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孤独中年の健康を害す「友だちいない」不安

「孤独と生活習慣病の関係性」を示した米国調査で考えたこと

2016年3月1日(火)

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 今回は「ミドルの孤独」をテーマにアレコレ考えてみようと思う。

 まずは、年明けに発表され、日本でもちょっと話題になっている興味深い論文から紹介する。

 “Social relationships and physiological determinants of longevity across the human life span”と題されたこの論文は、今年1月、米国科学アカデミー紀要( Proceedings of the National Academy of Sciences:PNAS)に掲載された。

 論文の内容と結論は、ワシントンポストに掲載された記事のタイトルでわかる。

「Your relationships are just as important to your health as diet and exercise」

 要するに、「心も身体も健康でいたければ“つながり”を大切にね!」という調査結果が示されたのである。

「孤独」が世界的な社会問題になっている

 調査を行ったのは、米ノースカロライナ大学チャペルヒル校社会学科研究グループ。

 「社会的動物である人間にとって、孤独が及ぼす影響は“皮膚の下”に入る(get under the skin)」との視点から、「社会的つながり」と「心臓病や脳卒中、癌のリスク」の関連を分析した。最大のウリは、大規模な異なる年齢層(若年、壮年、中年、老年)の縦断データを用い、因果関係を明らかにした点だ。


※分析に用いたサンプルは、Add Health(7,889人)、MIDUS(863人)、HRS(4,323人)、NSHAP(1,571人)の4つで、それぞれ2時点の縦断データ。健康度の測定項目は、「血圧、ボディマス指数(BMI)、ウエスト周囲径、炎症の測定指標となる特定のタンパク質(CRP)」で、これらはいずれも心臓病や脳卒中、癌の発症に高い関連性をもつ。

 ちょっと話がずれるが、「孤独」に関する研究は、ここ数年激増している。日本では高齢者に特化したものが多いが、世界的には年齢に関係なく関心の的だ。

 例えば、2005年のOECD(経済協力開発機構)報告書では、「孤独」に関する調査の結果が盛り込まれた。そのこと自体、「孤独」が社会的問題になっていることを意味するのだが、この調査では、日本の社会的孤立の割合は、OECD加盟国の中で最も高かった。

 また、オピニオン誌「The Atlantic」でもアンケート調査を行い、「重要な問題を話し合える相手がいない」と答えた米国人は、30年前には10人に1人だったが、いまでは4人に1人まで激増している実態が明らかになっている。

 つまり、今回の研究もその「孤独」を軸に、健康への影響を明らかにしたところが話題を呼んだのだ。

コメント31件コメント/レビュー

 二つの面から見ることができます。
 一つは、未来という共通話題に包まれた青少年時代から、それぞれが全く別の生活環境、ポジション、社会的視界の中で生きる現実世界に変わった場合、自分の周囲のことを考えるのが精いっぱいで、友人と語り合う共通話題が少なくなる。
 いま一つは、「自由」という名の利己主義を基本理念として近代資本主義社会は成り立っていること。したがってそこでは、ばらばらの個人の事情という意識がさきに来て友を求めるという雰囲気になりにくい。資本主義の深化とともに個人の孤立化が顕著になるのは、必然の成り行きです。大げさな話になりますが、効率万能の資本主義は人の心をますます貧しくしていくに違いありません。

「私でよければ、“お友達”になりますよ! 是非!」  なんという福音でしょうか。(2017/03/03 11:45)

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 二つの面から見ることができます。
 一つは、未来という共通話題に包まれた青少年時代から、それぞれが全く別の生活環境、ポジション、社会的視界の中で生きる現実世界に変わった場合、自分の周囲のことを考えるのが精いっぱいで、友人と語り合う共通話題が少なくなる。
 いま一つは、「自由」という名の利己主義を基本理念として近代資本主義社会は成り立っていること。したがってそこでは、ばらばらの個人の事情という意識がさきに来て友を求めるという雰囲気になりにくい。資本主義の深化とともに個人の孤立化が顕著になるのは、必然の成り行きです。大げさな話になりますが、効率万能の資本主義は人の心をますます貧しくしていくに違いありません。

「私でよければ、“お友達”になりますよ! 是非!」  なんという福音でしょうか。(2017/03/03 11:45)

もう20年前、ニフティのころからSNSを使っています。
写真が趣味なのですが、最近のSNSは業界が手薄の20〜30代のマーケットの需要を喚起しようと躍起で、20〜30代の素人や若いプロをヒーローに祭り上げて、そういうヒーローになりたい人やあやかりたい人と盛り上がるように仕向けています。

デジタルカメラ市場はコンデジがスマホに喰われてしまって高額なデジタルカメラ一眼しか売れなくなっています。そういう高額な製品は所得水準が低い20〜30代のでは需要が少なく、所得水準が高い中高年が主要なマーケットになります。車やバイクと同じです。

ところがSNSで20〜30年代向けのマーケティングをやっているので中高年層はシラケ切っています。
写真を始めて数年程度の人間をヒーローに祭り上げて講演会をやっても見に行く気など起きません。話を聞いて参考になるはずがありません。

SNSは人と人とが繋がる場所で、趣味は人と人とを繋げる大きなキッカケになります。
そういう場所で趣味の世界が何故だか若い世代の芸能人登竜門かアイドル応援団になってしまってSNSや趣味の意味がなくなっています。

そもそも、なぜ人口も少なければ購買力のない若年層向けのマーケティングばかりやるのか不思議でなりません。

孤独化する中高年の救いとなるSNSと趣味で、それをぶち壊して主たる市場からソッポを向かれないようにしていただきたいです。(2017/03/02 10:47)

ご確認願います。
CRPは炎症性蛋白で、原因では無く結果です。
この蛋白が血液で増加すると、感染症、癌、外傷など炎症性疾患を疑います。
炎症リスクが高い、とはCRPが高値と思います。

以下の箇所です。

*********************************************

・若年期の社会からの孤立は、運動をしないのと同じくらいCRPによる炎症リスクを上昇させていた
・老年期の社会からの孤立は、高血圧のリスクに大きく関連し、糖尿病患者と高血圧の関連をさらに上回った
・中年期の社会的なサポートは、腹部肥満とBMIを低下させていた
・中年期の社会的なサポートがない人は、CRPによる炎症リスクが高かった(2016/03/08 19:03)

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