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増えない稼ぎ、「消費増で経済成長」の意味不明

「経済成長」さま、私はもう疲れてしまいました

2017年1月11日(水)

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 年明け早々私の頭の中は、かなり混乱している。

 「豊かさって誰の為にあるんだ?私たちのためなんじゃないのか?」と、モヤモヤした感情で脳内が埋め尽くされているのだ。

 元日のコラム(「“東京の夜景”の被害者を二度と出さないために」)に続き暗~いスタートとなってしまったのだが、今回は「私たちの豊かさ」についてアレコレ考えてみようと思う。

 …っとその前に。モヤついている理由を話さなければならない。

理由その1。
テレビや新聞で年明けから飛び交っている、「消費を増やそう!」「経済を成長させよう!」というフレーズへの心地悪さ。

理由その2。
5日の経団連や同友会などが主催する経営者の方たちの賀詞交換会で、経営者の方たちから「トランプ次第」という言葉が頻発していることへの違和感。

理由その3。
仕事始めに街頭インタビューに答えているエリートっぽいビジネスマンたちからも、まるで呪文のように「トランプ次第」というコメントが多かったことへの空虚感。

 以上です。つまり、

消費、消費、消費、成長、成長、成長、トランプ、トランプ、トランプ、という言葉や文字に食傷し、

「消費を増やそう」だの、「経済を成長させよう」だの、「トランプ次第で日本の株価も変わる」だの、すべてカネ、カネ、カネ、カネのオンパレードに嫌気が差し、

 2017年を語るさまざまな言葉から、人間(国民)の姿が全く見えないことに少々苛立ってしまったのである。

 唯一ホッとしたのが、私がテレビで見た例の賀詞交換会で、みずほ銀行のトップがフリップに書いた「不安からの脱出」(NHKニュースの記憶です…)という抱負だった。

 不安が極限状態に達している時代に、なぜもっと足下のことを考えないのか?

 トランプが気になるのはわかるけど「外は外、内は内」として、なぜ足場を固めようと思えないのか?

 経済成長、経済成長って。ヒトは?人は?いったい“人”はどこにいってしまったんだ? 

 と、国民経済とは「日本で暮らすべての人が幸せになるために存在する」と信じている私の脳内の虎たちが、新年早々「ガオ~!!」と吠えまくっているのである。

 なんてことを書くと、
「オマエは経済のことに触れるな!」
「経済の専門家じゃないのに、口を挟むんじゃない!」
「カネがあってこそ人は幸せになれる。まだ、そのことがわからないのか!」
とこれまでもそうだったようにコメント欄が荒れそうなのだが(苦笑)……、それにもめげずもう一回脳内クルクルしてみようと思った次第だ。

コメント80件コメント/レビュー

筆者の主張は多くの日本人の気持ちを代弁しているがゆえに共感も得られるだろうが、バブルを経験し、定年まで指折り数えているようなアラフィフ世代の発言は、個人の意見としては看過できても、その下の氷河期世代からすれば、体の良い逃げ切りと映らなくはない。耳触りの良いことを語る人が一番信用できない典型例である。

少子高齢化、グローバル化、IT化が進行する世界で、GDPの成長率を引き上げるのは至難の業かもしれないが、新興国は当然ながら、日本以外の先進国、成熟国である欧州ですら、この二十年ずっと成長しているのである。なぜならば、各国政府は時代の変化に合わせて、様々な制度変更を断行し、国民もそれを受け入れたからである。日本は、本来やらないといけないことを先延ばしにしてきた。政治家の責任も大きいが、変化を受け入れない国民にも大きな責任はある。

成長を否定したい気持ちもわからなくもないが、やるべき政策は日本人の一人当たりの1時間当たりの生産性向上のための仕組みづくりであろう。2020年から大学入試の仕組みが変わり、特に英語の試験はTOEFLが導入される。同一労働、同一賃金の導入、男女間の賃金格差の解消も進んでいくであろう。都市の再開発、空き家の有効利用、確定拠出年金の普及、私立高校への学費無料化、など。消費税引き上げや配偶者控除廃止、高齢者医療の負担見直し、年金支給延期、など痛みの伴う改革すら受け入れず、「経済成長は不要だ」とうそぶく方には、ゼロ成長どころかマイナス成長の地獄しか待っていないと申し上げたい。

困るのは、我々の世代ではない、我々の子供たちの世代である。(2017/01/17 18:47)

「河合薫の新・リーダー術 上司と部下の力学」のバックナンバー

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「増えない稼ぎ、「消費増で経済成長」の意味不明」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

筆者の主張は多くの日本人の気持ちを代弁しているがゆえに共感も得られるだろうが、バブルを経験し、定年まで指折り数えているようなアラフィフ世代の発言は、個人の意見としては看過できても、その下の氷河期世代からすれば、体の良い逃げ切りと映らなくはない。耳触りの良いことを語る人が一番信用できない典型例である。

少子高齢化、グローバル化、IT化が進行する世界で、GDPの成長率を引き上げるのは至難の業かもしれないが、新興国は当然ながら、日本以外の先進国、成熟国である欧州ですら、この二十年ずっと成長しているのである。なぜならば、各国政府は時代の変化に合わせて、様々な制度変更を断行し、国民もそれを受け入れたからである。日本は、本来やらないといけないことを先延ばしにしてきた。政治家の責任も大きいが、変化を受け入れない国民にも大きな責任はある。

成長を否定したい気持ちもわからなくもないが、やるべき政策は日本人の一人当たりの1時間当たりの生産性向上のための仕組みづくりであろう。2020年から大学入試の仕組みが変わり、特に英語の試験はTOEFLが導入される。同一労働、同一賃金の導入、男女間の賃金格差の解消も進んでいくであろう。都市の再開発、空き家の有効利用、確定拠出年金の普及、私立高校への学費無料化、など。消費税引き上げや配偶者控除廃止、高齢者医療の負担見直し、年金支給延期、など痛みの伴う改革すら受け入れず、「経済成長は不要だ」とうそぶく方には、ゼロ成長どころかマイナス成長の地獄しか待っていないと申し上げたい。

困るのは、我々の世代ではない、我々の子供たちの世代である。(2017/01/17 18:47)

経済成長があって人々が幸福に暮らしていけるという原則を理解していないですね。
経済成長が鈍化する、デフレになる、これらすべてが確実に人々の生活を不幸にしている。
失業者が増えて世の中が幸せになれる筈がない。
20年におよぶ日本の低成長とデフレによって自殺者が増え、就職氷河期という最悪の状況で若年層の失業を増やしてしまった。
この世代はこの負の状況を取り返せないまま中年になろうとしている。
経済成長なんか必要が無いなんてよく言えますね。
「21世紀の資本」を著した経済リベラル派のトマ・ピケティでさえ、人々が幸せになるための再分配をするために経済成長が必要であると言っている。(2017/01/17 15:23)

Whoの健康の定義は嫌いです。
だれでも持病の一つや2つはあるんでして、健康な人ってどれだけいるの?
不健康でけっこう、余計なお世話だと。たた、2つめの定義の方は了解可能です。

他人が持っているもの(こと)をほしいと思わなければ、現状でも結構幸せになれるのではないでしょうか。
幸せは国家や社会が与えてくれるのかしら?(2017/01/14 00:49)

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