってしまう。低いほうはいつまで経ってもシュワシュワしています。その昔、アルコール度数測定器などなかった時代には、高い位置から小さな猪口に泡盛を注いで、その泡を見て度数を推測したのだそうです。そしてそれが「泡盛」の語源にもなっていると。なるほど勉強になりました。

アルコール度数を見分ける実験です。度数が高いと泡がすぐに収まります。
というわけで新垣さん、お世話になりました。ありがとうございました。

 お次は米海兵隊のキャンプ・シュワブです。米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設で物議を醸している例の基地です。

今日は日曜なので護岸工事もお休みのようです。

 この土日はキャンプ・シュワブ・フェスティバルという基地開放デー。これは、オスプレイや輸送車両の展示がおこなわれ、基地内の売店で買い物もできるイベントなのです。

こちらMTVR。消防車や建機なども手がける米オシュコシュ社製の6輪駆動トラックです。

 うーん、デカい。今回特集しているハイラックスもデカいですが、これはケタが違う。

車内のプレートには7トン仕様と書いてありますが、これはオフロードを想定したもので、舗装路ではその倍まで積めるそうです。普通に大型トラックです。
飾り気のないステアリングホイール。運転はさせて……くれませんでした。ただ座っているだけです。

 げ……いい気になってヨタを飛ばしていたら結構な文字数になってしまいました。
 オスプレイを含め、秘蔵写真がたくさん撮れたのですが、それはまた別の機会に。
 そろそろ本編へとまいりましょう。

 13年ぶりに本土復帰……じゃなくて国内販売が再開されたトヨタハイラックスの開発者インタビューです。

コメント18件コメント/レビュー

●勤め人
フェルさん、他の社員は知らないってことはないのでは?目立たないおじさんと正反対な活動的なオジサマのようだし(笑)。
●ハイラックス
ピックアップトラックというクルマは本当に米国人のスピリットなのでしょうね。
CSのディスカバリーチャンネルで「ファスト&ラウド」「CAR SOS」などという番組があります。番組中、爺さんの頃から乗り継いできているなんてブツも番組では紹介されます。アメリカの番組では形見?のそれをエンジンはもちろんトランスミッションやサスペンションなどを現代のものに換装したり、ホットロッドにしたりとかなり自由で、おおらかな改造が施されていますが、それでも形見としてOKなようです。私の感覚的には「それって別のクルマじゃ?」といった感じがしますが。(もちろんオリジナルにこだわることもあります。)
●AD高橋さん
TOPGEAR USAでもジェット旅客機を牽引し、タイムを競うレースなどもしています。アメリカ人は力持ちのピックアップが大好きなようですね。
(昔同僚が乗っていたH8年185型ハイラックスに「パワーリアアンダーミラー」というギミックがありました。現代では忘れ去られた装備ではありますが、このような装備も技術の進歩の過渡期としてはアリなんでしょう。MAZDAファンの自動車曲げオタクより)(2018/04/04 08:13)

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「トヨタの「○○すぎるエンジニア」」の著者

フェル

フェル(ふぇるでぃなんと・やまぐち)

コラムニスト

堅気のリーマン稼業の傍ら、細々と物書きの真似事をしております。最近は講演やらテレビ・ラジオへの出演も増えてきました。いったい本業は何なのか自分でもよく分からなくなっています。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

●勤め人
フェルさん、他の社員は知らないってことはないのでは?目立たないおじさんと正反対な活動的なオジサマのようだし(笑)。
●ハイラックス
ピックアップトラックというクルマは本当に米国人のスピリットなのでしょうね。
CSのディスカバリーチャンネルで「ファスト&ラウド」「CAR SOS」などという番組があります。番組中、爺さんの頃から乗り継いできているなんてブツも番組では紹介されます。アメリカの番組では形見?のそれをエンジンはもちろんトランスミッションやサスペンションなどを現代のものに換装したり、ホットロッドにしたりとかなり自由で、おおらかな改造が施されていますが、それでも形見としてOKなようです。私の感覚的には「それって別のクルマじゃ?」といった感じがしますが。(もちろんオリジナルにこだわることもあります。)
●AD高橋さん
TOPGEAR USAでもジェット旅客機を牽引し、タイムを競うレースなどもしています。アメリカ人は力持ちのピックアップが大好きなようですね。
(昔同僚が乗っていたH8年185型ハイラックスに「パワーリアアンダーミラー」というギミックがありました。現代では忘れ去られた装備ではありますが、このような装備も技術の進歩の過渡期としてはアリなんでしょう。MAZDAファンの自動車曲げオタクより)(2018/04/04 08:13)

F-150はかなりカッコいいですね。
アメリカで暮らすのならこんな車に悠然と乗りたいです。
私は現在はGクラスになっているのですが、飛ばす気にならないクルマは普通に乗っていても楽しいです。
BMWの直6に乗っていた時は常にカリカリと走っていたような気がします。

バブル終焉後の四駆ブームでもハイラックスサーフはとても人気がありましたが、あの頃はみんな無理してパジェロだのビッグホーンだのといろんな車を買っていましたね。
ローンの支払いに汲々としながらも週末のスキーやサーフィンに全てをかけていたような。
いつまでも車に乗ることを楽しめる世代に生まれて幸せです。(2018/04/03 20:03)

ご存知とは思いますが タイは新興国向のモデル開発基地と位置づけられ、開発センター(タイの大学生のあこがれの就職先です)やテストコース等もあるので 是非 ご覧になればと思います。
&疲れたら マッサージをお楽しみください。(2018/04/03 19:14)

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溝上 慎一 京都大学高等教育研究開発推進センター教授