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ニッポン的“国葬”就活、海外からの意外な理解

「就活スーツは黒」これって誰の指令なんだ!

2016年3月8日(火)

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 就活って、何なのだろう? これまで、“就活”という呼び方、一括採用、内定エリートなど、関連する素朴な疑問や見解をアレコレ書いてきたけれど、本当に就活ってナニ?

 オトナたちが手をかければかけるほど、「???」な方向に進んでいるように感じるのは、私だけだろうか?

 解禁を6月にするだの8月にするだのの、経団連すったもんだ問題も、採用選考に関する指針も、わけがわからない。

 そういえばチョロ松が、「就活は、まったくする気ないよね~」とテレビ画面の中で嘆いていたけど(テレビアニメ「おそ松さん」)、今や就活は“国民の一大行事”。いつの間にこんなことになってしまったのか。

 3月1日の就活解禁日に新聞各紙で掲載されていた写真は、異様だった。就職情報大手のリクルートキャリアが幕張メッセで開いた合同企業説明会に、“黒スーツ軍団”が押し寄せた光景は、まるで「国葬」。学生たちは「就活ロボット」みたいで、とにもかくにも異様という言葉以外思い浮かばないほど、異様さを極めていた(参照記事:「就活スタート 会社説明会が解禁 」日本経済新聞)。

 そこで今回は、誰もが「なんか変?」と感じているニッポンの就活について、ある一本の映像から改めて考えてみようと思う。

ショートアニメ「就活狂想曲」

 まずは、以下の作品をご覧いただきたい。

 これは昨年、文化庁メディア芸術祭入選を皮切りに、フランス、ポルトガル、ブラジルの映画祭で次々と入選を果たしたショートアニメ「就活狂想曲」。

 描いたのは“リアル就活生”だ。現在アートディレクターとして活躍する吉田まほさんが、東京芸大大学院の修了制作として制作・提出した作品である。

 さて、いかがでしょう。ご覧頂いただいたとおり、わずか8分の美しい映像には、就活の滑稽さと、異常さと、就活生の苦悩と変化が実に見事に描写されている。

 大学では自由だったごく普通の学生たちが、

真っ黒のリクルートスーツに着替え、
茶髪を黒髪にし、
モリ気味のアイメイクを落とし、
作り笑顔を練習し、
うなずきマシーンと化し、
積極的に質問をし、

就活マニュアルに書かれている“人材”に、大変身!

 待てど暮らせど鳴らぬ携帯にドキドキし、お祈りメールに怯え、内定レースから1人抜け、2人抜け……、

 最初は変化する友人に戸惑っていた主人公も、いつしか就活の波に飲み込まれる。で、やっと200%“清く、正しく、美しい”就活生を演じたつもりが、最後の最後でダメ出しをくらい地獄の底に突き落とされ――。

 なんだか見ていて切なくなった。

 と同時に、就活が「オトナたちが用意する舞台に立つための演技力を高める装置」だったことに、気付かされた。就活狂想曲に引きずり込まれた学生たちは、必死で“規格化された若者”を演じているのだ。

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「ニッポン的“国葬”就活、海外からの意外な理解」の著者

河合 薫

河合 薫(かわい・かおる)

健康社会学者(Ph.D.)

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。産業ストレスやポジティブ心理学など、健康生成論の視点から調査研究を進めている。働く人々のインタビューをフィールドワークとし、その数は600人に迫る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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